| My Cup Of Tea...POO |
野原の子ら - 2001年04月30日(月)
無事に目覚めたので、
湯沢温泉を少々探索する。
つくりたての笹もちはほんとに美味い。
それから、父が車で連れて行ってくれた先。
かぐら・みつまた。
苗場。
知る人は知ってると思うけど、
両方とも、
…要はスキー場。
それも今日は帰宅日なので、
スキーせずに、みーてーるーだーけー。
来シーズンの偵察、って、ねえ。
父よ。
観光は？
苗場の脇に、川があって
川原にたくさん春がのぞいていた。
つくしやよもぎが、ひょこりひょこと。
階段があって、川原に降りてみたら、
ふきのとうがほわりとはじけるように、たくさんさいていた。
もうシーズンが過ぎてしまったのかと思って
それでも探し回ったら、
まだ咲いていない食べられそうな花芽がいくつもあって、
みんなで摘みまわった。
それから、ふきのちいさな柔らかい緑の葉っぱも摘んだ。
明日のおかずになるんだから、真剣につんだ。
指の先が、あくで黒く染まって、
川の水で洗った。
冷たかったけど、完全にはにおいが落ちなくって、
鼻に近づけたら、
ほろ苦くって甘い
春の初めの匂いが届いた。
-
本日は「顔からつっこむ」という事象について
検討してみたいと思うのである。
まず、つっこむからには対象物が必要となる。
何につっこむか、これは相当に重要な問題だ。
「ベニヤ板につっこむ。」
これは痛いだろう。
「牛乳につっこむ。」
後のにおいのことを想像するだに痛ましい。
「麺つゆにつっこむ。」
これでは後でぜったいに塩を吹く。
「納豆につっこむ。」
問題外。
かねがね私は「私の前で納豆食べたら30分口利かないから」というのを
モットーにしていて、
それを生で聴いた人もいくらかいるかもしれないが、
もし納豆につっこんでくれる人がいたら、
一生口利かなくても済むように、むしろ積極的に抹消してさし上げる。
「ごはんのりにつっこむ。」
ここまで来ちゃうと少しときめく。『ごはんですよ』、推奨。
どうやら、
やわらかくってにおいがなくって、
そしてあまり色の濃くないものが好ましいように思われる。
でも、片栗粉なんてつっこんだら唐揚げになるしかないし
ここはせめて雪につっこむのなんていかがなものだろう。
激しくつっこんでも、いきなり氷嚢代わりになるではないか。
まったくもって、至れりつくせり。
さて、次に、顔からつっこむと一言でいっても
どこの部位からつっこむのかも大切な検討課題であろう。
口からつっこむ人なんてのは滅多にいない。
いるとしたら、鼻と口の高度が一緒のお人だけだ。
目からつっこむ人もいないだろう。
動物なんだから、とっさに一番大事なところは避けたがる。
あごからつっこむ。
これはどういう状態なんだか、いまいち想像がつかない。
なんだか垂直方向に刺さりそうな気はするが。なのでおいておく。
これはどうだろう。
頬のあたりからつっこむなんてのは。
それも、右の頬骨のあたりをがしゅっと勢いよく突入!!させるなんてのは。
フラットフェイスが多い動物達のなかで、
人間らしい頬のふくらみをさりげなく強調するなんて
なかなか知性溢れるありかたなのではないだろうか。
というわけで、理想は
春の雪に、
顔の、それも右頬から、
いきおいよくダイビング、
ということに相成り候。
ただし、一つだけ、注意。
あんまり勢いよくダイビングすると、
今日の天神平スキー場のわたくしのように、
ダイビング直後に3秒ほど意識を飛ばし、
自分の顔拓がついたかもしれないことも確認し忘れ、
そのうえ、右目の白目のうちの、右寄りの部分だけ
なにやら不気味に充血したまま
夜までそのまんま、
宿泊先の湯沢温泉で鏡を眺めて、
もしこれで明日の朝永久に目覚めなかったら
自宅のおのれの部屋の掃除どうなるんだろう、
と悩む、
いうことになりかねないので。
-
たかはらと一緒に、
とろろでお昼の腹ごしらえをしてから、
高田馬場近辺に
児童公園を求めて、徘徊した。
結局どうにか
私が以前探検した公園と同じところに行き着いて、
そばの小さなケーキ屋さんで
ちいさなチーズケーキをかって、
バネ仕掛けのゆらゆらお馬に乗って、
お三時をのったり旅したのだった。
なぜか小谷美加子さんの旦那さんについて
大盛り上がりを見せながら。
よみきかせ活動後、新歓コンパがあった。
新人さんが24人だかなんだか、とにかくたくさん来てくれて
自分たちの今までの新歓活動の成果が表れてるんだから、
嬉しい顔しててんてこまいだった。
帰り、終電に揺られていると、
外側の自分と内側の自分の間に2センチくらいの空気の層があった。
内側の自分が背中を丸めて、
