つらつらきまま


2006年11月29日(水)
米朝監修芝居


当日再配達をお願いしたのに一向に来ないので、不在通知に書いてあったドライバーの携帯に電話したら、何と「あー、今日は無理です。他に行くところあるんで」とのたまわれる。
 その“他に行くところ”がうちから信号渡ってすぐの場所だったので、なら私がその場所に今から行って荷物を受け取る、それなら問題無いやろがこのボケーッ!ということをオブラートに包んで申し出た結果、再配達はしてくれたが、結局最後まで謝罪は無し。
 飛脚ちゃうんかーっ!

米朝師匠の「たちぎれ線香」を見る。
 鶴瓶さんや吉朝さんがやった小糸とはまた違う小糸を見れた。
 鶴瓶さんや吉朝さんの小糸は、“純真で可憐。どこか儚げ”という感じだったが、米朝師匠の小糸は17歳ゆえの天真爛漫さも感じとられ、どこかおきゃんな小糸だった。
 それゆえ、若旦那への恋心を周囲に隠すことが無い無邪気な小糸が、芝居見物をすっぽかされたと当初は怒ってふてくされていたのに、徐々に若旦那の心変わりを疑い始め、心身とも弱っていくのは余計に悲しかった。

それにしても、同じ話なのに、噺家によって受け取る印象がこうも違ってくるのは何故だろう。
 簡単にいえば、それが“話芸”なんだろうけども。
 あまりに奥深すぎて、当初は“目先を変えて、昔からあるこのおもちゃで遊んでみるか”程度の気持ちだった「落語」に今はどんどんのめり込んでいる。

 その影響で、2月はG2プロデュースの「地獄八景・・浮世百景」というお芝居を見に行くことに。
 米朝師匠が監修することに引かれたことと、「たちぎれ線香」を取り入れたお芝居でもあるため。
 吉朝一門のお2人が出る日が取れたので嬉しい。



2006年11月26日(日)
一期一会でも…


土、日と大阪に行って来た。
 帰りの新幹線は3人掛けで、老夫婦(2人とも80歳代。関西出身で現在は関東在住とのことだった)と隣同士に。
 ご主人の方が話好きで色々と私に話し掛けて来られ、私も愛想良く返事。
 私の今回の旅の目的を知ったご主人が、
 「はぁ〜、あなた、お笑いで誰が好きなんですか」
 と尋ねてきたので相手の年齢も考慮し、
 「そうですね、今は笑福亭鶴瓶さんが…」と返事するやいなや、
 「え〜っ、アンタあんな落語もようせん落語家好きなんか?アカンわ、あんな、しょーもない頭とメガネは」
 と、真正面から全否定。

 別にメガネはいいやん、そして今は言うほど頭の毛は無いよ〜と心の中でぽりぽり頭をかきながら、
 「いや〜、3、4年前から古典落語やってるんですよ。子は鎹とからくだとか…」
 とやんわりにっこり反論すると
 「らくだなんて誰でも出来ますやん、あんなん」
 とこれまた全否定。

 (出来るかっ!噺を覚えられても人の心に響くらくだは誰も彼も出来んわーっ!)
 と思いつつも、
 「いや〜、結構良いみたいですよ」
 とやんわりにっこり抵抗。
 私自身、鶴瓶さんの「らくだ」や「子は鎹」はやってることは知ってても自分の目で見てはいないので何ともいいようが無い。

 でも
 「鶴瓶がやってもおもんないと思いますよ。まあ、私は鶴瓶の落語は見たことないけどね」

 とのことだったので、
 (あぁ、見てないんならしょうがないか)
 と納得。
 見た上での意見なら、悔しい〜っ!と思うと同時に若干へこむが、見てない=鶴瓶さんの落語を知らない、ならやりようがない。

 その後、ワッハ上方で買ってきた上方落語協会誌「んなあほな」をバッグから取り出して読んでいたら、自分も読みたいとご主人が言って来たので快く貸し出す。
 それを見ながら、仁鶴さんは鶴瓶さんの師匠ではなく六代目笑福亭松鶴の一番弟子だとか、ざこばさんも米朝一門だとか、米朝さんも高座復帰をしてめでたい、なんていう話をちょいちょい私が言ったら、ご主人はまじまじと私を見て

 「あなた、ほんまに上方落語が好きなんやなぁ。なのになんで鶴瓶なん?」
 と、また話を振り出しに戻してしまったので
 「私も落語を見るようになったのはつい最近なので、鶴瓶さんが上手いとか下手とかいうのは分からないです。でも、私は鶴瓶さんの落語を見て、あぁ落語って面白いなぁって思ったし、何より鶴瓶さんの落語は私には合うんです」
 と、にっこりやんわりところどころ本気(と書いてマジ)の口調でついお返事。
 私の返事を聞いたご主人は、
 「はぁ〜。アナタ周りから変わってるってよう言われますやろ。変わってますわ。はぁ〜、まぁ、合ういうんやったら、それはほんまに好きなんやねぇ、鶴瓶の落語が」
 と、若干ながらもやっと認めてくれ、自分は露の五郎兵衛の落語が面白いと思うので、聞く機会があったらいっぺん訊いてみてくれとご推薦。
 是非とも、と即答。
 
