詩のような 世界

目次


2005年05月19日(木) one



陽だまりの中、ふたりは歩く
つないだ手と手の間に生まれる
新しい陽だまり
穏やかだね
穏やかだね
何ひとつ、遮るものはない
そんな勘違いを呼ぶような、ぬくもり

ずっと一緒にいたいと
願いたかった
どうしてこうなってしまうのだろう
どうして寂しいの?どうして憤るの?

君は僕のすべてを知った、と言った
僕の喉はカラカラになった
少しでも笑えたらよかったのに

僕も君のことを知っていった
君が僕のことをまだよく知らない
ということも知った

青空は
青と形容するほかに思いつかないほど
澄み切った青で
君もその色と同じだと気づいた
純粋で疑いを疑わない

僕は染まれない
君の指の1本1本から染まれない

次の陽だまりには猫の親子が寝転んでいる
君が「猫だ」と嬉しそうに走り寄っていった
その後姿のずっと奥の方を
僕は無心で見つめていた


2005年05月18日(水) 再生塔の渦



僕が壊した
どくんどくんと
はちきれそうに脈打つ思いは
氷の欠片になって
きらきらと舞いました

そしてそれらは
誰に拾われることなく
待ち構えていた針葉樹の葉に貫かれて
終わりを迎えたのです

空を覆っていた分厚い紫色の雲は
ぱかっと真っ二つに割れ
僕らの肉みたいなオレンジの不気味な
不気味な空が開かれた 開かれました

望まれた場所なのか
失敗の、庭なのか
歩いてみなければわからない
見上げているだけじゃ見えない

誰の目にも触れず死んでいった思いたち
おまえたちを
愛していたよ僕は
確かに
涙が出るほど
いとおしかったんだ

もしもまた出会えたら
今度こそ大切に触れるよ
どんな空間が両手を振っていても
敵は僕が蹴散らすから
おまえたちを守り抜くことは
自分を守ることでもある


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