今日詰め込んだ情報が多すぎて、全部吐き出してしまいたがっているようで、
もしかして疲れていて、
もしかして少し寂しいのかもしれなかった。
-
文芸パートで
即興でお話作りをした。
今日みたいに、自分のすきなおはなしを書けたときって、
机の上に突っ伏して、
もうなにもしないで、
とろーんと溶けてしまいたくなる。
-
夢に、
橋脚のねもとで、
四葉のクローバーが一株群生していて、
懐かしい気分になって、
摘み取らないままに、
夢から帰ってきたのでした。
大学からの帰り道、
今川焼きをかって、
電車に揺られました。
1個80円の温かさが3つ、
背中のリュックから、
はみ出してきたのでした。
-
夜、chocoさま主催の電車ツアーがあった。
何をするのかって、
要は、大槻ケンヂの新しい（？）バンドの電車というやつが、
「電車トーマソ」という、
名前からしていっちゃい気味なインディーズアルバムを出したので、
それを渋谷タワレコで一斉に買いましょう、という徒党である。
みんなで買えば怖くない。
とおもったんだが、
3人で手に手に電車トーマソ持ってたほうが、
異様だったとも。ああ。
で、それから、
「恋文食堂」という面白い名前と形態をしたお店に行った。
なにせお店の入口が巨大な赤い円柱ポストの形をしていて、
我々はポストの腹かっさばいた形の入口から、
店へとざんざん階段を下りていくのだ。
店のなかでは切手やら葉書やらが売っていて、
ポストも置いてあって、
ポストの形の貯金箱まで用意周到売っていた。
この勘違いっぷりはこりゃあもしや、と思って、身構えていたが、
そんなすっとんきょーなメニューな幸か不幸か見当たらず、
安くて普通に美味しかった。
それだけは、ちょっとだけ残念だったかな。
じつは、電車と一緒に、
たまたま試聴して気に入ったCOALTAR OF THE DEEPERSというバンドのCD、
買ってしまった。
スーパーカー寄りのサウンドで、スーパーカーよりもギターが激しい。
よいじゃないすか。
と思って、家に帰ってネットを調べてみたら、
…ボーカル＆ギターさんの名前、ナラサキさん？
……ちなみにオーケンの「特撮」のギターもナラサキさんっつーんすけど。
調べましたとも。
………おんなじ人でした。
あ゛ー
-
なぜかカラオケで夜明けをむかえる。
セガのカラオケにあった筋肉少女帯、
「リルカの葬送」だけが歌えなかった。
無念。
-
私の生誕祭ミサということで
夜、友人どもと食事に行った。
「えん」という和風創作料理とお酒のお店で、
チェーン店なんだけれども、
ここがまたなにを頼んでも美味いんだ!
とりあえず、魚のかぶと焼きを文字通りむさぼりくらった。
我々のジャッカル的箸は
こんがり焼かれた両こぶし大くらいのかぶとをみるや欣喜雀躍、
もはやヤツに逃げる道なし。お前はすでにしんでいる。
みるみるまに身は毟られ、
目玉は掘られ、
頭は解体され、
骨の髄まで無心でこりこりかじる音、
やがて、
貝塚もびっくりの遺骨の小山に。
お皿に敷かれた笹の葉の上に、かさかさと白いあだし野。
お見事だった。
内心合掌。
その他、
むちむち生麩を真っ二つの刑に処し、
イカゲソを噛みしだき、
アボカド鮭地鶏酒しいたけししとうさしみ酒とびっこレタスラディッシュ酒酒ぜんざい茶。
欲望のおもむくまま。
で、
これから100円頭脳パン生活がまってるんだけどね。
-
大掃除をしようと思ったんだけど、
で、実際取り掛かったんだけど、
ちっとも片付かない。
片付かなくなるまでほっとくなよ、といつも思うんだけど、
片付かなくなるまで普通に生活できるんだもん。
というわけで、
今、普通に生活できてません。
今日は、床と向かい合ってたために、
机の上に紙やら本やらカバンやら風呂敷やらが
浅間山のような具合で地層を形成しており、
そのてっぺんに、にょきっとコンピュータのディスプレイが生えている次第。
ちょっと崩すのもったいないくらい。
でいだらぼっちだって時には職場放棄するんです。
というわけで、いきなり外に出て、
念願のCDラックとMDラックを
無印良品で注文。
きっとラックさえ届けば、
私の部屋は片付くんだってば。
-
「今朝 僕は体を傷つけた まだ 感情なら残っていた
私の心は残酷です 汚れた血の残骸」
ART-SCHOOLを歌いながら、自転車をこいだ。
帰り道、元気いっぱいで歌った。
向日葵の花束をもらったのなんて生まれて初めてで、
ほんとうに嬉しかったんだ。
カゴに向日葵を入れて、
風がとても冷たい夜で、
ひんやりとサドルが冷たくて、
顔を向けるような太陽も季節もなくて、
向日葵はほんのりと特別だった。
-