 帰りは
 「これから頑張ってくださいねぇ。…まぁ、何を頑張れば良いのかといわれたら私もよう分からんけど。未来の可能性に色々賭けてください」
 と素敵な言葉を掛けてもらい、ありがたく頂く。
 願わくば、この方に鶴瓶さんの落語を聞く機会が訪れますように。 
 今のところ会場に直接足を運ぶしか聞く機会は無いけれど。

ちなみに今回の大阪旅行は土曜日が明石家さんまプロデュースPart13公演の鑑賞。
 日曜日が<上方落語資料散策>と自分で銘打ち、そんなに興味が無い同行者の父をワッハ上方やら天神天満繁盛亭やら阪急梅田の古書店街やらを連れ回してしまった。

 土曜日は相変わらずの長丁場公演で、オープニングに入る前の慣らしトークで1時間15分を使い、トータルで3時間半。
 入ったときは明るかった空が、出て来る頃にはすっかり夜。 
 そして私は原因不明の体調不良に悩まされ、シクシク来る胃痛とズキズキガンガンする頭痛の中、ぼーっとした頭でプロデュース公演を見る、という非常に残念な事態に。
 終わった後ホテルに戻ったら関節がだるく痛み出したので、風邪っぽいなと早めに就寝。
 翌朝はすっかり回復していたので良かった。

 繁盛亭は物販ブースにはチケットが無くても入れると思っていたが、どうもそういう感じではなさそうだったので、外側だけ鑑賞。
 あんな小さな小屋に3万人も訪れたかぁ…と感慨。
 ワッハ〜では桂吉朝展を鑑賞し、上方落語協会誌のバックナンバー4冊を購入。
 梅田の古書店街では、悩んだ挙句「哀しき紙芝居」を買う。
 新幹線の中では隣のご主人にアフロ頭が見えないよう気を遣った。

帰宅後、いい年して父におねだりをしていた桂米朝師匠のDVD「三枚起請/持参金」、「不動坊/たちぎれ線香」のうち、「三枚起請」を見る。
 ちくま文庫から出ている「桂米朝コレクション」を読んでみて好きな筋の話だったので、実際にやっているところをDVDとはいえ見てみたかったのだ。
 これが面白かった。
 結婚の約束を誓う文書を同時に3人の男に書いていることがばれた時の女郎・小輝の開き直りっぷりが実にしたたかだったし、小輝を取り囲む男3人は実際にはいないのに、米朝師匠が小輝を演じている時はその周りに3人の男が立っているように見えたし、3人の男のうちの一人を演じだしたら、残り2人の男と正座している小輝が見え、(うわ〜…)と唸った。
 あぁ、米朝師匠の高座も一度拝見したい。
 ワッハでもらった関西の落語会情報チラシを見たら、鶴瓶さんが西宮で「たちぎれ線香」をやるというものを見つけ、一瞬テンションが上がったが、12月28日と御用納め当日でしかも14時開演、なんていう無常さに泣く。



2006年11月22日(水)
末廣亭まで残り9ポイント


珍しく仕事終わりに新宿まで出ようという気になり、ふらっと新宿へ。
 2丁拳銃が出番ならルミネに行こうかと思い、ケータイで空席チェックをしたら生憎と出番日ではなかった。
 どうしたもんかなぁと思っていたが、紀伊國屋書店の2階は割と落語のCD・DVDが充実していたような覚えがあったので、試しに覗きに行くことに。

 行ってみたら、まぁ。
 そない、とどころか落語に全く興味が無かった頃ですら、“充実している”ように見えたのだから、にわかとはいえかなり興味がある今となっては、その一角はまるでディズニーランドであるかのように、ワクワクする場所だった。
 関西に行くか取り寄せるしか無いだろうなぁと思っていたある上方落語家さんのCDやDVDも現品限りとはいえ置いてあり、灯台下暗しとはこのことだ、と痛感。
 紀伊國屋書店を甘く見てはいけなかった。

 丁度お金を卸していたこともあったので、桂吉朝師の「おとしばなし 『吉朝庵』その2 たちきり/つる」のCDを購入。
 上方芸能に造詣が深いブログを書いてらっしゃる方が吉朝師の落語を好きだとよく書いてらっしゃるので興味を持っていたことと、吉朝師が「『たちぎれ線香』といえば米朝か文枝」といわれる桂米朝一門であるため、吉朝師がやる「たちきり」を聞いてみたかったため。
 ちなみに「たちぎれ線香」は「たちぎり」または「たちきり」とも呼ばれる。

吉朝師の「たちきり」を聞いて思ったことは、女性の艶を嫌らしくなく演じる噺家さんだったんだなぁということだった。
 女将も若旦那も小糸も番頭も当たり前ながらお一人で演じられている訳だが、凛とした女将や初々しい小糸の姿が声を聞いているだけでも浮かんでくる。
 自分のせいで大事な小糸が死んだと号泣しながら謝る若旦那と、姿なき愛娘が想いを込めてかき鳴らす三味線を見ながら、「小糸ちゃん…」と呼び掛ける女将の画を想像するだけで涙がほろほろと流れる。

 米朝師匠との2人会を2005年10月27日に務め上げた12日後の2005年11月8日、胃がんのため50歳という若さで吉朝師は死去されたため、高座を生で見ることはどうあがいても出来ないことが非常に残念。

