| My Cup Of Tea...POO |
わたり鳥は帰ってゆきました - 2002年05月31日(金)
ふっかーつ！
へへん不死身だぜ。
でも夜、塾講バイトに行ってみたら、
塾がまっくらだったぜ…。
そんなにワールドカップ開幕戦見たかったんだったら
せめて一言休むって言えよ塾長…。
-
6限目のしょっぱなから頭痛。
薬を切らしていたので放置。
ならば治るはずもなく、
帰りの電車の中で、
腹部圧迫感・全身鳥肌・視界の歪みフルコース。
案の定、途中下車2回。そのつどきっちり律儀に嘔吐。
吐血ならいかにも明治の富豪娘なのに、
さっきのんだがために吐グレープフルーツジュース。
素面でこんなに爽やかにへべれけになれるなんて、何て才能。
-
今日も手を変え
でも品はそんなに変えず。
レモネードをつくった。
お鍋にカップ一杯分の水と、
レモン一切れと、
蜂蜜さじ2杯入れて、
ぐつぐつと暖め揺らした。
青い透明のカップにそそいで、
レモンのちぎれた果肉が
対流に乗ってまわるのが見える仕掛け。
まだ夜は寒いんです。
いかにもPOOH的飲み物です。
-
先日、家におじが遊びに来て以来、
レモンが余っている。
必要なのはひときれだけだったのに、
2個入りの袋を買ってしまったのは母だというに、
何故か消費するのは私の役目となっていた。
レモンティーばかりだと、
切ない。
ミルクティー派なので。
ホットワインを作った。
赤ワインをお鍋に入れて、
砂糖とシナモンを入れて、
ぐらっとふた煮立ち。
アルコールを結構飛ばしてしまったほうが好み。
こぽこぽふくらむ湯気に向かって、
レモンを一切れ。
すぐに火から下ろして、
お気に入りのどかっとしたカップに注いだ。
やがてほかほかと内側から弛緩して、
ぼへーっと膝をまるめてテレビを見ていて見ていなかった。
どうでもいいバランスってやつが、
けっこう入用。
レモンの白いふちがカップの中で赤く怠慢に染まるみたいに、
どうでもいいバランスってやつが。
-
父の誕生日なので、
考えてみたのだが、
結局は、おだんごを買って帰った。
私はやさしいので、
今度は爽やかに甘いやつを。
ずんだのおだんご。
緑色があざやかできれい。
-
konocoちゃんのご親戚のおばあちゃまに調査に協力していただき
お話をお聞きする。
おん年88歳。
ご本人もすてきならば、
住んでるおうちも素敵だった。
古い井戸があって、入り組んでぎしぎし言う廊下があって、
床下にはぜったいちっちゃいトトロみたいなのが住んでて、
いつかお話にかけると思った。
もったいなから、ここではもう書かない。
カッコウが鳴いていた。
-
父が買ってきたのは大納言、という名前の和菓子で、
牛皮をつつんだあんこが砂糖につつまれている、
という三層構造あまあまフルコースきんつばであった。
私は甘党である。
で、まあ、食べたんだけれども。
食べたあたりで速攻胸焼けが始まり、
あまいあまいと唱えるしか精神的余裕もなく。
お茶をがぶ飲みし、
その後、勉強してても
どんどん宜しくない気配が濃厚となり、
吐き気まで舞台袖から登場し、
ラインダンスでその場を盛り上げる。
頭痛が酷くなった時みたいに救いようがなくなってきたので、
あまいあまいとノイローゼ調に呟いて、
水を飲むべく洗面台の鏡を見たら、
自分の顔が真っ青だった。
…物理的に血の気を引かせるお菓子って何よ。
ああ、でも、それよりショックなことがたった今…。
わたしのパソコン、
「よろしくない」って入力して変換すると
一発で
「夜露四苦内」って出たよ…。
-
5限の時間は漢文の授業なのだが、
よい授業にもかかわらず、
めりはりのある授業にもかかわらず、
眠いんだ。これが。
理由はわかんないんだ。
白目をむいて
頭ぐらぐら振って
黒板の向こうの世界と通信してしまう
トランス睡魔の時間である。
現在ケータイにつけているストラップは、
PIZZAというシリーズのストラップで、
バーコードみたいな模様が、透明ビニールについてる。
ZIPという名前が買った時から付いてる。
名前をつける手間が省けてよろしいことである。
こんなとりあつかい説明が、パッケージにある。
"ZIP
To Zip up for life is like getting
a bar code that proves your identity!"
