クリスマスローズと言う花を知ったのは、何年前だったでしょう。 クリスマスと言う華やかさを連想させる名前を持ちながら、意外にもひっそりと咲く。そう、なぜかうつむくように咲くんですね、この花。
その風情に憧れて、おそるおそる鉢植えを買ってみたのは一昨年。 まだほんの小さな、葉っぱもほとんど出ていないような苗でした。 説明を見ると、花が咲くまで2、3年はかかるとありました。 いったい、これではたしてうまく育って花が咲いてくるのだろうか、と半信半疑ながら、なんとか枯らさずに(でも、あまり育ったとも思えないのですが)、今年になりました。
いつものように水をやろうとして、ふと何かが気になって、葉の間をのぞきこんでみました。 えっ、まさか、これってつぼみ? そう、どう見てもつぼみに見えます(笑) あれ、もう3年たったのかしら(^^; 思いがけない展開に、ちょっと焦ってしまったのですが(おおげさ) まさしくつぼみだと確信してからは、ホントに咲くの?いえ、がんばって咲いて、と祈るような日々(またもや、おおげさ)
そして・・・ついにつぼみが開き始めました。 真っ白いクリスマスローズです。 咲いたのは一輪だけですが、よく見ると、その近くにもつぼみが・・・ なにやら嬉しい早春です。
パンジー、ビオラもそろそろ元気になってくる頃でしょうか。 下の写真は、ちょっと微妙な色合いのパンジー、お気に入りです。
2006年02月22日(水) |
いよいよ女子フィギュア |
トリノオリンピックも、そろそろ終盤に差し掛かってきたでしょうか。 そしていよいよ、楽しみにしていた女子フィギュアスケートも始まりました。
夜のテレビ番組で、ショートプログラムの様子をじっくり見ることができたのですが・・・すごかったですねえ。 イリーナ・スルツカヤ、サーシャ・コーエンに並んで、日本の荒川選手、村主選手もぴったりついています。 安藤選手は、ちょっとジャンプの失敗が残念でしたが。 荒川選手の凛としたスケーティングもすばらしいですし、村主選手の情感豊かで繊細なスケーティングも大好きです。
それにしても、上位にランクされた選手たちのスケーティングを見ていると、美しさや優雅さ、技の正確さはもちろん、みなさんなんとも言えない貫禄、力強さを感じます。 スケーティング全体に、ご本人の揺るぎない意志が通っているような・・・ それは、それぞれが積み重ねてきたことへの自信と誇りの表れなのかもしれません。
まだこれからフリーがあります。銀盤の女王の栄光が、誰の上に輝くのか目が離せませんが。 女王と言う呼び名は、強さに裏打ちされた美しさの象徴なのですね。 フリーがなんて楽しみなこと!
2006年02月21日(火) |
カーリングって・・・ |
カーリング・・・名前は聞いていましたし、競技の様子をちらっとくらいは見ていたものの、今までほとんど馴染みを感じられずにいたのです。 パッと見ただけでは、何やら「漬物石の前をデッキブラシでこすっている」としか思えず(申し訳ありませんm(__)m)、いったいこの競技って?と・・・(^^; 返す返すもお恥ずかしい限りです。
今回のオリンピックで、ようやくしっかりと見ました。 最初はルールも勝敗の要素もわからず、ただストーン(と呼ぶのですね)を投じる際の選手たちの真剣な表情と、そのあまりに静かな姿勢に、思わず注目したのでした。 何かのテレビ番組で、カーリングについて「わかりやすく言えば、氷上のおはじきみたいなもの」と言っていたのが頭にありまして(^^; しばらく見ているうちに、「なるほど、最終的にそれぞれのストーンがどう置かれているかで勝敗が決まるのか」と納得できてきました。
狙ったところに、いかに正確にストーンを投じるか・・・ 投じる人の技術や冷静さ、勝負強さはもちろん、リンクの状態やストーンの癖によっても、微妙に軌道がずれてくる。 相手を牽制したり、わざと障害になるような場所にストーンを置くこともあるのですね。 これは、なかなか奥深い!それに面白い! ファンになってしまいました(笑)
