TENSEI塵語

2009年06月13日(土) アリア「Non piangere, Liu」

今、市吹で取り組んでいる曲のひとつが、
「トゥーランドット・ハイライト」。
「冒頭部分」「砥石を回せ」「誰も寝てはならぬ」の3曲構成である。

編曲者とこの楽譜について話した時に、
「リューよ、泣くな」も入れてよ、と頼んだのだった。
「トゥーランドット」の中で1番好きなアリアなのだ。

「どの辺で出て来るアリアですか?」
「第1幕の最初の方だったと思うけど、、」


先日、LPレコードを聴けるようにした時に、
何年かぶりに第1幕を聴いてみたら、そうではなかった。

え? こんな終わりの方だったっけ、、、と思いつつ、
聴いて、思い出した、、、
このまま第1幕のクライマックスに入っていくのだ。
「リューよ、泣くな」までメドレーに入れてしまうと、
「誰も寝てはならぬ」までは入れようがなくなってしまうのだ。

そうそう、、、十何年か前に、自分で編曲しようと思ったのだった。
そんなことまで、やっと思い出した。
「トゥーランドット・第1幕ハイライト」と称して、
「冒頭部分」「砥石を回せ」「リューよ、泣くな〜ラスト」の構成。
1曲の構成としては、この方が絶対に充実している。
けれども、一般向けには「Nessun dorma」は欠かせないかも。。


「リューよ、泣くな〜第1幕ラスト」は、
今回何度か聴き直してみても、心が狂いそうになるほどすばらしい。
手が自然と動いてしまう。

物語としては、カラフがトゥーランドット姫に一目惚れし、
父ティムールやリュー、それに宮廷の3大臣からも思いとどまるよう
説得されるが、命懸けの謎解きに挑む求婚者になろうとする、
「困ったやつだ!!」の場面なのであるが、
音楽的には、もう、興奮の坩堝って感じに陥ってしまう。

とにかく、第1幕がもっとも音楽的に出来のよいオペラなのだ。
珍しいことに。。



2009年06月09日(火) イメージ混乱ニュース

いつごろからだったか、たぶん平成に入ってからだと思うけど、
野田塾という看板をあちこちに見かけるようになった。

え? まさかあの塾が、、、? と、
私が中学時代に通ってた塾も野田塾だったので、
もしそうだったら信じられない、、なんて思っていたのだが、
案の定、私の通っていた塾とは無関係らしく、
人から聞いた話では、津島の小さな個人経営の塾が、
昭和の終わりごろから拡張し始めたのだそうだ。

今では、愛知県を中心に50校以上、
塾生1万人以上の規模になっているという。

その中の1校の校長が、屋上で大麻を栽培していたという。
37歳の校長で、高校時代から吸っていたそうだ。
小中学生を集める塾の屋上で大麻栽培。。。
新聞の記事を読みながら、イメージが整理できなくて混乱した。。


その隣に、こんな記事もあった。
「ラブホテルを経営する宗教法人」
「休憩料・宿泊料をお布施と偽り、所得隠し」

うーーん、、ますます混乱するイメージ。。
とても、現実に生きている庶民が考えつく構想とは思えない。。




その後で天声人語を読んだのだが、

「40年前、東大在学中の鳩山兄弟は、
 学生と機動隊が衝突した安田講堂事件を体験した。
 保守政治家の息子たちらしく、兄の記憶によれば、
 近くの料理店の2階で一緒に攻防戦を眺めていたそうだ」

なんか、とてもしっくりくるイメージで、ほっとした、、(笑)



2009年06月08日(月) レコード盤の怪

ずーーーーーっと前からやりたかったことがあって、
なかなか踏み切れなかったのだけれど、昨日、決行した。

ガーディナー指揮/モンテヴェルディ合唱団の
カンプラ「レクイエム」は、CDとして再販売されないままだ。
レコード盤はもうほとんど聴けない状態になっているので、
ずーーーーーっと前に、ある機械を手に入れた。
レコード盤用のターンテーブルがついていて、
それを、mp3 ファイルやWAVE ファイルに録音・変換して、
USB メモリーに保存して、それをPCで編集できるという。。。
そしてそれをCDに焼く。