小朝さんの本を立ち読みしていたら、11月によみうりホールで行われる東西落語研鑽会に向けて鶴瓶さんは春から「たちぎれ線香」を稽古していたと書いてあり、青山円形劇場で見たあの気迫がこもった落語の理由を知る。
 円形劇場に行く前にこの本を見なくて良かった、とも思った。
 このエピソードを事前に知っていたら、私は“春からこの噺を稽古していた鶴瓶さん”という思い入れを持ちながら見ていただろうから。
 ドラマは後から知る方が余計にぐっと来る。

 「鶴瓶ねぇ…」とか「分から〜ん、あの人の何がそんなに良いと?」と冗談交じりとはいえ訊かれることが多く、こちらもへらへらしながら「え〜、私のセンスはそんなにダメなんかね?」なんて答えているが、(あの落語を見たら分かるって!)と声を大にして主張したい。
 とはいっても、鶴瓶さんは自分の落語をソフト化して残すことにまったく執着が無く、出すことがあってもそれは死んでからにしてくれと言っているらしいので、私の今のハマりようを分かってもらうには非常に困難な状況。
 どんなに自分が聞いた落語が素晴らしかったかを力を込めて説明しても、やっぱり百聞は一見に如かずだ。
 あぁ、歯がゆい。
 落語を見に行くようになって、自分のプレゼン能力の低さに地団太を踏むことが多い。
 ちなみに「鶴瓶って、落語を途中で忘れたり間違ったりしたらすぐ裸になりそうじゃない(笑)?」とか言われたが、そんな本業に愛情が無い行為をする訳が無かろう。
 真顔で「いえ、全然思いません」とお返事。
 大人気なかった。

題名の「残り9ポイント」というのは、紀伊國屋書店で落語関連商品を買うと1回ごとにスタンプを押してくれ、半年以内に10個たまると末廣亭寄席か紀伊國屋寄席のどちらかに招待してもらえる仕組みになっており、今日早速1個押してもらった。
 さて、来年の5月までに私が末廣亭デビューを果たしているかどうか。
 それは神のみぞ知る。



2006年11月21日(火)
京都の種馬


というヒントで(多分サバンナだろうなぁ)と思ったらビンゴ。
 昨日のオリラジRのラ・テ欄に「ケンコバ」とあったので、恐らく面白いことが起こるに違いないと思いつつ録画したら、ケンコバ一押し芸人企画で、サバンナ、ジャルジャル、天津が登場。
 サバンナのネタで「ボンジョビ」というフレーズが出てきて、ルミネの「おでかけWa Cha Cha」でやった時はウケていたのにオビラジRではあっさりと交わされてしまい、客層の違いをしみじみと感じる。
 そういえば、9月、10月、11月、ととんでもない勢いでチケットがハケたので万全を期して12月分チハラトークチケットを発売日の10時に予約したのに、一向に完売する気配が無いなぁと首を傾げていたら、その日はクリスマスだからでは?と指摘を受け、納得。
 同時にかすかな敗北感。
 私にとって12月25日はチハラトークと給料日でしか無いさ…。

2月11日の「曲者」はどうにか頑張ったらチケット取れるんじゃなかろうか、と、何の根拠も無く楽観視している。
 SBPFについては嫌いではないけれども熱心なファンという訳でも無いため、宗田さんの脱退はぼんやりとした感想しか抱けない。
 ぼんやりながらも、樅野さんやトータルがSBPFというバンドに入ってるらしいということを知った頃と今とでは何かが変わったことは感じる。
 それが何かは分からないけれど、脱退という結果になったことは驚きではあるが意外では無かった。

 チケットが取れるかどうかは分からないけれど、取れたところで何やら気まぐれを起こすかもしれないけれど、SHIBUYA-AXの中に入れた時は、お別れをする人達の邪魔にならないようにしたい。

禿禿祭(はげちびさい)の2次プレリザーブ受付開始。
 今回こそ何度も開演時間を確認。
 ケラリーノばかり2枚あっても困る。

 でも、一番見たかった“落語家・笑福亭鶴瓶”の姿を11、12、20日、と立て続けに3回も生で見れる機会に恵まれたので、禿禿祭のチケットが取れなくてもそれは運命だ、仕方が無いと思うようにもなって来た。
 これ以上望むとバチが当たる、というか。
 良いことが続くと、反動で悪いことが連続で起きないかと気になる。
 かなりのヘタレだ。

NHKの仕事は「笑いがいちばん」とは別口なのか、全国放送なのか。
 「つんく♂タウンTHEATER」は@ぴあを見ると土日以外は今のところチケット発売中。



2006年11月20日(月)
うっとりほっこり

定時になったら速攻“閉店ガラガラ”を決め込み、第6回銀座らくごアーベントを未に銀座みゆき館劇場へ。
 この劇場は初めて行ったが、博多駅バスセンターにあった「吉本ゴールデン劇場」や旧シアターDを思わせる、キャパは100席あるか無いかの非常にこじんまりとした劇場だった。
 先週「笑福亭鶴瓶落語会」をやった青山円形劇場のキャパが最大376ということなので、約4分の1。
 前から5列目以内でほぼ真ん中、という好位置で見ることが出来た。

今日の出演者は

 1.ドラキクオ伯爵(=林家きくおさん。元は小朝さんプロデュースのひとりコントのキャラらしい。内容は、というとどんなもんかなぁ…)

 2.笑福亭瓶太 「上燗屋(じょうかんや)」(酔っ払いに居座られた屋台の店主の困惑ぶりと酔っ払いのクダを巻く様子が何ともいえず可笑しかった)

