sasakiの日記
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2002年07月30日(火) 長い文が書けない。そこで、箇条書き。へっ。

 去年もこの日記に書いた近所の馬鹿犬。暑くってたまらないのか一日中鳴いてるようだ。暑くるしくってたまらん。
 アオオオーーーーーーンンン!!!
 アンアンアンーーーーーーンンン!!!!ンンンッン?
 
 マンションのベランダで飼われていたもう一匹の犬は今年は姿が見えない。
 さては?

 スポ太郎の排泄姿をこの間シミジミ見ていたら、またフォームが変わっていた。
 前はトイレから外にのりだし、左足を入り口の柵にのせていたのがいつの間にか前足を両方とも外に出し用を足していた。太ると言うよりもどうやら長く伸びることを選択したみたいだ。
 
 昨日飲みに出かけてたのだが、帰りに金を払った記憶がない。
 電話したら払ったと言われた。そうか、払っていたか?残念だ。
 金を払うという行為はやっぱり習慣だったんだな、人間の。ツマラン。

 富山の敏ボンに電話架けたが繋がらない。事務所に電話番号を確認したらそこにはもう居ないようで、新しい番号に今度の件宜しくというメッセージを入れた。
 折り返し来た。
 血圧の話や目、更年期など、わりあい年相応の話で終始し身のある会話を持てたと思う。詳細はこっちからファックスで流す旨を伝えて電話を切った。
 我々の年頃は会話には不自由しない。何と言っても病気自慢という汲めども尽きない井戸みたいなテーマがあるんだから。

 先週、風呂場から雨が降った。どう考えても上の例の親子が関係していると思われ、怖いけど文句を言いに行かなければいけないハメになってしまった。しばらく止むかと思ってみていたのだけれど一向に収まる気配がない。もうドキドキモンだった。何か行き違いがあって刺されると言うことも懸案事項には入っていた。首を絞められ揺さぶられると言うこともその懸案事項には入っていた。
 はあ!気が重い。文句を言うというのは私の人生観には基本的にはないのよ。それぞれが穏やかに平和に暮らすというのを夢見てる男に「あのお?オタクの風呂場か洗濯機の側でみずがもれるか、何かの事故で水回りが相当なことになってると思うんですけど?よろしかったらちょっと確認して貰えると大変ありがたいんですけど?」といったことを階段一階分登る間に復唱した。
 そう、今日は長い文が書けないんだった。
 熱くって。犬は鳴くし、サッカーボンズは駐車場でわーわー言いながらボールを蹴るわで。もう怒鳴ろうかと思っている最中。それに腹も減ってきた。
 続きは次にする。
 今こうやってキーボードに向かって打っているので一応無事ではあった。
 コンコン。「上の階のものですけど、先程は。」といった続きがあった。

 この間スター演芸・せみ時雨の夜で稲村さんのギブソン、ダブを弾いて思ったこと。俺はギブソンだ。ギブソンが合う。
 よし!ギブソンを買う、と心に決めたああああーーーーー♪

 夏バテや  ギブソン弾いても  腕はつる  0,5点
 
 


2002年07月27日(土) 今日の1曲目はパトリシア・カース

 おはよう
 
 忘れ物はこれだったか?
 
 1時に玉川、2時に根室の島野。
 わたしゃ若者じゃないんだから、あまり深い時間に電話もらってもその時間は概ねよく寝てるのね。
 そういえば島野はカニの卸屋のオヤジがどうの、エビのマスターがどうとかいってたけど、思い出せない。同窓会に関係してたような気がするんだけど、良く覚えていない。何だろう?さっきも言ったけど、その時間はおおむね酔っぱらって寝てるのね。
 蟹やエビをどうするんだろう?単語としてはこの二つを良く覚えているだけで前後の関係がない。
 蟹くれるってか?んーーん。いらないな。面倒くさいもな。
 多分くれるって言う話じゃなかったとおもう。
 15年ぶりの電話で電話番号だって覚えていない。
 そういえば女が電話にかわって出た様な気がする。

 わたしはこれから歌のレッスンに行く。
 レッスンというと聞こえがイイし見栄えがするからそう書いているだけで、ただ声を出すだけだ。
 ついでにアメンボ赤いなアイウエエオアオもやってこよう。
 三角山は5時からです。
 明日はスター演芸の日。
 
 


2002年07月24日(水) お願いだからガッツを見せてくれ!クッソー!