女子カーリング、日本は残念ながら準決勝に進めませんでしたが、夕べ見たイタリア戦は本当にいい試合でした。 10回まである攻防の8回目、日本は有利と言われる後攻。 この時点で試合はイタリアの点が上回っていたので、ここはいっきに逆転を狙いたいところ。日本はこの回、勝ったことは勝ったのですが、惜しいことに同点止まりでした。 次の9回は、今の回負けたイタリアが後攻になります。後攻は回の最後の一投が回ってくるので、絶対的に有利。 でも、もしこの回、イタリアの勝ち点を1点に抑えて日本が負ければ、最終10回は日本が後攻です。
なんとか1点で、と願っていたのですが、イタリアもさすが(^^; 試合状況があまりおもわしく進まなかったせいか、わざと(だと思うのだけど)、引き分けのまま終わらせ、自分たちが最終回の後攻を取ると言う作戦にきました。 うむむ、これって日本不利、大丈夫かなあ(^^; 一投一投、息を呑む展開でしたが、日本の最後の攻撃、小野寺選手の見事な一投がストーンを高得点の位置に進めました。 後はイタリアの最後のストーンが、日本よりいい位置にくれば負け、こなければ勝ち・・・ 結果、イタリアのストーンは日本に及ばず。 いやぁ、ホントにやきもきする、でもとてもいい試合でした。
今回は準決勝前で敗退してしまいましたが、世界の強豪相手に健闘した選手たち、今後期待持てますね。 トリノでの試合をテレビ等で見ていた人たちの中にも、カーリングファンになった人が増えたとか。納得です(笑)
2006年02月14日(火) |
「博士の愛した数式」 |
ここ数日、読み続けていたのがこの本。 ようやく読み終えました。 ちょうど映画もやっているのですよね。見たいなあと思ったのですが、なんといつも私が行っている映画館には、この映画が来ていない!(-"-;) たまたま立ち寄った本屋さんで、この文庫本をみかけて、すぐに手に取ってしまいました。
若い頃の交通事故のせいで、脳にダメージを受け、80分しか記憶がもたない数学の博士。 着たきりの背広に、忘れてはならない大切なことを、メモ書きにしてクリップでたくさん留めているのです。 すでに老齢に差し掛かり、義理のお姉さんが生活費の援助をしています。 そこに家政婦として雇われてきたのが、10歳の息子を持つシングルマザー。名前は・・・出てこないんですね、なぜか。
博士が初対面の彼女にした質問は、靴のサイズと電話番号・・・ 彼女の答えた数字を、純粋に数字としての魅力に置き換える博士。 たぶん、普通の人がするであろう質問、「お名前は?」「ご家族は?」「どこから来ているの?」等々の代わりが、博士にとっては数字に関することなのでしょう。 80分しかもたない記憶のために、毎朝博士の家に行くたびに彼女は自分の身分を説明しなくてはなりません。 それでも博士の背広に、自分の似顔絵らしきものを描いた「新しい家政婦さん」と言うメモをみつけます。 それは、彼女の存在を認識しようとする博士の、ささやかな努力。
数式以外のことに、ほとんど興味を示さない博士。 日常の中の様々な数字にも意味を与えてくれる博士の、数字に対する知識や情熱に、彼女は少しずつ惹かれるものを感じます。 それは、彼女自身も数式の魅力に気づき始めているから。 この辺りの彼女の感性の豊かさが、なんともステキだなと思いました。
本の中には、博士が説明するややこしい数式やら記号やらがたくさん登場します。が、数学にしっかり苦手意識を持っている私には、これはまさにちんぷんかんぷん。 小説の中の家政婦さんのように、博士の説明の通りに計算してみて、その発見に感動できたらなあ、と思うのに、どうも数字を見ただけで投げ出してしまいます(笑)
でも、そんな私が唯一感動したのは、0に関する説明。 「0なんて昔からあったのでしょう」と言う家政婦さんに、博士は0を発見した名もないインドの数学者の話をします。 何もないものなど、数える必要がないと考えられていた当時、無を数字で表現した数学者。 「非存在を存在させた。すばらしいじゃないか」と言う博士の言葉は、私の中にも、ひどく感動的に響きました。