友人がカラメルが絶品なプリンを作ってきてくれて、
それは私への誕生日プレゼントで、
ひょっこり生まれちゃったのと引き換えに、
プリンが食べれるんだから、
いい世の中に生まれたもんである。
ちなみに私はプリンや茶碗蒸が好きでない時代が、
生まれてからたぶん8年くらいあって、
ほんとに好きになったのはたぶん中学生くらいで、
もったいない8年間を送ってしまったものだと悔やまれるが、
でもじんましんが出てしまっていたので仕方ないのである。
プリンや茶碗蒸と言えば蒸すのが大切なのであるが、
もうひとつ蒸すのが命と言えば、
世の中にはシュウマイというものがあって、
高校時代の調理実習、
そのシュウマイとやらに挑戦したのであったが、
出来上がってきたのは、
下は水分でむたむたになった里芋似の食感で、
上は噛み切れない分厚いビニールのようなおおよそ食べ物でない感触のする
不思議なパラレル世界の物質であった。
パラレル世界の物質というのであれば、
私が一番すさまじいと思ったのは、
小学校の給食で出た「バナひきカレー」というもので、
それはひき肉とバナナのつぶしたものだけが、
カレールーのなかで浮遊しつづけ沈殿していかないという
魔女の煮立てる鍋だってこうはならないだろうと確信できる代物で、
おそらく一生お目にかかりたくなかったおぞましい液状悪臭だったのに、
そんなものに10歳の身空で直面せざるを得なかった私は、
いまだに時々フラッシュバックで「ば、バナひきカレー」と呟いて、
うつむいておろおろと暗い瞳になるのであった。
-
雨がしとしと視界を湿らせた。
すこしだけ寒かった。
沈丁花がいつのまにかすっかり散っていた。
ツツジの花、
根元の蜜を吸う季節。
ここまで書いたところで、
使った折り畳み傘、
そのまんまでカバンの中につっこんでることに気付いた。
今気付かなかったら、
きっと500円で買ったそのお気に入りの傘は、
500円の義務であるかのように錆び付いて、
金具の部分から漏れ出した茶色の重い汁が
薄水色の布に染み付いて、
とれない染みを指で擦りながら、
結局諦めるんだろう。
失敗してしまったカラーコピーを眺める仕草で。
一枚50円の悲しみ。
10倍したら、また新しい傘が買えてしまう程度の悲しみ。
50円硬貨にぽっかり開いた穴の向こうを覗き込むまえに
干すぞ。容赦なく。
-
本日、バイト初めだった。
へろりと家に帰ってきたら、
母が煮込みハンバーグを作って待っててくれた。
私の好物だからって。
大好き、ママ。
父が白くって綺麗なケーキを1ホール買ってきた。
大きなロウソクが二本。小さなロウソクが一本。
おまけにケーキの上にはチョコレートの花型プレートがあって、
プレートの上にはなんとピンクの文字で
「Happy Birthday ●●●（←私の名前）」
あのね。うん。まぁ。
…大好き、パパ。
今日から21年目の生活に入った。
不思議だと思った。
だって私が生まれたときに生きていた動物達は
いまはほとんどいなくって、
少しの動物と、大きく育つ植物と、それからたくさんの人間。
それだけが、私と同じだけの、もしくはそれ以上の時間を過ごしてきたんだ。
きっと21歳なんて、たいていの動物にとっては途方もない長寿で、
なのに私はこれからこれから、なんていつも言ってる。
ラムという犬がいた。
親戚の家の犬だった。
ラムは小さな子供が嫌いだった。
5〜6歳のとき、ラムは私を噛んだ。
力いっぱい右腕を噛んだ。
歯型がくっきりと残って、
血がだらだら流れて、
それでも次第に傷は消えていったが、
一番深く食い込んだ犬歯の部分だけは、
小指の頭ほどの大きさの楕円形の痕になった。
ラムは数年前に死んだ。
でもあの意地の悪いもしゃもしゃ犬は、
私の腕の傷跡を残したままにした。
痕を見ると、ラムが唸る声がする。
あの往生際の悪い犬は、
そういうふうに私の腕に住み着いてしまった。
私はラムの傷をつけた右腕に悪態をつきながら、
来年も再来年も、そのつぎもやっぱり
これからこれからなんて言い続ける。
そういう自分の右腕が、じつはちょっとだけ、いとおしい。
-
探検ぼくの町の日にしようと決めた。
駅と大学の間の住宅街をずんずん歩いた。
細い方へ細い方へと選んで行った。
人が二人すれ違えないくらいの
ブロック塀の猫道があった。
舗装されてないちいさな道もあって、
その道をおずおずと覗き込むよにして、
梅の若葉が赤くなって丸まっていた。
道の入口にバイクが置いてあって、
奥のほうから郵便配達のおじさんが
小走りでやってくる。
すれちがう。
ちいさな児童公園を2つ見た。
児童公園の角、
ぽつんと小さなケーキ屋があった。