 色んな負け試合見てきたけど、今日のは最低だ。
 ムシャクシャしたんで火をつけたんです、という火付け男のセリフがよくわかる。
 負け魂がついてるな?
 26,567人のサポーターに何と申し開きをするのだ、アン?
 もう優しいことは言わないぞ。
 テッテ的に野次り倒してやる。おぼえてろよ、小倉、古川、今野。
 いつもイッチャッテるあの男が今日はとっても共感できた。
 オレハクヤシイヨーと泣きながら帰っていたじゃないか。かわいそうに。
 札幌市民よ、負けた奴を讃えるのはもうやめろ。
 私は今日からとってもシビアな男に変身する。
 あんまり悔しかったからここを愚痴のはけ場所にしてしまった。


2002年07月23日(火) A面からB面にひっくり返し中

 
 ・・・・愛してる何度も書き続ける〜♪
 
 今回制作中のアルバムのコンセプトはソフトテクノ、もしくは不条理な孤独、更に51歳の不摂生、加えて言うならばパラレルワールドのひとつ。
 まだよく見えてこない。
 
 夜の夜中、大きな客船が海から街に航行してくる。
 波のしたで街が賑わっている。
 古い歌が空気にしみこんで風になる。
 それはアメリカがまだ元気だった頃の歌だ。
 ぼくは南に3東に5下ったところに大事な、だいじな宝物を隠してある。
 今ではもう新しいビルの下になってしまったけれど
 まだそこに眠ってる。
 でもぼくはいつだって
 君の側にいる
 本屋のかどで手を振っている人がいる。
 記憶の中の人だ。 
 ぼくはいつだって君の側にいる。
 宝物はは今でも宝物なんだろうか?
 埋めた場所は今でも覚えているけど
 今ぼくに必要なものなのだろうか?
 
 イメージが音になる。
 時々想像を超えたものになる瞬間がある。
 マジックだという。
 それはまったくそのとおり。

 白幡曰く、
 「5時30分開場、6時開演で、幸男さんリハは4時30分です。終演がおおよそ9時30分くらいを見込んでいます。そう、かなり長いイヴェントになるんじゃないかと思います。で、出番は大体8時30分頃だったと思うのですが。料金は前売りが2,500円、当日3、000です。ああ、それとイヴェントタイトルはスター演芸・せみしぐれの夜となっています。」
 なかなか渋いイヴェントに私は出ることになっている。
 アマチュアにもまれてこようと思っている。

 リッキー曰く、
 「幸男選手、8月3,4日何やっていますか?えっ?あいてる?まるまる?仮なんですけど押さえておいてもらえないですか?野外のイヴェント、急拠のつっこみなんですが大丈夫ですよね?また折り返し電話します。」
 リッキー曰く
 「スミマセンダメでした。あまりにも急すぎました。もう決まってしまっていました。どたばたしてスミマセンでした。また、埋めあわせはしますので、さよなら。」
 約10分間の間に起きた事件だった。何だったんだろう?
 リッキー、また病気の話でもしようや。

 スポタローは夕方の景色にすっかり黄昏モードに入っている。浪漫な奴だ。
 ヤバイ、缶詰が切れている。買いに行かねば。


2002年07月19日(金) はたして、弦カルは上手いのか?

 結局はお盆に開かれる東高の同窓会で歌うことになった。
 知らない人ばかりがどっと集まる会で、僕らはどうやら19期と呼ばれる一派らしい。ぼくよりも年取った人が沢山集まるらしい。その上かなりおっかない人たちだという風評まで飛んでいるのでかなり重たい。
 断りに行ったんだけど土俵際でうっちゃられ、「よし!わかった、やろう!」と請け合ってしまった。それもノリで。はああっ!
 やれやれ。
 
 私の前に弦楽4重奏素人集団というのが出るという。これはイヤミでも何でもなく彼らが自分で言ってたのだから間違いない。余程の素人らしい。もしかしたらとんでもない素人弦楽4重奏軍団かもしれない。どうしよう?
 
 思わず、そのとき、どうせなら同窓の誼、一緒にやってみようと口走ってしまった。昔、一度酷い目にあっているのを帰ってきてから気がついた。
 クラシックをやっている弦奏者は兎に角要注意。
 
 君は風をやる。
 イントロ、エンディングでおしまいだから何とかなるとは思うんだけど、リハーサルどうすんだろう?
 まあいい、思い切ってぶっつけ本番で望んでみることにしよう。

 日曜日、白幡のリハーサルで稲村さんにあった。9月の末頃どうだろうといってたからもう少し先に延びるかもしれないが、まだやる気マンマン。レコーディングの準備も少しずつ先に進んでいる。
 どうしてこんなに今年は忙しいんだろう?