「管理
人生をうまく管理するのは、
自分の主体性を証明するバーコードを
手に入れるようなものだ。」
説教くさいなぁ。
それがいいんだなぁ。
ストラップに叱咤されつつ今日もトランス。
向こうの世界とこっちの世界が混じって、
私のバーコードはすごい按配である。
極楽鳥の舞い落ちる。
-
夕方、
自転車盗難の届をしようと交番に行った。
おまわりさんがいなかった。
がらーんとした交番の中に、デスクと、その上に電話のみ。
人が盗難にあってるって時に、
のんきにパトロールなんぞにお出かけなのである。
しかたなく電話を取り上げると、警察本署につながって、
電話の向こうのおじさんに事情を説明したら、
人が居る近場の交番を二つ紹介してもらったのだが、
近場という名前が白々しくなってくるほど、えれえ遠い。
そんなとこいけないですよーぉ、って訴えたら、
じゃぁ空いているパトカーなり警察官なりをそちらの交番に向けましょう、
ってんで、
まるでハイヤー会社の受け付けに電話しているかのごとく、である。
成行き上、私がおまわりさんを呼びつける形になってしまった。
おろおろして交番の中をうろつく。
落ち着きたくとも、だれもいない交番には、
椅子さえもないので座れないのだった。
ふっと見上げた部屋の上隅には、戸棚があって、
わりと下手っくそな字で「左側あけると危険」と縦書きしてある。
なんで左側だけなんだろう…うわぁじゃぁ右はいいんだな？
あけちゃってもいいんだな？
でもこの観音開きの扉の構造からして
右だけ開けても、斜めの角度から覗き込めば
左側の世界ともごたいめーんである。
左半分にだけ、なにがいるんだろうなぁ。
危険なものなんだろ？
半分だけピストルとか半分だけ警棒とか半分だけ白バイとか半分だけ赤鯛とか半分だけペンギンとか半分だけカーネルサンダースとか半分だけ。うわあ。半分は怖ええよ。
いかんいかん。
目を離してめぐらせた首の先には、
指名手配犯がずらずらと雁首並べたポスターがあって、
それぞれの顔の特徴に対して、ご丁寧な注記がしてある。
一番左上の顔写真には、
「ホクロ」
「ホクロホクロ」
いっそなんだかたのしげ。
凄い勢いで、都合三回のホクロの連呼である。
彼の顔は、半分ホクロの文字で囲まれていて、
今、これを書いている時点で、
振り返って彼の顔を思い出そうとしても、
彼の輪郭は、すでにホクロの文字以外の何者でもない。
その下の写真には
額に傷がある猛者がいたり、
口の脇に特徴あるホクロがあったり、
ふーん、人間の顔ってさまざま。
と思っていたら、一番右下の彼。
注記。
「眉毛が濃い」
たった一言。きっぱりと。
確かに彼、濃いんだけど。
あの、でも、眉毛って、
…少し間引いたりしたら、あっという間に薄くなるよ…？
犯人逮捕に必死なんだか、いい加減なんだか。
それ以外には説明の仕様の無い顔だったんだか。
とにかく、たった一言
まるで選挙ポスターのキャッチフレーズのような配置で、
顔の脇に、たった一言
「眉毛が濃い」
これが選挙のポスターだったら、絶対に投票しようと思う。
いかんいかん。
目を離してめぐらせた首の先には、
車通りの激しい夕刻の二車線道路があって、
まだ来ないのかなぁ、と我に返って少し不安になったら、
向こうから…見えた。
白いバイクを引きながら、向こうから歩道を走ってくる。
…おまわりさん。
なんでバイクに乗ってないの？
なんで乗り物を伴走者にして、
マラソンの如く歩道を颯爽と走ってくるの？
警察って楽しい。
-
右手の
親指の付け根と
中指の付け根と
小指の付け根に、
赤ばんでさっくり
切り傷じんじん。
おうおう。
なんてやくざな川の字なんだ。
-
かんばしくない天気。
空のお腹の皮が、灰色気配を充満させて