間口1メートルくらいの遠慮深げなショーウインドウの中に、
ちいさなベージュ色の焼き菓子が
ふわふわとうずくまっていた。
今度来る時のために、
待っていてもらうことにした。
-
久しぶりに大学図書館に行った。
日本の北のさきっぽがどこなのか知りたかったので。
サイホクタン、なんて喉を鳴らして力強く発音すると
どんなモンゴル料理なのかと思われるかもしれないので。
奮発して大判の日本地図を広げた。
日本の北のさきっぽは
宗谷岬という文字に包装されて、
海にぴょろりと身を乗り出していた。
みさきだった。
宗谷だった。
そりゃそうだった。
眺める。
宗谷岬って、
まるで人の頭の頂上から
いきおいあまって飛び出したアホ毛みたいだ。
北海道が頭だとして、本州が首から下の部分。
おお日本ってば、
ぐでーんと横になって、
半分だけ体をよっこらしょと持ち上げている人の姿そっくりではないかね。
お父さんの正しい休日テレビスタイルそのものだよ。
折り曲げた腕で頭を支えて、
腕が痺れてもテレビ見てる。
今日はじめて、
北海道が日本で本当によかったと思った。
しみじみよかった。
もしヤツがいなかったら、まるで日本は首ちょんぱ。
だって青森の下北半島のあたり、
首引きちぎられた首なし屍の側面図みたい。
思わず度忘れシリーズの沖ノ鳥島と与那国島も
すかさず目撃し終えて、
そこで私はすっかりご満悦になった。
むずがゆいところを掻き終えて、
鼻をふくふくさせているウサギに似て。
しあわせしやわせ。
日本の北のさきっぽをまくらにして
お昼寝しばし。
-
こんな↑無茶な題名
私のセンスではないということを
前置きさせてくれないと哀しくなるぞ。
ライブイベントの名前です。
あしからず。
3時から日比谷野外音楽堂にてイベントがあった。
出演順に
アナム＆マキ：
「戦え！野良犬」の迫力がよかった。聴きなれているせいもあるだろうけど。
上手いのは知っていたけど、高音パートの女の子の声がかなり響いて、
生音だと聴くのが少し耳に痛め。
HARCO：
裸足でがんがんシンセ踏みつけてた。
声質、よいとおもうな。
YOGURT-pooh：
本日のお目当てその１。
ナンバーガール向井君デザインのしょぼーいTシャツ着て、
曲の決め所でぺきぺきと見得を切る動作が、
馬鹿っぽくって楽しそうでステキ。
ボーカルのメガネ最高。
キセル：
本日のお目当てその２。
あいかわらず、ライブ中にくつろいじゃって
船を漕ぎ出してしまいそうになるようなのどかさが傑出している。
MCまでほのぼのしていて可笑しい。
そういえば、ゴンチチテイストかも??
キセルの出番の時に、彼らと仲のよいYOGURT-pooh3人が
客席近くでビール呑みながらしみじみ眺めてて、
やっぱりボーカルのメガネ最高。
大久保海太：
赤い靴はいてた男の子。
After me：
モーニング娘がすきみたいです。
BIKKE&UNDER CURRENT：
BIKKEはもう東京NO.1ソウルセットはやらないんだろうか。
ソウルセットの方が、凡人には分かりやすくて好きだったんだけど。
GO!GO!7188：
昨年5月のイベントで、
同じ会場にてちゃっちゃと前座をつとめていた彼女達が嘘のよう。
人気が出て、
それもなんだかアニソン好きそうな濃い兄さんたちに結構愛されてて…
In The Soup：
とにかく、キャラが立ってました。一挙一動がひたすら面白かった。
まじめにファーストアルバム聴いてみようかという気になった。
あ、彼らのおかげで初めて生でドラムロールを聴いたよ。
ラインナップの見た目からして、
あからさまに爽やか系イベント。
それも、そんな爽やかに誘発されたように空も晴れ渡り、
日があるうちは日焼け止めを塗りたくりながら、
日が落ちてからはとたんに寒さと戦いつつ、
8時半まで約5時間半の間、あっという間に楽しんだ。
日比谷の野音はいいね。
昼間から始まると、ちょうど夕暮れが降りてきて、烏鳴いて、
それに外の屋台のソースのにおいなんかも混じっちゃったりして、
なのに舞台じゃ、ラブソングなんて歌っちゃったりして。
でも、ブッキング的に
あまり今回暴れなかったのも確かで、
帰りの道、元気の有り余った私は有楽町の町で、
In The Soupを、口ずさむどころでなく脈絡なくごきげんで歌い、
ぴょんぴょん跳ねて歩こうとし、
同行していた友人に
小走りで走り去られるという定番をされてしまったのであった。
昼間太陽が眩しかったせい。
ああそうだとも。
-
大学への行きの電車の中から、
約53台のバイクを見た。
「なーに数えてんだよ」っていうつっこみがあったら