機械を手に入れたのはもう2年近い前かもしれない。
すぐにそれをやりたくて、見つけて買ったのだが、
届いたころは、もうとても忙しくて、まったく手がつけられず、
そのまま暇でも忘れてしまったり、
思いついても時間的に困難だったり、、いろいろで、延び延びに。。

最近新聞広告で似たような機械を見つけ、
もっと使い勝手のよさそうなことが書いてあったので、
こんなことなら今まで待てばよかったのに、、と思うのだが、
あの時はあの時で、ほんとに矢も盾もたまらず、みたいな風でして。。


で、昨日、実際使ってみたら、、、楽じゃないなぁ。。
ファイルレベルの変更のメニューは出て来てくれないし、
録音のタイミングと針を置くタイミングはいい加減だし、
トラックに切ってくれるわけじゃないので、
PCのソフトでファイルの編集しようとしたら、上手くいかないし。。

結局、夜になって再挑戦。
結局、最近DVDから音だけを録るのに使っている手で、
ターンテーブルは利用して、そのライン・アウト端子から、
愛用のデジタル録音機に録音してWAVE ファイルに変換することにした。




それにしても、、、、
今さら何だ? という不思議さに取り憑かれているのだけれど。。

きょう、流れてくる音楽を聴きながらレコード盤を見つめていて、
つくづく不思議に思ったのだ。

なぜ、こんな溝を針でひっかいてるだけで、
こんなにいろいろな音色が聞こえてくるのだろう、、???
この眼では判別不能なギザギザの溝に、
これだけの美しいメロディーやさまざまな音色が閉じこめられている。
・・・何で?

単色の音色の音声が記録されるだけなら、まだ何とか想像可能だ。
けれども、なぜこんな豊かな世界がこの細かい溝の中に、、??

デジタル信号なら、何でもできそうな気がする、で済ませてしまう(笑)
でも、これは、あまりにも物的なので、、限りなく不思議だ。
なぜこんなところに、音色やメロディーが入るわけ??



2009年06月07日(日) 透明人間はいない

昨夜の「MR.BRAIN」では、まず、
姿が映ってないからあなたが犯人だ、というオチがおもしろかった。

ある大学病院で、日向教授が殺された。
監視カメラには、日向教授が部屋に入る姿は映っているけれど、
その次に扉が開いた時には誰も映っていない。
それからもう1度扉が開いたが、やはり誰も映っていない。
やがて廊下に千原教授が現れ、警備員も現れ、それが死体発見の時。
透明人間による犯行か? という大騒ぎになった。

この時点で視聴者に落ち着かない姿を見せているのは、
将来有望の若い医師和久井、と、その婚約者のめぐみ。
めぐみは、自分の知っていることを警察に話そうか迷っているようだ。
千原は今までの確執から、日向を殺す動機があるらしい。

透明人間の犯行に捜査が難航しているうちに、
めぐみが階段から突き落とされて、頭を強く打って記憶を失う、
という第2の犯行も起こった。。。


さて、九十九くんの名推理は、とてもあっさりしたものだった。
日向教授の殺人の時に犯人の姿が映ってないのは、
カメラの向きを少し変えて、その死角を利用したからだ。
「運がよければまだカメラに指紋が残ってますよ」

・・・これでドラマが終わってしまったら拍子抜けだが、
この後が脳科学者の本領発揮である。

逮捕された千原は殺人の方は認めたが、
めぐみを突き落とした犯人は別人だった。

和久井は、今まで裏金を受け取って研究費用にしており、
千原の取り調べの中で、そのことがばれるのを恐れ、
婚約者のめぐみを殺害しようとしたのだった。

彼が犯人だという推理のひとつの決め手は、
めぐみの悲鳴を聞いて多くの職員が現場に駆けつける、
その監視カメラの廊下の映像の中のどこにも和久井の姿がないこと。
「つまり、その時あなたは階段(現場)に隠れていた、ということです」