なぜか、ふとイメージが重なったのが、金子みすゞさんの詩の中の大好きなフレーズでした。 「昼のお星はめにみえぬ 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ」 もちろん、意味するところはまったく違うのですけれど、あの詩を読んだ時と同じような、はっとするような新鮮な感動でした。 目に見えぬもの、存在しないものに対しても、そっと手を差し伸べるような・・・それは、隠されている真実を拾い上げることなのかも、なんて(^^;
さらに0の説明を続ける博士は、梢に止まる一羽の小鳥と、その小鳥が飛び去ってしまった後の梢を思い浮かべてごらんと言います。 「1−1=0 美しいと思わないかい?」 うむむ、もし心から数式を愛している博士のような人に、面と向かって言われたら、きっと感動して頷いてしまうだろうなあ(笑)
博士の提案で、家政婦さんの10歳の息子も博士の家に出入りするようになり、いろいろな出来事を通して、まるでつつましいひとつの家族が形づくられて行くよう。 息子は頭が平らなので、博士から「ルート」と呼ばれます。 タイガースの熱狂的ファンと言うのも嬉しいところ(*^^*) 実は、博士もタイガースファン・・・でも博士の好きなタイガースは、事故に遭う前の記憶の中のタイガースなのですが。
物語は、3人の日常をあっさりと、でも暖かく切り取って行きます。 しみじみと清らかに、切なく・・・ 恋愛小説、と言うのとは違うのでしょう。家政婦さんの博士に対する感情は、もっと静かで慈愛に満ちたもの。博士の人間性や、その知性から導き出された数字の世界のきらめきなどを、心から慕っている。 でも、もしかしたらそれは最高に純度が高くて、だからこそそう見えないような恋愛感情なのかも・・・と思えたりするのは、俗っぽいですかね(笑)
映画では、家政婦さんを深津絵里さんが演じているのですね。 これ、まさに適役だなあと思いました。 しっかり者でてきぱきと仕事をこなし、女手ひとつで息子を育てるたくましさを持ち、それでいて博士の人間性をとことん尊重するやさしさや、複雑な数式に隠された美しさに感動できる豊かな感受性を持つ女性。 博士役の寺尾聡さんも、さぞ深みのある、ステキに枯れた博士を演じているのでしょう。 DVDになったら見たいなあ(笑)
先週から風邪をひいています。 この冬は、けっこうひかずにがんばっていたつもりだったのですが、何の油断からか、気がついたらひいていたと言う・・・(^^; もっとも、毎年必ず風邪をひく人なので、不思議はないのですけど(笑)
たいした風邪ではなく、薬を飲んでおけばすぐに治るだろうと思っていたのに、あれと気がつくともう一週間になろうとしています。 もろに寝込むほどではないのですが、それでも身体はだるく、午後になると少し熱も上がってくるよう。 横になれる日は、できるだけそうしているのですが、それにしてもやけにしぶとい(-"-;)
ちょっと気分が落ちていることもあり、そのせいで風邪が長引くのか、はたまた風邪が長引いているせいで、なおさら気分が沈むのか・・・ 堂々巡りのようですが、実際あまりいい状態ではないらしい。 心と身体は、やはり繋がっているのですね。 病は気から、と言うのはかなり頷けます。
こんな時、一番気分転換になるのは、私の場合本を読むことだなとわかっています。 自分ではない、別の世界をのぞくことで、ひと時沈む気分も風邪の憂鬱さも忘れられる気がします。 しかも、今読んでいる本は、かなりいい! もう少しで読み終えるので、そうしたらここにも書こうと思っていますが。 目一杯沈み込んでいた気持ちが、本を読んでいる間、息をひそめてしまっていたようです。 もっとも本から離れるにつれて、また憂鬱に取り付かれそうになっていますけど(^^; しばらくは、この本を読むことが自分の救いになりそう。 本てありがたいです。
2006年02月08日(水) |
「神はサイコロを振らない」 |