致命的に落ち込むこと確実。いっそのこと、って切実な瞳で聞かなかったことにする予感大。
「ふうーんすごいね」って素直に感心してもらっても、
やっぱりなんだか自由落下で落ち込むような気がする。
無駄にデリケートなお年頃なのである。
事の起りは
10メートル足らずの細い道に、
バイクが次々に並んでいたことだった。
それも民家のブロック塀やら線路の白い柵やらに、
協調性なく
てんでにもたれかかるように
１台二台参台�限罩ヂ罅�
無駄にデリケートな目が5台のバイクを次々に追って、
そのたびにかちゃかちゃと
無駄にデリケートな頭のカウンタが回る回る。
ゲリラで生まれたそんなカウンタをはずす方法を探す前に、
次の路地で間髪いれずに１台、
むこうのガレージに、あ、また1台。
あれあれあれとカウンタは動きつづけ。
最初はどうしていいのかおろおろ目を泳がせていたが、
泳がせていたって、
どこにいってもバイクはあるもんだ。
いつもは見もしないのに、
なんでこんなにバイクだらけなんだ。
なんでこうもお揃いで家の外に立てかけられてるんだやつらは。
重い頭を物憂げに傾がせて、鈍い銀色に光ってみちゃったりして、
格好つけたつもりでも、
お前、そこは単なる路地だ。隣にあるのはアロエの鉢だ。線路際にはなぜか、白い大根の花らしきものまで咲いているんだ。誰がこんなとこに大根植えたんだ。
どんなに格好つけたつもりでいても、
ほっときゃぁ子供に十円傷をつけられるんだ。
異物じみてぽこぽこと、バイクは懲りずに私の視界を飛ぶ。
私はバイクを摘み取って束ねて、
それを推定53回繰り返した。
約30分で53台。
それはいったいすごいことのか何なのか基準がよくわからないが、
そのまま計算すると、
1時間で106台。
一日24時間で2544台。
それはいったいすごいことなのか何なのかやっぱりよくわからない。
ちなみにたれぱんだは
１時間に2.75メートル。
だいたい１分に4.583センチ。
私の人差し指の第二関節までの距離。
だいたい１分に4.583センチしか動かないパンダ。
だいたい１日に2544台しかバイクを見ない女。
-
１限目、
６階の教室から外を眺めていた。
数階低い隣の校舎のてっぺんには
風見鶏がすんでいて、
緑色に見えるのはどうも錆びついているせいらしい。
そういえば、
あいつが働いているのを見たことがない。
６階の教室から、
見えない石っころを投げてやる。
石はゆるりと飛んでいって、
風見鶏は、かつん、と小さく鳴くだろう。
風を捕まえることを
忘れたんじゃないよ。
動かない空のきれっぱしが
尾羽にひっかかってるんだ。
-
バイト、受かったってお知らせがきましたよ？
小さな出版社での編集の補助のお仕事。
ごきげんさんです今日の私。
ごきげんの湯気だけで、ご飯が２杯は食べられます。
家に八重桜がきました。
父が折れた一枝を持ち帰ってきました。
コップにさして、玄関が春です。
緑色がかった花びらをしていて、
涼やかな春です。
-
健康診断に行った。
2年前から0．5センチも!!身長がのびてた。感動した。
身長の書き込まれた健康診断カード、何度も眺めて
幼稚園のころ習ったあすなろの木の歌を思い出してた。
あすなろあすなろあすはなろう。
大きなひのきにあすはなろう。
ビバ156cm代。サヨナラ155cm代。
その上、
昔から高血圧の呪われた血統をもつ私の体、
しかし今回は血圧もなぜか正常値気味で
再検査にならなかった。
とたんに自分の体が可愛くなった。いい子いい子。
もうすぐ満２１年でも、
少しガタが来てるみたいな気がしても、
まだまだよろしく頼むんだから。
昨日あんなに並んだ２次登録、
なぜか今日も受け付けていて、
なぜか私が昨日取ろうと思っていた授業、
今日になっても余裕定員がしぶとく残っていて、
あっさり取れてしまったのだった。
…喜ぼうね。
身長も伸びていたことだしね。
バイトの面接で大塚駅に行ったら、
夕暮れの町、
都電が走っているのが見えた。
なごんだ。
まるっこい体が急ぐ風もなく
マイペースで生活のにおい乗せて揺れていく。
色がちっとも美しくなくて、
子どものころの、スケッチブックのクレヨン画を思い出す。
べたべたと塗りたくって、でもわくわくの詰まった色。
都電って好きだ。
-
2次登録、行ったらすごいことになってた。
私が集合を指定されていたのは午後2時。
ところが、2時の段階で
私の600番前の人たちがまだ登録すんでないでやんの。
地震の避難か、内戦のとばっちりをうけたか、
行き場のない人たちが溢れ返り、
座るベンチもいっぱいで、
みんなところ構わず座り込んでいる。
ここはどこ？
すくなくとも大学ではないよね??