 白幡君達とのリハーサルは楽しかった。
 工藤に言わせると、なんだか最近妙にみんな密に付き合いだしているらしいとのこと。改めてみんな友達がいないことに気がついたらしいということだが、馬鹿だねえ。もっと早く気づきなさい。
 それでオッサンバンドで旧交を温めることになったらしい。
 おいらはホーボーを歌うんだ。レコーディングにも参加してた山田君のスティールギターも入っている。
 気分は一気にカントリーおじさんバンド。イエーーィ!
 稲村さんはこりゃまた懐かしい真っ赤なロールスロイスを歌う。ワシャひたすらバッキングコーラス。喉が痛いほど高いところでハモルもんだから目マイする。3回歌ったら喉がかすれた。真っ赤なロールスロイス恐るべし。
 んが、楽しい。
 来週の28日、ベッシーホール。6時くらいから。

 長くなりそうだから、もうやめる。

 今日は花火大会。見には行かないけど音を聞く。

 君が好き  夜空に登る  赤い花   3点
 ちりぢりと  のたうちまわる  暴れ竜   2点

 テレビ消灯時間 ナンシー・関、親日派のための弁明 キム・ワンソプ、13日の金曜日3,8月の鯨、シックスセンス、漂流教室 梅図かずお。
 
 最近のものはどうも今ひとつ面白いと思われないのは自分が悪いのか?古い作品ばかり手に取ってしまう。でも13日の金曜日はやっぱりしょうがないけど。それにしても、どうしてあんなにあの頃ホラーにはまっていたんだろう?8月の鯨、どうして今まで見なかったんだろう?伯爵爺さんにシヴィァに通達するところたまんないね。
 それにしてもヴィデオ屋行かなくなった。
 


2002年07月16日(火) 心から


 
 心から  心から  愛してる言葉も  届かずぬ

 移りゆく  人生に  君の何度も 書き続ける

   過ぎた日々を想い  振り向けばいつも
 
   優しさの中で  暮らしてきた

 きらめきの時は  うつろいやすく

 行方を失い  幕が上がり  幕が下がる

 心から  心から  愛してる何度も  書き続ける


 ぼくが東京で彼女から教わったこと。

 クスクス、青山のベルコモンズ、BLT、ボブ=ジェームスのタッチダウン、ヨーガンレール、紀伊国屋、渋谷公園通り、ボールショップ、白山堂、自由が丘武蔵野映画館、向かいのイタリアレストラン、246,藤岡君の家、コムデギャルソンオムの白のブラウス、マイケル=ジャクソンのオフ=ザ=オール、マイケル=ジョンソン、東横線、尾山台書店、駒沢公園前のブイトーニ、大勝軒、31のチョコミント、環8のパンチョ、山松ゆうきち、ブール=ミッシュ、聘珍楼、ボード、デッキシューズ、レィンボーのサンダル、口を開ける方法、ケニー=ランキン、標準語、三和銀行、預金残高、弟と両親のこと、親友の絵里子ちゃんのこと、床屋に行かないこと、マウンテンパーカー、代官山,信号機の音、赤いシビック、1DKの部屋、浜田山の大捜索、サボテンの育て方、新宿の歯医者、羽田の迎え、留守番電話、不在証明、etc,etc.

 ぼくには東京を嫌いになる理由なんかひとつもなかった。もう一つ別に自分がいる場所があるというのはこの上ない快感だった。札幌にいても東京にいても、生活をしている実感がなかった。
 気づいてはいなかったが、一体ぼくはどこにいたんだろう? 

 


2002年07月14日(日) ギターを持って行くべきか?それとも手ぶらか?


 昨日は五十嵐君に楽しいひとときをおくらさせて貰った。
 ありがとうございました。
 アンタはエライ。
 食いついて欲しいところにきちんと食いついてくれ、キチンキチンと話を拾ってくれ、本当に浩晃だ。
 マイケル=フランクス、「アントニオの歌」次まで練習しておくよ。スマップの向こうを張ってスコップめざそう。
 なにはともあれ、無事終了。いいライブだったと思う。

 日曜日のこんな時間にキーボードの前に座るつもりはなかったんだけど、リハーサルに行くまで少し時間があるからと思い開いた。
 これからバンド練習なんだけど、果たしてギターを持っていくのがいいのか?それともスタジオにいて時間待ちしている他のヒトにちょこっと借りるのがいいのか?
 ギターって持って歩くとと本当に重いのよ 。
 昨日の今日だし、本当に辛いのよ。体にこたえるのよ、あのケース持って道を歩くのは。車に乗せるのも結構大変なのよ、ホント。
 白幡に電話してギターあるかどうか聞いてみよう。
 バンド練習は1曲だけだし、練習だし、許してくれないかなあ? 


