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終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2003年01月31日(金)

男の背中(汗)

1:
仕事場で仕事をしている。
上司S氏が、背後で受話器を取った。
ピッポッパと電話をする模様である。

一見してどこで仕事してるのか不明なんだが、
一度動けばデカイ人なので、
こちらはこちらで聞き耳立てる。

と、電話がつながった模様。


2:
「おう、おまえか」

「どうだ、そっちの様子」

「うん。…うん。しょうがねえな」

「ちょっと出してみろ」

(…間…)

「パパでちゅよー」

(以下、「何か言ってごらん」「アーでちゅかー」と延々続く)


3:
ちなみにS氏の愛息Kくんは生後二カ月。
愛は果てしない模様。
私としてはどんなリアクション取ればいいのだろうか。


似たような体験をして凍った経験のある方、連絡求ム。(嘘)


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- 2003年01月28日(火)

むかし・ひとの・しんだ・ばしょ。


お釈迦様の訓話にある。(うろおぼえ)

『ある女が来て死んだ息子を生き返して欲しいと言った。
 お釈迦様はこれまで人の死んだことのない家から種火をもらい、
 それで飯を炊けと言った。
 女は喜んで種火をもらいに行ったが、
 これまで人の死んだことのない家はどこにもなかった。
 女が戻ってきたとき、お釈迦様が言った。
 生死は人の常である、行っておまえの息子を弔うがいい』

かくのごとく人は生き、人は死に。
大地はまるで墓場だ。


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- 2003年01月25日(土)

きわめて私的でしかも詩的でない一連のくさぐさ。

1:はだみはなさず。
携帯電話→寝る前に充電。もしかしたらのために充電器一つカバンの中に。
     首から下げて外さないこと。(忘れるモト)
デジカメ→寝る前に充電。必ずSDカードは装着のこと。
ペンとメモ&名刺→常時ズボンのポケットの中に。
(あとは…録音機買うか?)


2:カバンの中身。
パソコン→PCカードとエッジを装着の上。コード二種も。(ケース買うか?)
ノートとペン→とりあえずペンを探さなくていいようにな…。
ファイル→資料(日付で分類)と必携二種。


3:朝の習慣。
フロ→入れ。
顔→洗え。
電話→しろ。
メシ→食え。
新聞→読め。(涙)
(とりあえず目覚まし時計の大型化をしよう)


4:普段の習慣。
お世話になった人にはお礼の電話と●●を。
服はスーツ…いや、せめてジャケットを。
マメに、整理整頓を、落ちついて。(幼稚園の頃から言われつけ)
電話はマメに、マメに。用事がなくてもマメに。
わからないことはわかるまで。(わかったような気になるな)
集中すること。気を散らさないこと。

――ふーひぃ。
要するに、考えて動け。
脳味噌は生きてるうちに。


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- 2003年01月24日(金)

底無し沼に踏み込んだようだ。
自殺者の喉の無数な赤い傷を思い出しては衝動をこらえている。

しなければならないことはわかっているのに、
それをする手立てだけがいつもわからない。
私の手は怯えて震え、できたこともできなくなっている。
しかも誰に語れることでもない。

つまり欠けたのだ。
いつの間にか。ここは魔界か。
私が道を見出そうとしなければ魔界となるだろう。
しかも誰も誰も助けることはできない。


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- 2003年01月21日(火)

外側<用語解説>

形ある一切のもの。刻まれた一切のこと。
“手”の書いたこと。

『“手”は記す、記しては先へと進む。
 汝の全ての涙もその一文字をも消し得ず』

黒板を想像してほしい。
木枠がある。板がある。
板の上にはチョークで(あるいは釘で・血で・あらゆるもので)
文字を(あるいは絵を・図面を・無意味な模様を・あらゆるものを)
書くことができる。

今この黒板を、絶えず新たな目を持って眺めてほしい。
そこにあるものが<外側>だ。
木枠や板はあるいは変わりないように見えるかもしれない。
書かれている図面は一瞬一瞬違うかもしれない。
だが<今・そこ>にあるものが<外側>だ。

書くことはできる。消すこともできる。
木枠を傷つけることも板を傷つけることも、変造することさえできる。
(それにはむろん、板に絵を描くよりは才覚と労力が必要だが)
だが一度でもそこに存在したという<事実>は消せない。

ある・あった――それが<外側>。

一切合切は全てそれに突き当たらずに生きていくことはできない。
第一、一切合財がそもそもそこに<ある・あった>以上、
一切合財こそが<外側>だからだ。

一切合財が書くものであり変造するものであり、また同時に――
黒板であり書かれた文字であり絵だからだ。

(あ。裏返った)


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- 2003年01月17日(金)

BEYOND。

生きることも死ぬことも、うまくはできない。
問いはいつも手探りだ。
私はこの手で触れ掴みためつがめすしたものだけを信じる。

だから時間がかかる。

もしかしたら遅すぎるのだろうか。
だが今は今。今日は今日。
この一歩は一歩。歩くことはできる。生きることは。


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- 2003年01月16日(木)