膨張してくるかの如く。
どろりと寒い。
そんなに頑張ると、あとでたるむと思う。
お腹がたるむと、それはそれは大変だと思う。
だって東京タワーに突き刺さる。
突き刺さって、
ずぶずぶいって、
展望台で、
すっかりたるんだお腹を、ぶよぶよ触れるようになると思う。
マーカーを持っていって
皮めがけてまっしぐらに
夜露四苦とか落書きする馬鹿も出てくると思う。
そのうち東京タワー名物腹の皮まんぢう、とかが売り出されて、
お昼の情報テレビ番組なんかが、皮をひっぱりに来ると思う。
皮をひっぱることが有名になって、
ひっぱればご利益がある、ってえことで、
そのうち皮を削って持って帰るふてぶてしい輩も出てくる。
持って帰った皮はもちろん高い値段で飛ぶように売れ、
あまりの人気に皮はぎは利権制となり、
その権利を得たやつが通販の社長あるいは教祖様となるわけだから、
ああありがたやありがたや、ってんで、皮の乱獲謝肉祭である。
でも皮は皮であるから、
やがて削られ尽くされ灰色空気もぷしゅんと抜け
放心状態になった塔の上には、
ほら、痩せ細った、
けれども青い空だ。
-
もう一度探しに行ったけど
自転車はどこにもなかった。
赤いのに。
すきバサミを買った。
面白くて、
母の髪を切りきざんだ。
というと、まるで私が家庭内暴力に走っているようで
ちょっとはらはらの松竹仁侠映画。
ではないのであって、
母の髪はもう10年来、いつも私が切ってる。
それだけのことだが。
すきバサミはいいね。
面白いくらい、髪の量を減らせて、すっきり。
おかっぱにした後、
ざくざく段を入れながら周りの髪を削っていった。
出来上がった母はまるで
ささくれ立ったこけしのようになった。
-
友人とラーメンを食べるためだけに、
新宿まで上京、という
なんともはや背筋の凍るような行為をしてしまった。
ほーかに優先すべきことがあるだろよ、
と自分でつっこみつつ、
だってさぁ、行くって聞いたお店の名前がさぁ。
「桜吹雪が風に舞う」
…抗えなかった私の気持ちも察して欲しい。
地元に帰ってきたら、
自転車がなくなっていた。
しょんぼり。
赤い自転車なんて、誰が盗るんだろう。
-
昨日「どっちの料理ショー」を垣間見てしまったのが原因で、
どうしても
どうしても
どうしても
どうしても
どーうしても
生春巻きが食べたくなり、
その生春巻きに寄せる私の情熱ときたら、
それはそれは凄まじく、
金色夜叉もブロンズに二宮金次郎もアフロヘアにそして嗚呼ライスぺーパー…
という有様であり、
気を抜いても抜かなくても、
頭はすっかり半透明生春巻の行列によって
所狭しとカーニバルである。おちつきゃしねぇ。
下に置いたら邪魔になるし、上に置いたら見苦しい。
どうせ今日授業一緒のふゆどんを、
2度目のモーニングコールにして叩き起こし、
結局授業はタイ料理に取って変わられた。
トムヤムラーメンと生春巻きを、ぐふぐふと食す。
カーニバルだ。
カーニバルだよ。
というわけだったのです。
代返頼んだ、わらし殿。
すまんほんとにすまん。
でも私がわるいんじゃないの。
タコスで勝てなかった関口宏がいけないの。
-
電車に座ると記憶がない。
自分の駅で降りられるけど寝ていたという記憶すらない。
私のバクめ。ワーカーホリック肥大気味。
-
午前中。
カンディンスキー展に行ってしまった。
無造作と混沌と混乱と無作為と作為と緻密。
とてもメルヒェンに見せかけて、
とても楽しそうに見せかけて、
見ているうちに、とても怖い気持ちになった。
会場の中で一番大きな絵、2枚並んでいるのが、
ほんとうにほんとうに怖くてたまらなかった。
輪郭の崩れた世界に、
かつて輪郭線だったものが