 3.林家いっ平 「浜野矩随(のりゆき)」(偉大な名工だった亡き父に引き換え、息子の作品は駄作ばかり。自信を失い自殺を考えるまでに追い詰められた息子に母はある課題を与え…、という噺。落語界のサラブレッドに生まれたいっ平さんがやるからにじみ出る悲哀もあるなぁと思った)

<仲入り>

 4.笑福亭鶴瓶 「Always〜お母ちゃんの笑顔(私落語)」(幼少期の鶴瓶さん=まなぶ少年とおかあちゃんのエピソード。出番表を見た時、トリでは無かったので古典落語ではなく私落語かなぁ、という予感はあった。だが、「青春グラフティ松岡」をやるのかなぁと思っていたから、違う噺を聞けてよかった。阪大の合格発表や万馬券の話は聞いたことがあったが、それが落語になるとまた違う面白さがあった。それにしてもテレビで見るより高座の鶴瓶さんは随分と痩せて見えた。そして小顔)

 5.桂宗助 「くっしゃみ講釈」(桂米朝師匠のお弟子さんで、“米朝最強の遺伝子”とも呼ばれる宗助さん。迫力ある講釈を披露していた講釈師が一転してくしゃみが止まらず往生する描写や、講釈師にくしゃみをさせようと必死に客席で用意をしている間抜けな男など、色々な顔を演じ分けていた)


鶴瓶さんは今年落語を100席やったそうで、単純に考えると3日に1回は落語をやっていることになる。
 ちょっとした若手芸人並みの舞台数。
 何というハングリーさだ、とまたたまらなくなるのだが、今回のマイブームほど周りから受け入れられないものは無く、何とも寂しい限り。
 裸になったことなど教えて貰わなくても知っとる、ちゅーねん。
 オンタイムで見ましたわ。

なかなか繋がらない先行に挑戦するのもめんどいので、もう一般狙いで行くが、1月の「拳(GU)」のメンバーが妙に若返っているような。
 そんなメンバーに組み入れられたブラマヨが嬉しい。
 次回こそ、終演後よっさんなみにぶつぶつぼやきながら帰るような構成になりませんように。



2006年11月16日(木)
この先の楽しみ


落語をちゃんと見終えたことが無かった頃でも唯一、(この人の噺面白いなぁ)と思った落語家さんがいた。
 鶴瓶落語会に行く前、落語会に慣れることも兼ねてこの人が出る高座を見たいと思いネットで検索したら、復帰は未定の休業中ということでがっかりしていたのだが、無事再出発が決まり、春風亭昇太さんの落語会のゲストに出たら非常に歓迎されたらしいので、ホッとした。
 恐らく関東の落語会ではこの人が出る寄席を中心に出かけると思う。
 その名は「三遊亭遊雀」さん。
 3年前、ハリガネ目当てで見に行ったので他の出演者のことなんか何も知らない状態だった「花形演芸会」に出てらっしゃったのだが、この人の落語はすんなりと耳に入り、とても心地良かった。

明日は午後休みを取り、実家に帰るので楽しみだけど、月曜日に溜まりにたまった仕事が待っている状態を想像したら、チト萎える。
 月曜は何が何でも18時半までに銀座にいないと困るのだ。
 間に合わなかったら泣く。

17日に奥田英朗の「真夜中のマーチ」、28日に荻原浩の「メリーゴーランド」、来月は三崎亜紀の「となり町戦争」が文庫化されるので嬉しい。
 特に楽しみなのが「メリーゴーランド」。
 既にハードカバーを買って読んでいるけれど、荻原作品の中では「神様からひと言」と同じぐらい好き。
 そういえばWOWOWでやる「」の篠崎役は陣内孝則さんがやるみたいで、言われてみればイメージ合う。



2006年11月14日(火)
華麗なる一族


TBSの冬の新ドラマ「華麗なる一族」に鶴瓶さんが出ると知り、即座に見ることを決める。
 公式HPを見たら主役は木村拓哉だった。
 木村拓哉といえば10年ぶりに写真集が発売されたが、10年前に出た写真集は予約してまで買ったなぁ。
 その10年後は“鶴瓶さんが載ってるから”ということで「婦人公論」やら「上方落語家名鑑」やら「六顔萬笑」やら「助六」やらを買い漁るから、人生は先が読めなくて面白い。
 木村拓哉から笑福亭鶴瓶に至るまで、何があったんだ、我ながら。

落語好きの友達から米朝師匠の「たちぎれ線香」も絶品だと教えてもらったので、会社の帰りにレンタルDVDショップに寄ったら、米朝師匠だけ見事に貸し出し中だった。
 今まで全く眼中に入ってなかったので気づかなかったが、注意してみると落語のCDやDVDは意外と多い。
 ついつい上方落語家の古典落語が入っているCD・DVDを熱心に物色。
 一旦ハマるとコンプリートしないと気が済まないA型気質が騒ぐ。
 
 現代の設定のものは漫才でもあるので、漫才では中々見れない設定となると古典落語となり、江戸落語より上方落語の方がやや馴染みやすい。
 今週末実家に帰るが、飛行機の中ではちくま文庫の「上方落語 桂米朝コレクション〈3〉愛憎模様」を読む予定。
 「たちぎれ線香」も入っている。
 鶴瓶さんはサゲで「小糸はひかしまへん」と言っていたが、米朝師匠は「小糸はひけしまへん」と言っており、後者の方が私は好き。



