詩のような 世界

目次


2003年01月27日(月) 質感

カサカサ
カラダ
クチビル
カワムケ
ケロイド

保湿剤
保湿剤
ほしい
保湿剤

ヌッタラ
ヌラヌラ
ナメラカ
ナメテヨ

潤い
うっとり
あげる
うけとれ

サワッテ
シニソウ
サラリト
ソラスナ


2003年01月22日(水) 目の奥の目


ガラスの器に盛られた私
誓いのキスを

ひんやりした無味

あなたの腕を
まるでUFOを見るかのように
凝視した
何だあれは
七色に光るあれは

えいやえいやえいや
空を切ってみる
私の正体は
気を引きたい子供だった
く く く

あなたの癖は
私の目の奥を探ろうとすること
それもにやにやしながら

私はいつから
フルーツバスケットもどきになったの
いっそ食ってくれればいいのに
ただちろりと舐めるだけなんて

耐え切れず逃げ出して
容器は必要なくなったのだけど
なぜか
冷たいまま
ずっとまとわりついてくる

目の奥


2003年01月17日(金) Who are you?

誰にでもなれる


好きかどうかわからないヒトやモノを
とりあえず「スキ」と言っておく
促されたから、というずるい理由で

嫌いと答えるより簡単だし
わからないと肩をすくめるより無難だし

流されるという気楽さ
誰にも迷惑かけてないから、と
軽く笑うのは正しいようで間違い
必ずどこか少し傷つけている
今ではなくても、いつか
ふと小さな痛みを感じて自分の身体を調べると
自分だけが見える血の滲んだ傷があちこちに


誰にでもなれる


誰が僕なのか識別できないだなんて笑える
望まれているなら
僕は王子様になるし子供にもなるし
ペットにだってなれる

もはや感情をうまく認識できない
と泣き喚きたいのに
それはどうやら選択肢になかったらしい

だからその辺を漂う野良犬と話す
肝心な話題には触れない表面上の会話

散歩に連れ出して
僕の破片となった心を
気を抜くと消えてしまいそうなんだ
爪先から徐々に

空中遊泳できるワンちゃん
楽しいだけだよ
意味ないよ行き先がないなら
それに落ちるかもしれないなんてハイリスク

おいでおいで
僕を置き去りにしないで
足が土にまぎれて見えない
歩くという動作の方法が思い出せない

ねえ
本当は一緒に
ねえ
本当はもう飽きていて
ねえ
本当は僕だって飛べる


君は誰かになんてならないんだろうな


2003年01月02日(木) ラベル


ねこ という名の少女がいた
皆に名前を呼ばれるうちに
彼女は本当にねこになった
しっぽはさすがになくても
一目でねことわかるレベルだ

友だちは彼女を見て嘲笑したが
彼女はただ解放されたような笑みを
浮かべるのだった

何を訊ねられても にゃあ
何を感じても にゃあ

彼女は言葉をなくしていた
しかし不自由とは思い難かった
鳴けば餌は現れるし
答えたくない問いには
にゃあ でやり過ごせる利点がある

暖かい午後は陽の当たる階段でひるね
かすかに聞こえる学校のチャイムとも
今となっては無関係だ

彼女はヒトにのどをなでてもらうことに
全身全霊をかければよかった
それで幸せだった
いずれ幸せだということすら
忘れてしまうだろうけれど


ある日を境に彼女は タマ と呼ばれるようになった


2003年01月01日(水) あけました



ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよぴよ


聞こえる
どこから

ここから




頭をかち割ってみたら
ひよこが1羽飛び出してきました


「あけましておめでとうございます」


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