2002年07月13日(土) 今日は五十嵐とハモリ会

 何か忘れたと思っていたら、昨日は日記の日だった。
 気ばかりが忙しくてやってしまった。
 五十嵐とのライブがクラップスである。
 思いの外美しいハモリで楽しい。 
 
 それにしても暑い。
 めまいがする。
 明日は白幡の27日ライブのリハーサル。
 毎日リハーサル。
 ああ、よいよい。
 
 えーい!くっそー、あーつーいー。



2002年07月09日(火) sorry,I am busy now

 稲村さんとも連絡ついた。
 哲治にも、徹にも、新村君にも、ジョニーにも。
 五十嵐はニセコに行っていたということで連絡が取れなかったけど、さっき開通。
 西岡君も元気そうだったし。
 新沼さん、折角電話貰ったのに出られなくってごめんなさい。
 8月はどうやら地獄になりそうだ。
 3パターンリハになるのではないか?つらい!
 んなわけで、ソーリー。
 
 日程が上がってきたみたいなので知らせます。
 9月6日、富山オルビス、ゲスト伊藤敏博。9月8日,南青山MANDARA,
 ゲスト三浦和人、9月9日、横浜CLUB24,ゲスト山木康世。9月14日、札幌クラップスホール。他、道内何カ所か。
 
 


2002年07月05日(金) 喫茶店はどこに行った

 ほんの少し前まで札幌には膨大な数の喫茶店があったはずなのに、近頃は適当な店を捜すのに本当に苦労する。
 本来は時間が止まっているように感じさせてくれるのが喫茶店のいいところなのに、どうも近頃の店はね、のんびりとおちつけない。
 この間、その喫茶店で暇にまかせて一日の大体の入店者数を適当な勘で計算したら、これがものの見事に儲からない。日に日に減るはずだ。
 
 どうも流行っている店があったり、人が入らない店を目の前にするとそこの台所事情を計算する癖がある。悪い趣味だと思うがどうにも止まらない。
 
 五十嵐から電話があり、どこかで打ち合わせしたいと言うことなのでパルコの裏にある「シャノアール」という喫茶店で待ち合わせることにした。相手が男だから待ち合わせても全然ドキドキしない。
 去年、おっかないということで評判のマリちゃんとCDを渡すため待ち合わせしたときには、真理ちゃん、人妻なのに僕はとってもドキドキした。
 その時堅く思ったことがあった。
 人はどんな形であれ、喫茶店で異性と待ち合わせをし話をした方がいい。
 気がついてみると、人と待ち合わせするときは大体飲み屋だ。
 生活改めよう。

 五十嵐の話に戻る。
 僕は大概、待ち合わせして人にはまず負けないんだけど、五十嵐は僕よりも早く来ていた。お互い年は取りたくないもんだ。
 13日の打ち合わせが一応の目安だった。
 お互いの今のところ持っている業界の情報を交換して1時間。ここでコーヒーのお代わり、続いてサッカーのテレビゲームの話で30分、麻雀の講釈で30分、ライブの打ち合わせ20分。
 まあ、こんなもんだろう。
 五十嵐は相変わらず一生懸命、人の目を見て話してくれる。
 とっても困る。
 世の中には激しく人の目を見て話す人たちが居る。そんなに一所懸命に見なくてもと言う人たちがいる。
 ふと思ったことは、僕はどのくらいの勢いで人を見ているんだろう。
 興味は尽きないもんだね。
  
 
 しばらく麻雀してないなあ。
 牌、つもりたいなあイーピンとか、チュンとかつもりたいなあ。
 リーチかけてつもるときの感触しばらくぶりに味わいたいなあ。
 一回くらいはチョンボもやってみたいなあ。悲しいだろうな、きっと。
 誰か電話かけてこないかなあ。
 もう一晩中は出来ないかもしれないけど。
 「ローーーン!オヤッパネ!」、いいなあ。 