2006年11月13日(月)
夜の渋谷で思ったこと

清水兄急逝の衝撃も覚めない中、今度は村田渚さんの訃報に接するとは。
 私はボキャ天を見ていないボキャ天世代だが、「フォークダンスDE成子坂」の名前はもちろん知っているし、鼻エンジンも知っている。
 シェイクダウン解散後ピンとなった後藤さんの初ライブのゲストが渚さんだったことも覚えている。
 清水さんにしろ渚さんにしろ、世間一般ではまだまだ働き盛りといわれる年齢の方がお亡くなりになると、衝撃も悲しみも一段と大きい。
 ご冥福をお祈りいたします。

連日、いじめによる自殺が後を絶たない。
 自殺者を出した学校の責任者も自殺、といういたましい連鎖も起きている。

 2年前の春、私は会社の人間関係が原因で非常に追い詰められていた。
 きっかけが何だったのかも思い当たらないまま事態は急速に悪化し、私はあっという間に孤立した。
 何かをしてもしなくても詰られ、罵られる日々が続き、夜、家で一人会社のことを考えるとそれだけで胃が痛くなり胸が詰まり、涙が止まらなかった。
 “自殺”は考えなかったが、(もし何らかの事件や事故に巻き込まれて命を落とすことになっても、それはそれでもう構わないや…)と思うところまで来ていた。
 どん底の時はルミネでネタを見ながらも会社のことがいつも頭から離れないので、面白いと思う余裕がなく、笑うことも出来なかった。

 しかし、つまづくきっかけが“人間”だったら、そこから抜け出せる救いの手を差し伸べてくれたのもまた“人間”で、上役の配慮や先輩のフォロー等のお蔭で私は今もこうして生きている。
 面白いから笑う、という当たり前のことが出来ることに安心する。

土曜日、私は念願の「鶴瓶落語会」に行って来た。
 聞いてみたかった「たちぎれ線香」を初めて行った落語会で、それも鶴瓶さんがやる「たちぎれ線香」を聞くことが出来た。
 「たちぎれ線香」は私が想像していた倍、数倍、数十倍も素敵で切ない噺で、すっかり噺に引き込まれた私は、気づけばぽろぽろっと涙を零していた。
 2丁拳銃のコントライブで何回か泣いたことはあるが、落語でもそういう経験をするとは思わなかった。

 余韻に浸りながら劇場を出て最寄り駅の渋谷駅に向かう途中

 (…あぁ、生きていて良かった。生きていて本当に良かった)
 という思いが身体の中から猛烈に湧き起こった。

 大げさだと自分でも思うが、本当に心の底からそう思った。
 あの時、命を落とすことが無くて良かった、命を失うようなことに巻き込まれなくて本当に良かった、こんなに衝撃を受けることがあるのを知らないまま死なないで本当に良かった、と。
 2年前の春以降、これ程までにこころを揺さぶられたのは初めてだった。
  
 同時に
 (まだまだ知らないことが沢山ある。見たことが無いものが沢山ある。だから、もっともっと生きていたい。出来るだけ長く生きてやる)
 とも思った。
 
死んでしまいたいほど辛いことというのは確かにある。
 だけど、生きていれば、“生きていて良かった”と痛烈に思う何かを知ることが出来る。
 せめて、それを体験するまでは生きていて欲しい。

++++
12月の「花形演芸会」に東京ダイナマイトが出るのでチケットを取ったが、昼にはもう完売。
 3年前にハリガネを見に行った時は結構ぎりぎりまで残ってた覚えがあるんだけどなぁ。
 ちなみに今回のプラン本公演はスルー。
 変更前の本公演名がどうも引っ掛かるものであったことと、ここ最近、あまり本公演にハマらないため。

 「曲者」のゲスト第一弾発表。
 物凄い小出し小出し。



2006年11月11日(土)
第二の衝撃


昨日までの秋晴れが嘘のように消え去り、時には雷まで轟く中青山円形劇場へ。
 今月に入ってからは今日、明日のためにひたすら頑張っていたようなもので、昨日はちょっと気を緩めたらすぐ口元がにやけてほころんでしまい、後輩から「僕、鶴瓶をこんなに楽しみにしている人を見るのは初めてです」と呆れ気味に言われる始末だった。

「第五回青山寄席 笑福亭鶴瓶落語会」1日目。
 明日もあるので詳しいことは明日以降日記なり感想レポートなりに書こうと思うが、本当に行って良かったと思った。

 私は落語に慣れていないこともあり、落語を聞きながら他のことをつい考えたらあっという間に取り残されてしまうので、他のことは一切頭に入れない、考え出さない、思い出さない、という心構えで落語会に臨んだ。
 そうしたら、中入り後に行われた鶴瓶さんの古典落語が終盤に近づくにつれ、目が潤み出した。
 (えっ!?)と思い、堪えようとしたが間に合わず、ぽろぽろっと涙が零れてしまった。
 (ま、マズイ!お笑いに来て泣くなんてイタさの極みやん!)と慌ててハンドタオルを取り出してそっと拭ったが、周りを見ると私以外にも泣いてる客がぼろぼろいたので驚いた。
 それも男女関係なく、だ。
 私の右斜め前に座っていた男性は、メガネを掛けていたので涙がこみ上げるたびにメガネをひょいと除けながら涙を拭っていたが、涙が止まらなくなったらしく、かなりの頻度でメガネをパカパカと着脱していた。
 そうなると、ちょっとくすぐりを入れるのが鶴瓶さんらしく、泣きながら笑うという妙な事態に陥った。

