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2004年09月20日(月)  彼女ら曰く、 /<ぬ→ね>

宇多田ヒカルはこう言っている、
'time will tell' と。
山本文緒はこう言っている、
「空元気、と自分でも思った。しかし、無理をしてでも元気は元気だった。」と。
それでも君がまだ凹んでるなら、僕が黙って話を聴こうか?


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未だに悩み続けている問題がある。ある言葉に伴う助詞についてだ。
なんといっても、「読み耽る」という複合語が悪い。
「読む」なら「本を読む」で迷わない。
「耽る」なら「読書に耽る」で決まりだ。
けれども「読み耽る」は、「本を」でも「本に」でも、どうもしっくり来ない。
一般的には「を」のようなので、みんな特に違和感を持っていないのかもしれないが、どうも落ち着かない。


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<ぬくもりが欲しい、なんて冗談で言わないでね。>
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2004年09月16日(木)  <に→ぬ>/BlueFilms/気を取り直して

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<日記とは思えぬ。>
そんなんばっかだけどな。
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  一人暮らしをはじめてから、寝室のカーテンは青と決めている。眠りから覚めると、空気が薄青くなっていてちょうどいい。自分らしさってなんだろうとか、どんな顔して人に会おうとか、そんな面倒くさいことを放り投げて呼吸ができる。色の好みはその時々で随分変わるけれど、空気の色で言えば、この透き通った青ほど楽な気持ちになれる色は他にない。

  毎週のように映画館に通い続けていたら、ふとしたきっかけで知り合った男に「どんな映画が撮りたい」と訊かれた。映画を撮る気なんてさらさらない。映画は撮るものじゃなくて観るものだ、そう答えた。けれど、「いつか撮りたくなるに決まってる」と言われ、「もし撮るなら何を撮る?ドキュメンタリー?アクション?」としつこく食い下がられたので、仕方なく、青だ、と答えた。青い印象の映画が撮りたい、と言ったつもりだった。空の青、海の青、解釈は他にもいろいろできただろう。
  男は一瞬きょとんとしてから大きく笑って、僕の前を歩き出した。派手なピンクの扉の前で、「ここで女優を選べばいい」と言った。何に対する自信か知らないが、ずいぶん自信ありげな顔だった。その店に入ると、あまりにも僕好みの娘がいた。仕方がないのでとりあえず連れて帰り、寝てはみたものの、なぜ深い付き合いもない男にいきなり女を与えられなければならないのかはわからなかった。
  腹が減ったというので、とりあえず冷蔵庫にあったアサリとニンニクでボンゴレを作って食べさせ、その間に裸の彼女をハンディーカムで撮った。撮りたくなるに決まってるという男の言葉とは関係ないと思いたい。ただ、彼女の体があまりにもきれいだった。カーテンを閉めると、街灯が部屋を青くする。その空気の中に自然に納まっている彼女が、本当に僕好みで、このまま何もなかったように時間が過ぎていくのはもったいないと思った。僕の考えを推し量る様子も見せずひたすらスパゲティを食べていた彼女は、「変な人。」という感想を漏らし、少しだけ微笑った。その口元があまりにも僕好みで、心外に思いつつもまた寝る羽目になってしまった。
 
  頭の中に想い出をつくることは簡単だが、変わらない映像を残すことはできない。映画がそれを可能にするなら、悪くないかもしれない、と思った。




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最近、比較的、夜に寝られない。
眠気の山を越えて寝付けないのもあり、時間がもったいない気がするのもあり。

昨日は先輩にほとんどおごられて飲んだ。
ありがたい。

何かの役に立っている充実感が必要なのかもしれない。
めぐりあわせはとても大事だ。
あの時うまくいかなかったことは、今このときのためだったんじゃないか、というようなこと。
ふりかえり楽観主義。

というような投げ出し文が、本当の日記。


なぜこんなに、急に書く気になったのか。それはおそらく「ボウリング・フォー・コロンバイン」のせいだ。
途中からしか見られなかったが、華氏911を観に行こうと改めて思うには十分だった。
早く観たい。


2004年09月14日(火)  いろいろなことをサボってばかりいる。/<な→に>

北千住で若い子たちがギターやらベースやらボーカルやらやっているのを見た。ちょっと感慨深い。


小学生のとき出会った高校生や大学生は、ずいぶん大きな存在だった。
「大人」とは全然違うのに、大人のように見えた。
彼らの出す音は、楽器にせよ、バイクにせよ、とてつもなくかっこいいものに感じられた。
憧れだった。

でも、それは、すべて「彼」がいたせいかもしれない。

そう思うと、ひどく寂しい。
いま、僕は、ここで、いったい何をしているのかと思う。

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<何もかも、初めからそこに存在しなかったかのように。>
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サボっていたあいだに考えていたこと。

・メドゥーサの生え際が見てみたい。

・高校生クイズも新課程か。むしろ2ちゃんか。

・骨導音と、自分の声。
 自分の知る自分と、他人の知る自分の、違いの大きさ。
 慣れから来る(?)好き嫌い。

こんなことに加えて、金縛りに遭った。
肩に重みがかかる。声がかすれる。自分の声が遠くに聞こえる。
意識は極めて明瞭、に思える。
これは、夢とは違うのだろうか。


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