 
 シャノアールは僕が高校生の頃からあった。
 マイナーもメジャーも何もチェンジ無し。
 
 もうダメだ。空腹の限界。
 わしゃ、飯を食う。
 今日はそこそこのメニュウ。
 最初から読み返してみると、モチベーションがズルズル落ちていくのがよくわかる。
 今日はもう帰ってこないよ。
 
 朝、母親から、夕方、父親から電話あり。取り立てて用があったわけでもないみたいだった。

 

 


2002年07月02日(火) セプテンバー・バレンタイン

 ひとり歩きに 何もいらない  
 夢だけたべても  生きてゆけると
 せいいっぱいの  強がり言って
 そんなに悲しいひとみを  誰に向けるつもり

 愛しているから  さよなら言うの
 見つめることだけが  愛じゃないわと
 笑っていないよ  君のひとみが
 そんなに悲しい言葉を どこにすてるつもり

 セプテンバー・バレンタイン
 きらいさ  こんなさよならは
 Unhappy バレンタイン
 もう うしろは ふり返らないよ

      (作詞 斉藤敦子 作曲 阿部恭弘)




 昭和53年7月25日、3rdシングル「セプテンバー・バレンタイン」発売。

 この曲は人が書いたと言うこともあるので番外扱いにさせて貰い、記憶だけを頼りに書いてゆくことにする。
 
 この前の年か、若しくは春のポプコンに出てきた曲だと思う。
 大体嬬恋にはデビューしてからはほとんど行かされていたので聞いているはずなのだが僕の記憶にはマッタク残っていなかった。
 ディレクターの細川さんが一本のカセットを僕に渡し、暇なときに聞いて、その感想を教えて欲しいと言うことだった。細川さんは気に入っていると言うことだった。でも、その時は僕はまだ彼の思惑はつかめていなかった。
 ホテルに戻り、聞いてみるとギターの伴奏に乗って(多分。)突然セリフが入る。
 「自分が本当に愛した人から、もうあなたにはついていけませんといわれたら、僕に出来ることは、ただ精一杯分かったふりをすることでしょう。」

 その時の正直な感想は、「いやー、困るな。こういうの、わやだな。」
 阿部君の歌が3分ちょっとヘッドホンの中で聞こえた。
 僕との共通点が全くない歌というのが正直な感想だった。
 人称代名詞こそ僕になっているが、中身は100パーセント女性の世界。
 別にマッチョじゃなかったけど男の部分で拒否していた。
 電話でその感想を細川さんに伝えた。
 前に書いたことと重複するけど、その段階ではもうオケの制作は済んでいた。まあ、言ってみれば事後承諾。後は唄わせるだけ。
 
 ゴダイゴの

 あっ、今電話があって急に出かけなければならなくなったので、続きは帰ってからにする。

 今戻った。

 デレクターは最初からこの唄を僕に歌わせることを決め込んでいたみたいで、是非もなかった。
 ゴダイゴでドラムを叩いていたトミー=シュナイダーがその唄入れの時、たまたまスタジオに用事があって来ていてヴァレンタインの発音を教えてくれた。LとR
の違いをトークバック越しに教授されたものだから、シングルを良く聞いてみるとものすごい巻き舌でヴァレンタインを唄っている。
 言い歌だ、言い歌だと盛んに感心して帰っていったのを覚えている。
 僕はそうかこの歌はそんなに言い歌なのかとまた戸惑っていた記憶がある。僕以外の人がみんないい歌だとシングルが出た後に言っていた。
 長いことピンとこなくって、詩の中身にずっと違和感を覚えていた。
 ただ、あのレコードの僕の歌は僕のベストテークだと今でも思っている。
 あっけなく歌入れが終わった。
 あれ?今のでよかったの?
 何にも考えていなかったよ、力も出し切っていないのに、テイクワンOK?
 歌というのは不思議なものだ。
 考えてどうなるものではなく、思いの丈を入れてもそれがそのまま伝わるものでもなし、音程があっていればそれで済むというものでもない。
 24年も前の唄を今も歌っている。
 今もその頃のモロモロのことを考えながら唄っている。
 斉藤さんてどんな人なんだろう?阿部君とは一度札幌の市民会館で彼のステージに参加したことがある。阿部君のこの歌も聴いてみたい。

 ロンドンで録った〈Jealousy〉に入っている「September Valentine」はこのシングルと違い、とてもゴージャスに仕上がっていてカバー感があっていい。
 是非聞いて欲しい。
 


sasaki