詩のような 世界

目次


2008年04月27日(日) ホワイト



あ、雨が降ってきたよ

僕が君を呼ばない理由なんて聞いてどうするの?

ほら、空も泣いているよ


どこにいるかわからなくて声は届かなくても

毎日僕は君に語りかけている

窓からのぞく景色はまるで作り物みたいで

なんだか不思議で滑稽だよ

君と歩いた季節だけが息づいている

僕は君に触れられない

君は僕に触れられない


真っ白な渡り鳥は

君の持つ空っぽの鳥かごへ

この気持ちは大きすぎるから

ちょっとしたほんのりあたたかい歌を

一直線に運んでいきますように



2008年04月20日(日) エンドレス



得ては失い

繰り返しの流れは

生きる定めなのだと

僕は嘆いたかもしれない


得ているときは実感しにくい

満たされている余裕から


失うときは感情に侵され

漆黒の彼方へ落ちていく

永遠すら予期しながら

無意味だと嘆く


得ているときも

意味などないのに


またいつか地に這い上がり

きれいな光を捕らえたら

忘れていた笑顔と

長い間の涙の跡を

両手にそれぞれ握りしめる


そして

得ては失い

繰り返しの流れは

生きる定めなのだと

僕は呟くかもしれない


2008年04月09日(水) 寄り道



冷たい雨の通り道

ピチャン、ピチャン

わたしが邪魔してごめんなさい

草花の匂いは揺れて

遠くで寂しい猫が鳴く


素足を引きずりたどり着いた場所

レンズを黒く塗りつぶしたメガネをかけた

抱き寄せられる感覚と

同時に爆発的な冷却衝動

どうしようもない体を舐めてあげる

唇も凍った肌も付けていた下着も

望むならくれてやるから


追いかけるよりも

自分の足元を見てみれば


裸のわたしはまた歩き出す

幾多の寄り道を経て

わたしたちはゴールする


足の傷は増えたけれど

水たまりの温かさに救われている

わたしはわたしを捨てられない

捨てる気なんて始めからなかった


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