My Cup Of Tea...POO

 

 

Thank you for the music!! - 2004年06月29日(火)

母の誕生日前日なので
「マンマ・ミーア!」を二人で観にいきました。

ABBAのヒット曲をふんだんに使っているということで
どうせ曲の人気に寄りかかったミュージカルなんだろうとたかをくくって
いままで観にいかなかったのですが。
敗北。私がおろかでした。
しっかりとしたお話があって、そこに上手く曲が乗っていて、
すごく面白かったです。
ドイツで、ハンブルク・シュトゥットガルト2都市同時上演になるのも納得。

自分が女でよかったなぁ、と思いました。
女の目で、このミュージカルを観られたことに感謝。

ギリシアの小さな島でホテルを切り盛りするシングルマザー、ドナと
もうすぐ結婚する彼女の娘、ソフィのお話。
結婚する前に本当のパパに会いたい娘は
父親候補ではないかと思われる男性3人をママに内緒でホテルに招待。
そこから始まるどたばたコメディー。

結婚式を祝うためにやってきたドナの親友たち2人と、ドナとの友情が
まずなによりも見てて嬉しかったです。
久々に会った瞬間、昔遊びまくっていたお嬢さん時代のノリに戻って、
無邪気にはしゃぎまわるお馬鹿なおばちゃまたち3人組。
とってもいとおしくなりました。
ああ、何かとってもわかる感覚だなぁ、と思って。
私にも、会った瞬間、馬鹿になる人々というのがいて、
そんなやつらの顔を思い出しながら見てました。

それから、ドナとソフィのあったかい関係もよかったです。
舞台観ながら、隣の席に母親がいてくれてよかったなぁ、と思いました。
自分が母親になる予定はないんだけど、
もし自分に娘がいたら、一緒に観にいきたいミュージカルだなぁ。
東京公演は11月で終わりだそうですが、
本家ロンドンではまだまだ続くみたいだし、
長いロングランになることを祈っています。


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言葉おいてけぼりの可能性 - 2004年06月26日(土)

ロンドン産ダンス芝居「プレイ・ウィズアウト・ワーズ」
@Bunkamuraシアターコクーン観劇。

マシュー・ボーン振付作品で、
ロンドンで大絶賛されていたというこの作品。

まったく台詞なしの身体表現だけで話が進んでいく。
凄いと思ったのは、作中の時間の扱い方。

三人の役者が、一人の人物を一斉に舞台上で演じることによって、
その人物の現在と、5分前と、5分後が
同じ空間で同時進行していく。

かと思うと
いつのまにか二人は消え、
一人の人物と一人の空間に収斂された現実が戻ってくる、
といった調子。

何て発想なんだろうと思った。
台詞芝居や小説ではこんな表現は出来ない。
現在、5分前、5分後、
台詞でそれぞれを表すことはできても
その三つが同時に存在することは出来ない。
同時に存在させようとして三つの台詞を同時に発したら
全く意味の伝わらない音の重なりになってしまう。
三つの事柄が同時に進行しているかのように小説を記述したくても
一つの文章で表せる時間は、どこか一地点一時間点に定まっている。

言葉によって、時間と空間に縛られる。

その部分をらくらくとクリアして、
するすると眼前で並行する三つの時間と三人のダンス。
鳥肌が立ちました。



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INTO THE WOOD part2 - 2004年06月20日(日)

なんやかんやで結構ハマッタこのミュージカル。
当日券1500円で、2度目の森の中へ。

Into the woods
Each time you go,
there's more to learn
Of what you know

Into the woods,
Then out of the woods
And happy ever after!

...I wish...

森の中で歩いている王子に出会ったら気をつけて。



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DIVA2004 - 2004年06月19日(土)

一路真輝さんコンサート。
しかも井上芳雄くんとuweさんがゲスト。
ゲストといっても、それぞれソロ曲もたっぷりあり、
とってもお得感がありました。
東宝ミュージカル良いとこどりハイライト、
のようなコンサートで、
エリザベートあり、モーツァルト!あり、ミスサイゴンあり、イーストウィックの魔女たちあり。
とくに、ドイツから来日したuweさん目当てでチケ取った私のような人間には
満腹眼福耳福でした。

uwe元祖トート閣下と一路エリザの「私が踊る時」や
uweトート閣下と井上ルドの「闇が広がる」は
日本語とドイツ語の入り乱れた完全保存版。

しかし、一番の保存版は「最後のダンス」でしょう!!
uwe閣下、「Es ist das altes Thema」って歌いだしたので
これが伝説のオリジナルトート様の生歌かぁ、ってんで
全身を録音テープのようにして聴き入っていたら。
サビ、
「Die lezten Tanz,die lezten Tanz,gehoert allain nur mir」
の部分、
「サイゴノーダンスハーオレーモノ」って絶叫された閣下。
「最後のダンスは俺もの」って、なんて偉そうなんだ閣下。
胸キュン出血死。