しかたなく、私と友人達も
中庭だったはずのところに座り込んで、
ときどき松屋の牛丼やらロイヤルチョコナッツパイやらを
炊き出しじみて頬張りながら
受難と苦渋を眉間のあたりにハードボイルド風に漂わせ、
耐え忍ぶのみであった。
これでTVカメラが入っていたら、
確実に避難民にしか見えなかっただろう。
そうしてきっと私たちは
レンズに向かってピースサインをして馬鹿みたいに笑いながら、
自分たちの不幸を
黄色いペンキみたいにぶちまけてみせるのだ。
結局私は
2時間半途方に暮れつづけ、
バイトの時間に間に合わなくなりそうだったから、
あまりの怒りに捨て台詞を吐こうとしたが、
あまりの事態に言葉もなく、
鬱々と黙り込んで帰ったのであった。
ことばをはなさないにんげんは
しっぽをわすれたまぬけなさるだ。
わたしのことばをかえして。
-
科目登録の結果が出た。
抽選落ちしたのは１授業のみ。
このままだと大学の自学部に勉強しに行くのは、
週に2日のみになる。
なにせ一日5コマ入れている。
大学3年にしてこの堕落っぷり。
さすがにまずいかと急に危機感を覚え、
もう一日、勉強しに行く日を作ることにした。
明日の科目２次登録、
フル単位で入れてしまおう。
そうしたら4年生になったら、
必修授業1コマと、卒論だけで済んでしまえる。
･･･それもどうなのかと思わんでもないが。
きっと６月くらいに後悔するんだろうな。
頑張れるつもりでいる勘違いの自分。
これで新しくバイトを探してきたら、
免許を取りに行く時間が全くないなぁ。
我が家は車がないとどうにも生きていけないような
郊外型生活を送っているので、
いつかはとるのが私の義務なのだけど。
ところで明日の２次登録は、
整理番号の若い人から授業を登録できる早い者勝ち方式。
ところで今日私が抽選で引いたその整理番号、
1400番代最後。
4桁の数字を見たときには、泣けてきた。
私の前に1500人近くも登録するわけだ。
1500人って、
私の通った中高一貫校の全校生徒を合わせた数よりも、容赦なく多いのであった。
1200人で一斉にリコーダーを吹き続けた
中高6年間の外朝礼の悪夢のような光景をはずみで思い出し、
全員が高校三年生だろうが受験生だろうが
ソプラノリコーダーのピロピロした呪縛、
ならびに
早朝のリコーダーテストから逃れられなかった哀れな過去が蘇り、
1500人が一斉にリコーダーを吹く光景、および鼓膜をつんざくような音まで、
おまけで想像してしまい、
････萎えていたら、
なんと私の友人は2100番代を引いていた。
2100人のリコーダーアンサンブル。
プラスティックのソプラノリコーダーって、
コンクリートに投げつけたら、
すぐにぱっくり割れてしまうんだよね。
一緒にやっちまおうか、友人よ。
-
突如として胃がストライキに入った。
ぼく働いてやんないもんねケケッ式に
加工食品受付窓口を閉ざしておる。
これくらい処理してよ、と言ってみても、
突き返してくるだけ。
それでいて、だんまりを決め込むのみで、
いったい何を要求しているのか一向に分からない。
ストライキのセオリーを知らない失礼な奴だ。
頭のわるいやつはきらい。
人から嫌われるのはつらいでしょ？
とたんにほら、しくしくしてきた。
素直ね、君は。
だったらとっとと営業開始しなさい。
-
急に花見ランチをしようということになり、
サークルの出店を一時たたんで、
大学裏の公園に行った。
レジャーシートもって。
レジャーシートじゃたぶんみんなは座れなさそうだったから、
部室にあった黒と黄色の模造紙も持って。
それぞれ適当にお弁当を買って、
てきとうな桜の木を定めた。
いい天気だった。
あたたかくって、溶けていきそうな気分。
シートの上に蟻がのぼってきて、
桜の花びらが髪の毛についてる人がいて、
どうしてこんなに幸せな気分になれちゃってるんだろう、と思った。
ほんとはソメイヨシノはすきじゃない。
散っていく姿がすきじゃない。
咲くだけ咲いて、実を結ぶのを忘れたままの木もあって、
なんのために咲いているのか分からないような気がして、
人の勝手で作られた姿はいやだと思う。
しべに何も残さないで、
無駄に桜茶色になっていく木はちっとも綺麗じゃない。
そして、花が散ってしまえば、単なる木。毛虫がついて嫌がられる。
それでも咲くんだ馬鹿な桜。
その桜の下には死体も孤独もなんにもなくて、
もっと馬鹿な浮かれポンチの女がいるばかり。
桜の幸せ横取りして、
幸せな顔でのうのうとサンドイッチを食べたのでした。
-
ART-SCHOOLのセカンドアルバム「MEAN STREET」の発売日で、
地元のHMVに行った。