 サゲを言って鶴瓶さんがハケた時は「オォ〜!」のうなり声と共に拍手が鳴り止まなかった。
 もちろん私も。
 この感動を表現するにはこれしか無いので、身を乗り出して拍手をした。
 会場を出た後、ほうぼうにメールを送りまくった。
 「凄いものを見ました。今日この場所でこの演目を見たことを私は一生忘れないと思います」と。
 生きてて良かった、生まれてよかった、とさえ思った。
 この気持ちを表すにはぴったりであるフラカンの「深夜高速」をずっとリピートで聞きまくりながら家路に着いた。

こんなにも衝撃を受けたライブは今回が2度目。
 1度目は「ピストルモンキーフィーバーマン」。
 受けた衝撃をどうにか言葉にしたいのにそれを言い表せる言葉が見つからず、帰って来ても(あぁ〜、何なん、この衝撃!)と一晩中悶々として殆ど寝付けなかった。
 (凄い、凄い。この凄さ、他の人にも知ってもらいたい。あぁ〜でもどうやったら分かって貰えるんだろう)
 と、まとまらない頭でごちゃごちゃと考えた。
 それと今回は同じ。

 落語を生で本格的に見たのは今回が初めてだし、その演目も他の人がやっていたのはどういうものなのかは知らない。
 だから、落語をよく見ている人からしたら今日の内容は私と違う感想かもしれない。
 だけど、10代になったり中年になったり女になったり男になったり、笑顔になったり、凄みを利かせたり、かなわぬ恋に泣いたり、と一人で何人もの人間になる鶴瓶さんに私はすっかり引き込まれた。
 鶴瓶さんを通して見える落語の世界に泣いた。
 
落語会に行くまで、私は落語を面白いと思えるのか非常に不安だった。
 落語会に行くまでの間、なるべくテレビやラジオで落語番組をチェックして聞いてみた。
 その中には面白いと思うものはいくつかあったが、“ハマる”という感覚には至らなかったからだ。
 どうせファンになるなら“落語家・笑福亭鶴瓶”のファンに私はなりたいので、(万が一鶴瓶さんの落語もそない…だったらどうしよう)とか思っていた。

 それが杞憂だったことがたまらなく嬉しいし、ホッとした。
 最後の挨拶で、もっと向上する、と鶴瓶さんが言っていたことにも感動。
 今日の感動を忘れない限り、私は鶴瓶さんの落語をなるべく見に行くだろうと思う。
 鶴瓶さん以外の上方落語家の噺も聞きたい。
 江戸落語も聞きたい。
 “欲”がふつふつと湧き出ている。

***
帰りの電車の中で小堀ブログを見て、「BGM〜昆虫ロック」にぐぐーっと目が行った。
 私は明日も青山に行くので吉祥寺でRISKの皮ジャンを着て音楽やっている小堀さんを見に行けないのは残念だが、「昆虫ロック」を聴いてにやにやっとしよう。
 「昆虫ロック」は「今まで聴いた中で五本の指に入るほど好きな音楽は?」と尋ねられたら絶対に入れる。
 あまり前向きな歌詞ではないが、無理矢理励ましたり夢を見せようともしない淡々さが何ともいえず好き。



2006年11月07日(火)
衝撃、呆然

楽しみに読んでいるブログをチェックしたら、元ぴのっきをの清水さんの訃報についての記事がエントリーされていて、思わず「えっ、嘘!」と声に出してしまった。
 2丁目劇場の末期〜閉館頃にお笑いに興味を私は持ち始めたので、ぴのっきをのネタとかはあまり知らず、元ベイブルースの河本さんが亡くなった時、河本さんを囲んで芸人仲間が雑魚寝をしていた時のトンデモエピソードや、入水自殺を試みて川に入ったものの川が浅すぎてまた出てきてしまったことといったエピソード類しか知らない。
 だけど、清水さんという存在は知っているので、まだ41歳だったことや数日前まで舞台に出ていて本当に急死だったことなど、いろんなことが分かるにつれて、どんどん悲しみが深くなっていく。
 清水さんのご冥福をお祈りいたします。



2006年11月06日(月)
花と笑い


「姑かっ!」とツッコミたくなるほどねちっこいオッサンから1時間ほどいびられる。
 土日に控えている「笑福亭鶴瓶落語会」のことを思い、我慢我慢。
 心の中では中指立てて「しねーっ!」だ。

録画して頂いた「東京ダイナマイト祭り」のDVDを見る。
 スピードワゴンのネタは丸々カットされていたのは残念だったが、あの日比谷野音の熱気と興奮を思い出し、見ながらテンションが上がる。
 東京ダイナマイトへのコメントを求められた2丁拳銃が2人とも「大好きです」「ファンです」なんて言っていたのも微笑ましい。
 
その流れで、同じく録画してもらった「2丁拳銃ヒストリー」も見る。
 「撃ちっぱなし」で「同じネタが使われて〜」と言っていたので、使われた漫才が全部同じだったんだろうか?とか思っていたが、そんな編成をするほどFandango!もバカではなく、私の早とちりだった。