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異世界異種格闘技反対 - 2004年06月15日(火)

修論の調査対象にしようと思っている土地は
長野と新潟の県境の小さな村で
結構おもしろい方言が残っているのだが。

調査項目をどうしようかと思って、考えている。

その村はまず、
母音のイがエと混じっているのね。
だから、共通語の「スギsugi(杉)」は「スゲsuge」と発音されるのね。

それから
共通語の「キ」は、その村では「チ」と発音されるのね。
だから、共通語の「アキaki(秋)」は「アチaci」と発音されるのね。

で、どんな言葉をたずねたら面白いかと思って
のべつまくなし考えている。
ウォークマンでミュージカル聴きながら
でもどっかで考えている。

今日はエリザベートCDを
半分聴きながら、半分考えている。
で、
そうこうするうちに、死神トート閣下が登場。
「ひとのいのちを奪って もてあそぶのさ冷たく」
とか歌ってらっしゃるから、
 
  そっかー、
  いのちかー。
  あの村だったら
  「えのち」と発音されるのだなぁ。

とか考えてるわけね。

  でもあそこの村の「チ」という発音は、
  もともと共通語「キ」に対応してるんだから
  共通語「えのき」も
  やっぱり「えのち」と発音されるのだなぁ。

とか考えてるわけね。
  
  「えのき茸」と「命」が同じ「エノチ」っちゅう発音なんだあの村の方言〜。

とか考えてるわけね。

そしたら、
人のえのき茸を奪って、冷たくもてあそんでいるトート閣下のお姿がぐわーっと。
お前のえのき奪う代わりに、生きたお前に愛されたいんだとかいってる閣下のお姿がぐわーーっと。







もてあそぶな食え。


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INTO THE WOOD - 2004年06月10日(木)

ミュージカル「INTO THE WOOD」@新国立劇場。
宮本亜門氏演出、日本人キャスト。
B席チケットで観にいく。

巨匠スティーブン・ソンドハイムの
お名前はよく存じていたのだが
彼の作曲したミュージカルを初めて聴いた。
すごいね。不協和音なんだか合ってるんだか、狙い凝らした難曲ばかり。
キャストのみなさまの苦労がよくわかります。
ちょっと歌いこなせてない人もいましたが、ご愛嬌。

話の筋はブラック童話で。
赤ずきんちゃんとシンデレラとラプンツェルとジャックと豆の木とが
同時に存在している物語の世界。
ストーリーと登場人物のエゴがまじりにまじってほどけなくなり、
ぼろぼろと全力疾走で崩れていく物語の中。
最後に残るものはいったい何なのでしょう。
と、こうやって文字化してみると結構シリアスなんだけど
ちゃんと笑いのツボは押さえたミュージカル。

王子の兄弟最高!
とくに「誠実でなくチャ〜ミングを目指して」育てられた兄上最高!
シンデレラに愛想つかされるのも納得な
爽やかさと凛々しさときざっぽさと馬鹿っぽさが見事に融合されて
もはや胡散臭さしか感じないまでに昇華されたタラシっぷりは必見です。


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どちりな。 - 2004年06月04日(金)

授業。

室町期のキリシタン文学の某本について
「活字本に関する文字表記の研究」
をしてらっしゃる先輩の報告中。

つづけ文字に関して、必ず「てん」「あん」等
切れ目が撥音で=シラブル単位で現れてるんじゃないかな?
ふと気付いて、すっごく面白かった。
というのを、忘れないうちにメモメモ。
ただ単に続けて書きやすかっただけかもしんないが、
下手すると音節の扱いがモーラ単位じゃないぞ。
もしやシラビーム的かもしれんぞ。
チェックする必要ありかもだぞ。

色々ふんふんと興味深く聞くただ中
そのレジュメの引用された例文に

「さばとににくじき」

サバトに肉食!!
ちょっとときめくおぞましさではないですか!

部屋とか暗くしちゃって
お香とか焚いちゃって
んでテーブルの上に鳥の丸焼きとかあって
黒いフードをかぶったパペットマペットの後ろの人みたいなのが
何人も肉を取り囲んで怪しい祈りを捧げておって、

みたいな正統的なサバトの風景を思い浮かべておったところ
その下の方の注釈にちっちゃく。

「さばと=土曜日」

と。

・・・土曜は家族みんなでお肉の日?

ホームプレートとか出しちゃって
お父さんとか張り切っちゃって
黄金の焼き肉のたれとかで
ほのぼのさばとににくじきですかーっ!!

なんかすごく落胆しましたのわたくし。
暗室は?お香はー?儀式はーー?肉の雨あられ百花繚乱はーーー?
この世の中甘くなかったです。
後ろの人なんかいないのです。
ああもう〜がっかりだともさ。


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