それ以上におもしろかったのが、
そこに至る過程の、脳科学を利用した推理である。

九十九に教えられた治療法を和久井が熱心に続けて、
めぐみが何とか受け答えができるようになったという。
突き落とした犯人はどんな人かという和久井の問いに対して、
めぐみはいくつかの特徴を答えるが、それは千原の像である。
そのままその証言を尊重すれば、捜査は混乱する。

ところが、この応答の際の脳の反応を調べると、
過去の記憶を巡らす領域はまったく反応していない、
ごく最近の記憶を働かせる領域は活発に反応している。
つまり、めぐみは、突き落とされた時の記憶を語っているのでなく、
和久井に教えられた、しりとりを利用した一連の問答を
繰り返しているだけだ、ということになる。

・・・そうかぁ、、こんな分析もできるんだー。。

また、九十九はこの検査の最後に、和久井の写真をめぐみに見せて、
その反応を見る。
これは、彼なりのおまけの検査のようだ。
愛する対象を見ると反応する部分があるのだそうだ。


和久井を追いつめる九十九くんは、今までより熱していたようだ。
ここぞというところで熱する久利生検事に似てきたかもしれない。
今後がますます楽しみだ。



2009年06月05日(金) 濡れ衣を着せた罪は、、?

3〜4回前のドラマ「臨場」にこんな場面があった。

検事が警察にやって来て、さっさとMを逮捕しろと圧力をかける。
世間で話題となっている事件だから、
早期解決で世間にアピールしたい、という理由で。。
現場のベランダから指紋が出てるんだから間違いない! と主張する。
さらに、Mの部屋から、事件に使ったと思われる品が出てきて、
ますます圧力が強くなる。

倉石と立原は、まだ腑に落ちない点があって確信できない。
むしろ犯人は別人という気がしてならない。

捜査本部の責任者の立原は、今後の地位について脅迫されるが、
犯人でない男を逮捕する方がよっぽど恥だ、と断固拒否。

それでも、検事は、あと1日でMが無実だという証拠が出なければ、
立原を捜査から外し、Mを逮捕すると宣告する。。
・・・うーん、、それにしても何と強引な。。。
・・・それに、実際捜査にあたってるわけでもないし。。

もちろん、この物語では、
それまでまったく考えもしてなかった人物が真犯人だったのだ。。
功を焦っていばって口出ししていた検事も、
彼らの入念な捜査のおかげで救われたというわけだ。


この種のドラマや小説を読んでいると、
これに似た葛藤がしばしば演じられる。
手柄を急ぐあまり、あるいは、世間へのアピールを急ぐあまり、
決めつけて逮捕してしまう、という話。。

もっとも、こういうフィクションでは、名推理の主人公が、
きっちりと真犯人を見つけ出すので、冤罪の痛手は軽く、すぐ晴れる。


昨日、冤罪が認められて釈放された人のニュースを見ていて、
取り調べにあたった刑事や検事は、どんな罰を受けるのだろうか、
と、かなり気になった。
20年近くも、無実の人の権利を奪ったのだ。
これは、殺人罪と同じとは言えないにしても、
かなり重い罪ではないか。。
17年半も、身に覚えのないことを責められて、
牢獄で過ごさねばならなかった日々の思いは、私には想像不能だ。

謝罪に現れるわけでもないようだし、
今後、どんな裁きがあるなんて話題もないようだし。。
そういえば、今までも冤罪事件はいくつもあったけれど、
取り調べた人たちが罰せられたというニュースは聞いたことないような。。
職務上の不可避の誤りとして不問に付されるのだろうか?


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