 「漫才夫婦」は1回ぐらい、「うさぎとカメ」は一度も見たことが無かったので、それを見れたのが嬉しかった。
 「フィーバーマン」から「病室」のコントが選ばれたのは意外だった。
 全編を見たことが無い人がいきなりあれだけ見せられてどれぐらい笑えるのかなぁ、とも思った。
 私の場合、あのコントは見ている内に切なくて胸が痛くなり、つい泣いてしまう…。

 「天使と悪魔」、「好みのタイプ」、「ゴキブリの逆襲」、「銭湯」、「偉人」等の漫才は何回も見る機会があったので、大まかな流れはもちろん、セリフも割と覚えてしまったが、それでも飽きることは無い。
 持ち帰り仕事をしながら見ていたので、“見る”というより“聞く”という方が正しかったが、展開は分かっているのにそのボケをあの飄々とした口調で出されたら、反射的にふふっと顔がほころぶ自分がいた。

 “咲く”は“花が笑う”という非常に可愛らしい意味を持つが、考えてみれば“ほころぶ”も、“咲く”と“笑う”の両方の意味を持つ。
 固く結んでいた口が開いて笑い出す様子を、つぼみが花開く様子に似ていると思った最初の人は凄く豊かな感性を持った人だったんだろうなぁ。

小堀家次男くんは“響己”くんに決定。
 写真を初披露した「撃ちっぱなし」は見れなかったので、ブログに載せてくれた写真が初響己くんだったが、央人くんと同じく目力がある男の子だった。
 まだ生まれて1週間ぐらいなのに3ヶ月ぐらい生きているかのようなしっかりした顔立ち。

鶴瓶さんが門真の落語会で「たちぎれ線香」をやったと今日の「きらきらアフロ」で言っていて、それを聞けたお客さんをとてもうらやましく思った。
 にわか落語好きの私が言うのはおこがましいが、「たちぎれ線香」は悲恋物で、切ないとかいう感情はどの時代でも不変なんだなぁと実感した話だった。
 門真の落語会や繁盛亭でこの話を聞けた人が本当にうらやましい。

 同じことを2回も書くほどに。



2006年11月05日(日)
逆説的願望


(私、本当笑福亭鶴瓶落語会を楽しみにしてるんだなぁ)
 と思う夢を見た。
 それは
 <開演時刻を間違えて行けなくなる夢>。
 その予定が本当に楽しみなことであればあるほど、<突発的事情や自分の不注意によって行けなくなる>という最悪の事態を具体的に考えてしまう。
 頼むから何も起きませんように。
 
HDDに入れっぱなしだった夢路いとしさんの追悼特番2本をDVDにダビング。
 ダビングしながら見ていたが、温かい漫才に気持ちがほっこりする。
 「君」「僕」というきれいな言葉はやはり良い。
 飄々としたいとしさんのボケに笑いながら、気持ちと身体が自然とリラックス出来た。

 正しい日本語によるしゃべくり漫才の復活を目指すNPO法人「上方演芸研進社mydo」が今年の3月に発足し、喜味こいしさんが理事を努めている。
 “しゃべくり”にこだわり、きれいな日本語で老若男女問わず笑う漫才の台本を作ることが出来る若手の養成も目的の一つであり、本当に共感。

演芸部門のNHK新人演芸大賞は今月末に放送されるらしい。
 今日は落語部門の放送日だったので、いつもより身を入れて聞く。
 あぁ〜、と納得するサゲもあれば、(えっ?何それ?)とよく分からないサゲもあったりで、まだまだ分からないことがいっぱい。
 千原ジュニアが2月の単独で落語をやった後、イベントを途中中止したほど“急性落語熱”を発症していたが、分からなくはないなぁと今は思う。
 今年の落語部門の大賞受賞者は笑福亭風喬さん。
 入りやすい落語で面白かったので嬉しい。

「曲者」は1日だけ行く予定だが他の出演陣が分からないので、一般販売で買う予定。 
 他の人のブログや日記を見たら先行で2日間とも買ったという方が割と多く、凄いなぁと思う。
 行くまでのテンションはえらい低いのに会場に足を踏み入れた瞬間からアホのようにはしゃぐのが、私の曲者での行動パターン。

小堀家次男君、ブログに書いてあった候補名がシュッとして凄く良かった。
 あれに決まりますように。
 ちなみに昨日の「拳(GU)」で乗れなかったもう一つの企画が、次男君の名前を決めようというものだった。
 (子供が一生背負うもんをオモチャにするな!)と真面目に考えてしまった。 どうも最近狭量気味。 



2006年11月04日(土)
体罰と下ネタ


先週末土日返上してこなした量の2倍の仕事を前回の半分の日数(つまり1日)でやれという、
 「そんなたわけたことをぬかす口はこの口か〜!!」
 とうりうりしたくなるようなアホなオーダーが回って来たので、それは無理だとお返事。
 前回+1日の猶予を取り付けたが、その際の
 
 「せっかくの連休なんだから、やれないことも無いと思うんだけどね〜」

 って何?
 いつから“連休”は“作業班の技術処理能力を考えずに先方に勝手にデータの納期期限を伝えてしまったリーダーの尻拭いをするために返上する日”となったのか?
 ワシの連休返せ〜!!
 