無効になった境界を、まだ信じて伸びている。
あちこちから浮かび出るように赤。
美しくて、生き物の世界から離れ滲んだ曖昧性の赤で、
でも、だから、どんな世界にも通じる入り口を持つ色。
自分の一番深くて近いところにまで、
その入り口から強制的に引きずられていく。
ふと気付いた時には既に、
とても、
見ていて辛くなっている赤だ。
世界はこんな風にしか存在できない。
それを認めてしまうこの画家は、
なんて無鉄砲なヤツだろう。
でも結局、彼は正しい。
輪郭は、あるんじゃない。
あると信じているだけだ。
ちょっと泣きそうだったので
こわいこわいと連呼して、
絵から少し離れたところで体を捻って半分背を向けて
小さく足踏みをした。
-
午前中バイト。
午後、変体仮名のテスト。
変体仮名ってやつは、
もうちょっと性根を入れなおしたほうがいいと思う。
-
終日バイト。
同期で入って働いていた大学院生が
フランスに行ってしまうことを知った。
最近仲良くなっていたのに、残念。
というか、
もっと人手が足りなくなるという事実。
フランスのばかぁ。
-
昼間、勉強。
ハ行と喧嘩。
呑み＠新宿。
監獄居酒屋。
店員がミニスカポリスもしくは囚人だった。
お客様連行しま〜す、
と連れて行かれて、
お客様御出所で〜す、
と見送られた。
あと、偉そうすぎて安っぽい声が、
なんか叫んでた。
あげくに何が楽しいのか笑ってた。
ゴーストもショーしてた。
ごっついサブカル。
一度は行ってよかった。楽しめた。
でも2度目は無いかな。
自分、おちついて食べられる方がいいみたい。
ショー見ながらご飯食べるなら、
ディズニーランドに行きたいな。
-
ばんにゃのおばあちゃまとおじいちゃまに
卒論の調査に協力していただいた。
収穫、多し。
ごまんえつ。
-
朝食の席にて。
母から、
「昨日、あんたが帰ってきたの、すぐ分かったわよ」
といわれた。
帰宅した時、両親ともすでにご就寝中だった。
そういう時、いつもは
朝起きて、あの人たちは私の生存を確認するらしい。
でも、昨日は、そんなことする前に、
「あんた、夜中に大きな声でなんか歌ってるんだもん。
自分で目が覚めないの？」
…要は隣室を起こしてしまったらしい。
……要は起こすほど寝歌大熱唱。
まったく知りません。そんなの。
ひさびさのライブで興奮しちゃったのだった。絶対。
なんて分かりやすいやつなんだろう。
幸せだと歌ってみせようホトトギス。
ついでに起こしてみせようホトトギス。
-
一日研究室詰め。
夜。
chocoさまと久々の再会。
TokyoFMのライブ番組公開生放送にご招待されていたので。
出たのは、大江千里と、XYZ→Aというバンド。
このバンド、いわゆるヘビメタ。
大江千里とヘビメタ。
宇治金時カキ氷と麻婆豆腐を一緒に喰ってるようなものじゃないか。
ってんで、
思わず観に行っちゃったのだ。
大江千里はテレビでみるより、うんと好青年だった。
しかしまぁ、とにかく面白かった。
マス番組がこんなにも白々しいものだとは。
ライブなのに、やっぱりＣＭは入るわけで、
その間は、客座ってるし、
ステージ上のヘビメタの兄さんたちも座ってるし。
だらだらしたヘビメタなんぞ、初めて見たのであって、
なんだかコミュニケーションがあるんだかないんだか
やる気がどこに向いてるんだかわかんない感じがとっても新鮮だった。
バンドのメンバーの一人が、
もと筋肉少女帯のギターの橘高さん。
相変わらず、
髪の毛がとっても長くって、
とっても熱く音楽を語る彼は、
インタビューされている間もされていない間も、
ギターいじってる時以外ずっと、
絶えず自分の髪の毛を、指で
しゅるしゅる、しゅるしゅる。
いじり続けていた。