なぜか試聴ついでにiehaというバンドの
「the neglected ghost tree」というアルバムまで買ってしまい、
それから洋服を3枚ばかり買ってしまい、
1万円以上入っていた財布は嬉しくない軽さになった。
久しぶりに財布の有り金が1000円、という高校時代に戻った状態で、
大学へ行った。
1000円で出歩くというのは、なかなかスリリングだった。
高校時代までは、1000円持っていれば十分だったのに。
ときどき一文ナシで通学していたことだってあったのに。
ずいぶんと金銭感覚がぶよぶよになってしまったものだ。
これからはあまりお金を持ち歩かないようにしようかと思う。
あれば使ってしまうから。
特にCD店に行く時、だ。
･･･でもどうしても欲しいCDがあったときにお金がないことほど、
じれったいことはない。
堪え性までぶよぶよに肥大してしまっている大学生のおのれに気付く瞬間。
ART-SCHOOL、よかった。
聴く前のHMVの音楽評に「難解な絵本を手にしている気分」というようなことが書かれていて、
あまり誉められていないようでちょっとどきどきしたのだが。
ボーカルの揺らぎと、ベースの深い生命感と、ギターの切ない尖り方が、
わたしはとても好きだ。
生きていく呼吸の色が、おんがくになっている感じがする。
強くて、脆くて、もどかしくて、たしかにそこに存在していかねばならない。
青臭くて、ちっともかっこよくない。
そこがいいと思う。
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広辞苑。
『鮨』第一義。
「罪人の首などを曝しものにするために塩や酢につけたもの」
････こわすぎます、広辞苑。
新勧おつかれ中休み、ということで、
夕ご飯に回転寿司に行った。
私はコーヒーカップ以外の回転物が好きだ。
まわれまわれ、どんどんまわれ。
三半規管が弱いので、
それはどのくらい弱いかと言うと、
初期のマリオブラザーズの画面を目で追っていて
酔った経験を持つ程度には弱いので、
あまりせこせこ回られると気分を害するのだが。
お寿司が回転するなんて、落ち着いて食べられないじゃないか、
と言う人がいるけど、
回転寿司は、ありゃ半ばお寿司じゃないんだからいいんだ。
最初に寿司を回そうと思った人は、ほんとにすごいと思う。
T型フォードのアッセンブリーラインみたいに
ベルトに載せて、それも食べ物をのせて、
あまつさえずうずうしくお客に喰え、といってしまえるのは
あまつさえなぜか寿司だけじゃなくて、
プリンやらジュースやらまで流れてくる勘違いっぷりは、
20世紀精神の集大成というやつで、
近代化は楽しいね。
9人でカウンタ一列に並んで、
みんなでバベルの塔を築いた。
なにせ一皿99円均一だったので、
遠慮という言葉は置いてきた。
夕飯時だというのに、池袋のそのお店は空いていて、
今の時代、回転寿司は大変なのかもしれなかった。
そういえば、最初に行こうとしていた神保町のお店はつぶれていて、
次に行こうとした池袋のお店も、今日来てみたらどこにもなくて、
しばし悲しみの池袋の街角、だったのだ。
20世紀式回転寿司はすでに廃れつつあるのかもしれない。
これからは未来世紀の時代なのだ。
ドラえもんがあのどこが指なのか分からない手で、カウンタ内で握っていたり、
頼んだ味噌汁その場でレーザー光線で温めてくれたり、
皿が無重力状態で宙に浮いて回り、ついでに寿司まで皿から離れて回ってたり、
メタリック未来色にシャリを染めてみたり、
それくらいしないときっと生き残っていけないんだ。
そんな回転寿司は嫌だ。
まわるまわる旧時代の皿たちの中、
ウニの軍艦巻きが一かんだけ、回ってきた。
二かんセットで楽しそうな仲間のなかで、
やつだけ、一かん。
やつの相方はどこへ逃げたか、
やもめのやつの孤独は、
いつまでも回りつづけていた。
海苔がしっとりしてきても。
うにがどことなく干上がってきても。
いいね。
20世紀ばんざい。
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高木ブーを殺す夢を見た。
たぶん、絞め殺した。
そんな凄まじい夢なのに、
おきた時には覚えてなかった。
大学近くに、ブーさん経営という噂のカジュアルファッションショップがあって、
その前を通った時、
とつぜん手の感触が蘇ったのだ。
脂肪をむぎゅうと押しつぶした感触。突如、生々しく生き返った。
本当に現実にあったみたいに手だけははっきり記憶していて、
どぎまぎしながら店の前を足早に通り過ぎた。
心臓がばくばく怯えていた。
いやーな汗が出た。