なんとも印象的なタイトルにつられて、見始めました、このテレビドラマ。 10年前に突如行方を絶ち、墜落したと思われていた航空機が、乗客乗務員全員を乗せたまま、空港に戻ってきます。 量子力学の教授の説によれば、いわゆるタイムスリップなのだと・・・ まさかと疑う人々の目の前に、時空を超えた航空機は10年前のままの乗客たちを乗せて、姿を現します。
この設定、どこから考えてももろSF・・・なのに、妙にホームドラマっぽい雰囲気で話は進行します(^^; ヒロインは航空会社の地上勤務、10年前に消えたその航空機に、副操縦士の恋人とスチュワーデスの親友が乗っていた。 思いがけない再会、自分が過ごしてきたいささか不本意な10年間は、恋人と親友にとってはなかった日々。 しかも、教授によると、タイムスリップした機体と人々は、数日後またもとの時空に戻されるのだと・・・
タイムスリップものの一番気になるところは、やはり最後はどうなるのだろうと言うところかな(^^; 普通のSFものと、ちょっと違うだけに、なおさら結末が気になってしまった私・・・原作があると知って、買ってしまいました。 こういうお話に関しては、先に結末知りたいと言うのは邪道かもしれないけど(笑)
原作とドラマは、やはり違いますね、雰囲気が。 ドラマでは、10年前の事故対策係だった社員は女性で、その彼女の周囲にばかり焦点が当たっているけれど、原作では男性社員だし、もっと他の乗客とその家族などの事情が一人ひとり細かく描かれています。
結末は・・・ネタばれはまずいですので控えますが(^^; でも、このお話はタイムスリップの謎云々より、事故によって止まってしまった人々の時間が、思いがけぬ奇跡によってどう動いて行くのかを描いていて・・・その点では、むしろホームドラマっぽいと言えるのかな。 何かのきっかけで、無理だと思っていたことや、望まぬ方向に進んでしまったことを、あらためて再生させることもできるのかもしれない、と言う淡い希望を感じさせてくれたりもしました。 すべて納得の結末かと聞かれると、はて?と言うところもあるのですが(^^; でも、読後感は悪くはなく、爽やかな切なさが残りました。
さて、テレビではどんなエンディングを見せてくれるのでしょう。
現在、NHKでやっているドラマ「氷壁」。 昔原作を読んだと言うなつかしさから、続けて見ているのですが。 そこで知ったのが、この「彼方の光」と言う曲です。
エンディング・・・厳しくも美しい雪山の風景が様々な角度から映される、その背景に流れる、なんともおごそかで美しい歌声。 天上の音楽かと思われるようなこの曲が、リベラと言うユニットによる「彼方の光」と言う曲だと知り、さっそく検索してみました。
リベラは、イギリスの7歳から18歳までの少年によって構成される、ボーイ・ソプラノのユニットだそうです。 なるほど、あの透き通るような天使の歌声は、ボーイ・ソプラノだったのかと納得しました。 これは、絶対にしっかり聴きたいと思い、「彼方の光」が入っている、出たばかりのCDをGETしました(*^^*)
ほぉ〜〜(*^^*)、美しいです。まさに天から降ってくるような歌声・・・ ボーイ・ソプラノと言うのは不思議ですねえ。何年かすると変声期を迎え、この歌声も幻となるのかと思うと、なおさらです。
厳しい孤高の山に挑む登山家、その情熱と友情、葛藤、不幸な事故、許されぬ恋など、様々な人間模様を描いたドラマ「氷壁」。 実のところ、原作はもうちょっと骨っぽい作りだったような気がして・・・(^^; テレビでは、どうも複雑に絡む人間関係の感情の部分を、やけにみんな表に出してしまっているようで、少なからずベタつく感じがしなくもない。 原作では、もっと感情が深く秘められていて静謐だった、と言う印象が残っているせいか、いまいちピンとこないのかもしれません。
それでも、エンディングの雪山の荘厳さと透明な歌声のおかげで、ちょっとドロドロしそうな後味が、すっと消されて、清々しい気分になれるのです。 「彼方の光」、名曲だ〜!と思っています(笑)
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