あんたは女子高の生徒か。と笑ってしまった。
「朝礼の間は髪の毛をいじるのをやめなさい！」
と怒られていた女子高時代のクラスメイトみたいだったので。
その後、渋谷。
「侍チャイニーズ」にて食事。
-
ほろ苦くて、とても美味しかった。
でも、おでこの辺りの奥で
けたけたと緩慢な頭痛がした。
やっぱり、チョコレイトが頭痛の原因になる、
ってのはあながち嘘ではないのかもしれなかった。
今日、教授から、本をもらった。
いろいろな文章や詩を朗読しているCD付きの本。
ぱらぱらと載っている詩を見ているうちに、
無性に何か物足りなくなって、
自分の部屋の傍らに積み上げてある本の小山の中から、
山村暮鳥にご登場を願った。
世界に林檎がひとつ。
息を詰めて林檎がひとつ。
暮鳥の詩は、とてもほこほこした手ざわりがする。
空気と練り合わさった土みたいに、
やわらかくたしかで
空気が結局、青い空なんだって知ってる。
読んでいるこっちまで、
やわらかくなる。
涙が出たら、
洟まで出て、
ずいぶん薄汚い粘液質な相好になった。
-
買いたい写真集があった。
バイト終わって授業2コマ受けて夜7時半。
弱ってる背筋に仮想針金をむにむに刺し入れて
猪突猛進めくらめっぽう本屋に行ったら
7月に発売だったみたい。
目の前で赤い布がひるがえるのが見えたみたいだ。
手品の向こうに闘牛士は居ませんか。
そうですか。
やっぱり。
しゅーん。
-
今すぐかえるの鳴いてる声が聞きたくなって、
それも一匹じゃなくて大合唱してるのがよくて。
冷蔵庫に入れておいた
いちごを食べるのを忘れてしまった日は、
無性に我儘になる。
悪いかよ。
-
さあフロに入るべかなと、
ふたを開けたとたん、
得体の知れない草っぱがぶっこまれてて
いったいここはどこのトルコ風呂なんだ。
沼に沈むカバの気分で
しばし草っきれをぶんぶん振り回してちゃんばら。
そっか。
今日はかしわもちの日だ。
武者人形よりお雛様が嬉しい一応女の子なのでね。
だって、ひなまつりには白酒飲めるさね？
-
だめだ。
だめなんだなぁ。
だから、
いちにち、にんげんをおやすみした。
でっかい肉のかたまりが、
まるで動物のように、
なにかを考えたがっていた。
むりだよ。
今日のおまえは肉だもん。
食用にもならない、
ただ漫然と肉だもん。
胡椒振ったって浪費。
痛いとも
怖いとも
面白いとも、
馬鹿馬鹿しいとも。
なんとも。
ただ、やたらめったらご立派な肉。
-
こないだふらっと買ったCDの中に入っていた、
let your spirit sourというバンドが好きだった。
これいいかな、と思うと、
私はたいてい、そのバンドのWebを探す。
インディーズのアーティストは、
中にはHPを持っていなかったりすることがあるが、
今回は、結構あっさりyahooからヒット。
飛ぶ。
トップぺージからメニューに入ったなり、
でかでかと、
「Ba、Vo急募」
こんなアーティストのHP、はじめて見たので、
一体何の企画か、とおもって、
しげしげと眺めてしまった。
しかし、先方はいたって真剣らしかった。
つまり、ベースとボーカルメンバーが欲しいんです。
「練習は週に１〜２回、ライブは月２〜３回できたらと思ってます」
やる気がある人、興味がある人は、ぜひ、応募してください、と。
一緒にやってくださいよ、と。
つまり、つい先日CDを出したにも関わらず、
そのまえにメンバーやめちゃったんだ、とな。
事実としてはものすごく孤独な上に、
要は、バンドとして、もはや成り立ってない？
おーい。
詐欺チックよそれって？
いいなぁライブ行きたいなぁ、と思って探しちゃった私の立場は？
しかし、そんなことには一向にお構いなく、