 もっとも、
 (あぁ、もしこれが来週だったら…)
 と思うとぞっとする。

 私から
 <“笑福亭鶴瓶落語会”を存分に堪能する権利>
 を奪う人は、誰であっても許さん。

関西在住の友達に
 「私、自分でも分からんけど突然鶴瓶さんのファンになって、その結果上方落語にも興味持ち出しから、いつか天神天満繁盛亭にも行きたいと思ってるんだ。その時はよろしく」
 とメールを送ったら
 「おぉ!私は米朝一門会を見に行くよ。今度こっちに来た時は鶴瓶さんの写真とサインが飾ってるお店につれてってあげるよ☆」
 と、(さすが私の友達だ〜!!)と嬉しくてにやけてしまうお返事が。
 いつになるか分からないが楽しみ、楽しみ。

ケータイから「東京ダイナマイトトーキョー」を見たら、東京ダイナマイトがM-1グランプリ2006の二回戦を通過しました、というお知らせが。
 (当たり前じゃっ!)と強気なことを思った。
 (東京ダイナマイトの漫才が二回戦で落とされてたまるかっ!)と。
 
2ヶ月ぶりの「拳(GU)」は、私にとって2ヶ月ぶりの生2丁拳銃で、2ヶ月ぶりのルミネだった。
 今回は「2006年総集編」でコーナーは4本だったが、ライブレポートを読み返したら今年の「拳(GU)」でやった企画は1本しか無かった上に、今年のシメ企画は「布団圧縮」。
 テレビだとチャンネルを変えれば良いが、舞台はそんなこと出来ない。
 今日の「拳(GU)」は際どいシモや身内ネタが多く、(Fandango!が入ってないにしても程があるでは?)と思いながら見ていただけに、(ここまで書いたのは劇場に行き出してから初めて)と我ながら思うほど、文章や文字の端々に怒りに満ち溢れた感想を書いてルミネを後にする。
 
 この系統の企画は、客がどの部分にウケるだろうと見込んで通るのだろうか?と遭遇する度に不思議に思う。
 わざわざ劇場まで見に来るぐらい好きな客なら、こういうことをやっても笑うだろう、と思われているのだろうか。

 “笑わせるためにやってるのだから笑わないのは芸人に失礼”という考えもあると思うが、 何でもかんでも笑うことも芸人に対して失礼だと思うし、何でも笑えば良いというものではないと思う。

 不遜なことを書くけれど、度を越した“痛い痛い”や“熱い熱い”を(面白い)と思うような感性は持ち合わせていないし、これからも持たない。

タイトルの言葉は、ゲストだった麒麟がエンディングで初参加の感想を聞かれたときの川島さんの発言。
 今日の「拳(GU)」を本当に言い表していると思った。  



2006年11月01日(水)
メガネ男対決


チェックしたのは3ヶ月ぶりだ。

偶々(久しぶりに見てみようかなぁ)と思ったのだ。
だから、クリックするまで知らなかった。


まさか。

まさか。

ローソンチケットで「第五回青山寄席 笑福亭鶴瓶落語会」の追加席が発売されているとは!


夏頃、アジカンの幕張メッセライブを@ぴあのプレリザーブで取った。
 11月11日はアジカンの幕張メッセライブを見に行くつもりだった。
 そのために「フィードバックファイル」も買ったし、家から幕張まで経路検索もしたし、なんならライブ後に混雑する電車で帰るのはしんどいかも、と幕張メッセ付近のホテルまで探してたのだ。

 ローソンチケットドットコムを見るまでは。

 それでも(11日はアジカン!)と決めていたから、12日の昼公演に行こうと検索したら、“予定枚数終了”とつれない文字が。

 (…ぴあにはもう無い。
  でもローチケにはある。
  ということは、ということは…。
  ウン、つまりはそういうことだ)


10分後、アジカンを好きな方に

 「11日の幕張メッセライブ、私の代わりに行ってくれませんか?実は鶴瓶さんの落語会の追加チケットを取っちゃいまして…」

 と打診メールを送る私がいた。

この顛末を友達に言うと

 「メガネの男ぐらいしか共通点無いやん!」
 「何で鶴瓶とアジカンを天秤に掛ける必要がある?そして何でアジカンが鶴瓶に負ける!」
 「急性鶴瓶中毒、もしかして悪化してない?大丈夫?」

 と、かなりの総すかんである。
 タイムマシンでプレリザーブに当選した頃に戻り、当選お知らせメールに喜んでいる自分に「それ、アンタ笑福亭鶴瓶落語会に行くから譲るんだよ」と教えても一笑に付すだろうなぁ。
 (私がそんなことする訳ないやん)と。
 運命って分からないものだ。

電車に乗ってたら、朝も早い内から発泡酒片手に見えない誰かを相手に演説を行っているオジイがいた。
 最初向かいの席にツレがいるのかと思ってそちらを見たが、皆目を伏せて他人のフリを決め込んでいるので、違うことが分かる。

 演説の端々に、どうもこのオジイは現実と理想の間を彷徨ってらっしゃることが分かったので、私もなるべくオジイのターゲットとならないようにしていたが

 「大体な〜、今の若いヤツぁなぁ、根性が足りねぇんだよ、なぁ!
  オレなんて、若い頃は東京ドームでホームラン何本も打ってた、つーんだ。
  それは努力したからだ、そうだろう!」

 という訴えには、心中

 (嘘やーん!なわけないやーん!世代的にそこは後楽園だろ〜)

 とツッコンでしまった。

 私が降りる頃、来期はソフトバンクに移籍して心機一転頑張ると豪語していた。
 開幕までこれを覚えてたら、野球中継、ちょっと注目しとこう。
 ソフトバンクでこのオジイが何をするのかは分からないが。



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