春から夏へ、うちの鉢植えたちもだいぶ様変わりしてきました(笑) なんと言っても、園芸ビギナーの私(^^; 初めて買ってみたと言う鉢植えが多いです。 ペチュニア系はやたらと茎が伸びてしまい、なんだかジャングルみたいになっちゃって(笑) しかたないので、かなりバキバキと切ってしまいました(^^; そんな中で、ふと名前に惹かれて買ったのが「夏すみれ」 夏のすみれ、なんだか可憐そうな名前・・・ 別名トレニアと言うそうです。 ピンク系と紫系の2種類を、大きめの鉢に寄せ植えしてみました。 花は・・・さて、すみれに似ているでしょうか?(笑)
奥田英朗さんの「空中ブランコ」と言う本を読みました。 少し前に、テレビで2時間ドラマになったのを見たら面白かったので、原作を読んでみたくなったのです。 この本、なんと直木賞受賞作だったのですね。知りませんでしたm(__)m
主人公はちょっと、いえかなり変わった神経科の医師、伊良部。 どうやら病院長の息子らしいのですが、地下の薄暗いところに診察室を構え、なんともお気楽そうな様子。 ここへ診察にくる人たちは、様々な要因によって、精神的な変調をきたしてしまっているのですが。 不眠症の空中ブランコ乗りや、先端恐怖症のやくざ、人前で騒動を起こしたくなる精神科医などなど、これまたちょっと変わった患者ばかり(笑)
伊良部はそんな患者たちがくると、カウンセリングもそこそこに、まずは注射を打ちたがる。 ボディコンばりの白衣を着た、妙にセクシーだけど無愛想な看護婦マユミに注射を打たせ、自分は食い入るようにそれを見つめている。 う、アヤシイ、アブナイ! そう、伊良部は注射フェチなんですねえ(^^; 悩める患者たちの訴えをよそに、お気楽な好奇心ばかりを発揮させます。
患者が空中ブランコ乗り知ると、子供のように喜んで見に行くと言い出す。 本当に診療そっちのけでサーカスのテントに乗り込み、あげくの果ては自分にも空中ブランコをやらせろと言い出す始末。 無茶苦茶なのに、なぜかみんな言うことを聞いちゃう。開けっぴろげで憎めない、可笑しな言動で周りをなごませてしまう才能の持ち主らしい。 原作では色白で太っていると言う設定でしたが、テレビではまったく逆のタイプの阿部寛さんが演じていました。 でも、原作の伊良部の妙な雰囲気をとてもよく出していて笑えましたし、看護婦役の釈由美子さんがこれまた絶妙な味でした。
原作は、いくつかの短編として綴られているのですが、一番傑作だったのが先端恐怖症のやくざを描いた「ハリネズミ」 十分に凄みのあるやくざなのに、いつのまにか先の尖ったものに恐怖を覚えるようになってしまった猪野。 箸やペンはもちろん、注射など持ち出されたら顔面蒼白、さんまの尖った頭にさえも症状が出てしまう。 鋭い切っ先が、目に突き刺さるイメージが抜けないらしい(^^; 伊良部から「じゃ、サングラスでもかけたら」と言われ、少しでも恐怖を軽減させようとかけるのですが、ふと気がつくとサングラスのフレームの先まで怖くなってくる。で、ゴーグルにする(笑)
部屋のテーブルの角が目についてしまい、師弟たちの見ている前で、いきなりのこぎりを持ち出して、高いマホガニーのテーブルの端を切り落とす、などなどその行動はあやしいばかり。 そして、ついにはその筋のお偉方の目の前で血判状を押さなくてはならないと言う、最大のピンチが・・・さあ、猪野はどうするのか。 この先言うとネタばれ、ですね、はい(^^;
どんな症状も、その奥にあるものは、本人さえ気づいていなかったりするストレスや、心のどこかで納得していない自分の生き方など。 伊良部はそんな人たちに対し、一方的な診断を下すのではなく、無責任なほどお気楽に話しを聞いたり、時には一緒に行動したりします。 そうしているうちに、患者たちはいつのまにか自分自身を振り返ることができるようになる。原因に思い至るわけですね。 本人が気づいて納得しない限り、精神的な症状を改善に向かわせることはできない。 人は知らないうちに、様々なストレスや不安、不満をためこみ、自分の思惑とは違った生き方をしてしまったりもするのだと、あらためて思いました。
考えるとしみじみしちゃったりもしますが、とにかく笑えるシーンが多い、読みやすい小説です。 どちらかと言うと、映像むきのお話ではないかなあ。 テレビで実際に見たインパクトは、かなりのものでしたし。 再放送してくれないかなあと、ひそかに思っている私です。
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