ねぇ、ブーさんが行方不明だなんて話、
聞かないよねぇ？
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新勧活動に復帰した。
今日は大学の科目登録の日で、
いろんな人と会った。
人と話して、笑って、
見る見るうちに乾いた自分が元気を吸い込んでくのがわかった。
まわりにあの人たちがいてくれてよかった。
久しぶりに、頭脳パンを食べる。
やっと新学期が始まった気分になる。
やっぱ、学校にきたら、これでしょう。
高校時代は馬鹿にしていた癖して、
金欠の大学生にはありがたーい食べ物だ。
衰えた記憶力の足しになるような気がしてくるし。
合格おみくじついてくるし。
微妙にもそもそしてるし。
頭脳粉使用って誇らしげな呼び文句にちっとも説得力ないし。
そもそも植物性パン粉＝頭脳粉って、小麦はみんな植物だし。
動物性の小麦ってあったら見てみたいし。
でも小麦がわしわしぬらぬら食虫なんかしてるのは、あまり嬉しくないだろうし。
･･･そんなステキな頭脳パンに、縋らなけりゃならなくなった私の頭。
でもまだ蟹パンには手を出してないの。
キトサンにゃぁ頼っておらぬ。
動物性、不可。
だからまだきっと救われるよ。
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つらいことというヤツは、
どうやら仲間好きらしかった。
連鎖を連れてくる。たのんでいないのに。
さみしいんだね。
それはわからないでもないから、
追い出そうとしても失敗しそうだ。
今日は、物理的にも精神的にも、
かなしいことがあって、
どうやって前をむこうか、
少しだけ考えあぐねた。
結局、寝てることにした。
なんにもかんがえない。
ふとん、あったかい。
それで充分だ。
病院のくすりはいじめっこで、
胃が黙って小さく丸まっている。
なかよくいきていこうよ。
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かちかちと火打石を細かく打ち付ける音で目が覚めた。
早朝5時。
どこのどなたの縄文人が、こんな朝にわざわざ人んちの前で石打ち掻いてやがる、
と殺気をおぼえたが、
それは自分の奥歯がかみ合わなくて起っている音だった。
すさまじい勢いでシベリア程度に寒い。
ぜったい外に雪が積もったな、と思いながらベットを降り、
暖房の電源を入れようとしたが、どうも上手く歩けない。
全身がオンボロ機械のように小刻みに揺れている。頼りなげにふるふるいってるなら共感のしようもあるだろうが、なんだか自信とやけっぱちを振り混ぜたような、ふてぶてしい揺れがくる。止めるスイッチが見つからない。
舌を噛みきりそうになって、きゅうに腹立たしくなった。
なんかおかしいよ。なんなんだよ。
少し寝て起きだしたら、そこはハワイになっていた。
ふるえはシベリアに置いてきた。
代わりに、椰子の葉みたいにふあふあと宙からたれさがっているみたいだ。
熱を測る。
38.3度。
エイプリルフール？
四月馬鹿。
悪趣味な冗談。
冗談にしては、笑えない。
笑えない冗談なんか、玉川上水で入水してしまえ。
流れて東京湾で海苔でも育ててなさい。
わたしにかまわないで。
おねがいだから。
今日、ウチの大学では入学式がある。
それにあわせて、サークルでは新入生勧誘活動を開始する。
人手が欲しくてたまらない時期なのだ。
体は動いた。頭も痛くなかった。ただ血がちょっと煮詰まり気味なだけだった。
わたしは馬鹿馬鹿しいことが大好きだけれど、
今はちょっと、出来そこないの冗談に付き合ってる暇はない。
新勧、行った。
学内は凄い人の群れで、
大学生が日頃どれだけ学校に出てこないかを立証していた。
普通に働こうと思ったけれど、ビラ配りは少し遠慮して、
部室を片付けて、それからこもって番をした。
涙腺が壊れかけて、やばい目をしているのだけはどうしようもなく、
結局みんなに心配をかけてしまった。
それでも自分が大丈夫かどうかなんて、自分にしか分からないんだから、
最低限みんなに迷惑をかけないように、
持参した体温計が38．7度になったいい湯加減のところで、
帰った。
3時。
みんな、それからも一生懸命働いていたらしい。
タイミングが悪いのかよすぎるのか、四月馬鹿の自分、
ときどきあきれて見捨てたくなる。
馬鹿馬鹿しさにも限界ってものがあるだろう？
役に立たなくてごめんなさい。
でも夜になっても熱が一向にさがらないので、明日は病院へ。
成敗してくれる。
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