まるで、高校生が、はじめてバンドするんですけど一緒にやってくれませんか状態が目の前では繰り広げられていて、
なんてこったい。
次第に、面白いよ。
…面白すぎるよ。
こんな切実なアーティストページをはじめて見た。
しかも、全国流通CD出してるアーティストが。
しかも、ボーカルとベースを今までの音を守るための補充に入れる、
という守りの感じではなく、
新たに一緒に作っていきましょう、という気合充分。
しかも、極めつけに、公募。
……友達いないんだろうか。
-
今日も朝から伝票整理。
…おわんねー。
明日も行くことになる。
世の中のいわゆる社会人さんたちが
羽を広げてらっしゃるってのに、
なんで私が勤め人のようなことになっているのだろう…。
計算まちがえんなよ、コラ。
-
正直、ここにだけぶちまけちまうと、だ。
私は出版バイトを辞めようと思っていたのだ。
4年になってから、
目も当てられない具合に忙しくなったのが、
理由の一つ。
その間に少しでも勉強する時間が欲しいのが、理由のその二。
それから派生して、
シフトが月曜日にしか入れられなくなり、
それがあまり会社には好ましくなさそうだったので、
が理由の三つ目。
迷惑をかけるくらいだったら辞めようと思っていて、
たぶん今日あたりに
「今月いっぱいでお仕舞いに」
という段取りになるはずであったのだ。
出社してみて、ぶっとんだ。
私の前に、もう一人の女の子が、
とっとと辞めやがっていたのだ。
それも先週の土曜日。
紙一重の差で、
何の前触れもなく突然リタイア宣言。
キイテナイヨーッ！
だがいくら私が似非外人になったところで、
朝から頭痛に悩まされてドーピングしたって、
辞めたもん勝ちなんである。
残りの雑用事務用バイト人員はあと二人。
社員さん、密かにテンパってる感じで、
とてもとても私までが辞められそうな雰囲気ではない。
というわけで。
やりますよ。はい。
出版バイト。
そのほかレギュラーで
塾の講師と、研究室の雑務バイトと、
それから連休明けたら某S学館の短期バイトが入るんですけど。
4つ掛け持ちなんですけど。
使い切れないほどの宵越しの銭なんですけど。
貯めて、
まじでアンデス行こうかな、
マチュピチュとチチカカ湖、
じゃがいもじゃがいも、
と、咄嗟に思う。
そのうえ、人手が足りなくなったツケが
かろやかなタップを踏んでやってきて、
すっかりじゃがいも思考な私に向かって
一緒にタップを踏め、と要求する。
あげく、
今日から私は、全社員（内正社員2名バイト3名）憧れの的、
「経理のおねえさん」の位置を仰せつかった。
バイトなのに、なぜか、やらされてびっくり経理なのである。
一人でしこしこ伝票を整理して
excelの数式と格闘するのである。
一番最初に出合ったここのバイト募集要項の仕事内容、
確かに「書籍の編集補助」ってなってたのですが…。
経理はあまりにホジョっていすぎるんじゃないかなッ!?
自分の部屋の整理すらできない人間が、
経理のおねえさんなのである。
なんだか世紀末的にちゃんちゃら可笑しい。
年を越そうぜ年をよ。
でも、
そんな内心のキイテナイヨーッ的似非外人感を、
あらわに出来るわけもなく、
しょぼしょぼと売れた本の値段を計算し続ける。
…しがないのね、わたし。
帰り、夜道、ちゃりんこ疾走。
向こうから来たちゃりんこと
ぶつかりそうになって冷や汗をかいた。
無灯火だった向こうが悪い、
と思いかけて、
相手の顔を見て、
私は自分が悪かったのかもしれないと知った。
おじさん、
ライトをしっかりと
おでこに巻きつけていたのだ。
…八つ墓村か？八つ墓村なんだな!?
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