魔界。<用語解説>

定義A:外側に出てしまった内側。

例えば殺人者(幸か不幸かけっこう知ってる)は、
本来内側のものであるはずの「情念」「想念」「絶望」などを生きている。
内側に閉じこめておくべきものが外側となって彼らを閉じ込めている。
彼らは被害者を見て顔を上げたとき、周囲に魔界を見出す。
出口はない。殺人は取り返しようがない。


定義B:外側に顕現しつつある内側。

理想主義者や芸術家は、内側にあるものを外側に産み落とす。
政治家は自分の中の「あるべき」を外部に広げようとする。
芸術家は自分の中にある「まだない」ものをこの世に作る。
彼らは内側を外側に築く。彼らは出入りする。
彼らにとって魔界は生命の源泉だ。


定義C:内側を生きる外側。

思索者は内側を生きる。
内なる小道を辿るときにだけ彼らは生きている。
外側は彼らに関わりない。それは幻だ。
彼らの言葉は深く豊かだが、外側には響かない。
彼らは外側から内側にはたまさか物を持ち込むし、
他人の内側にも耳を傾けるが、しかし外側などないと思いこんでいる。
それゆえ彼らは出られない。






……人間は多かれ少なかれ魔界を背負って生きる。
どのように生きるかが問題なだけだ。


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- 2003年01月14日(火)

一日一日、生き延びていくしかない。
どのたった一つの間違いも、致命的になりうる。
あとたった一歩の後退で、私は死ぬ。
だから、たった一歩も退かない覚悟で行く。

ギリギリの線で私を信頼してくれている人がいる。
最後の一度の機会をくれたひとがいる。
そして私にはやりたいことがある。

一日一日、生き延びて行くしかない。


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- 2003年01月13日(月)

頭を丸めた。

……ウソ。

スポーツ刈。
気合入れるぞオラァ!


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- 2003年01月12日(日)

吐き気がする。
癲癇病院に放り込まれるのは私のほうだ。
吐き気がする。私は腐っている。性根が腐っている。


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- 2003年01月10日(金)

…。


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- 2003年01月09日(木)

言葉の定義や物語。

1:
さて、あなたはもう私を見ないだろう。
だからここで話そう。

わたしとはこの皮膚の内側に棲むもの。
血と肉と骨とよりなり、生物と物質のあらゆる法に従う。
そのごとく、精神もまた多くの法に従っている。
(利己的な遺伝子や運命や生物と物質の限界や)
その大きな外側の枠を私は知り、それゆえ内側を更に良く知る。

外には希薄な空気。
そしてまた、そのどこかには私と類似した他者がある。
類似あるいは相同の枠に縛られた他者が。

だがここで呼びかけよう、注意を!

他者と私は大枠において類似している。
誰もが誰もに類似している。
だが実際、重要なのは類似ではなく相違だ。
無限に微細な相違でありながら、そのわずかな相違こそが私を私とする。
他者を他者とする。

そしてこの『わずかさ』は、超え得ぬ性質のものだ。
なぜなら数量として量ることはできても、
それを増したり減らしたりすることはできないから。
それは連続しないから。一つ一つが別種であり別個だから。

一つの形象をとったということは、偶然であれ不可逆。
また永遠である。なぜなら生起されたものはけして取り消されないから。
個は、その永遠なる偶然性は、誰もの上に刻印されている。
渡し得ぬは個とその周囲世界一切への橋。
他者一切への断絶をもって個は個として始めて生起する。

ねえ、あなた。

知ってください。
あなたはかけがえない。
ほかの誰もがかけがえないと同様。
あなたは孤独だ。
ほかの誰も孤独であると同様。
そうして橋はかけられぬが、『橋」をかけることはできる。


2:
『橋』とは斜めの次元に存在するもののいい。
他者との関係。
ああ、私はそれを見さえする。

百合がその花弁を新月刀の切っ先のごとく反らせながら花咲くようだ。

他者への思いとは、それ自体が輝く想念の花、翼。
ありうる唯一奇跡の形。
その形にだけ、ひとは自らと世界との関係性を見うる。

そしてそれこそが、『ひと』ではあるまいか。

関係性への視線、関係性との関係をもって、
ひとはこの世界に自分の影『ひと』を産み落とす。
言葉であれ、眼差しであれ、愛であれ、指先での愛撫であれ。
それだけが、この世界に見る『ひと』ではあるまいか。
そのようにしか、ひとは自らたる完結完全なる小宇宙の束縛を脱して、
この世界という舞台に自らを産み落としえぬのではないか。
そのようにしか存在しえぬのではあるまいか。

行為と発話とはつまり魔法だ。
この世界という手の届かぬ場所に自らを生かすための。
ひとは『ひと』を生きて人生を生きる。関係性を生きる。
影幻『ひと』、契約や義務や権利、思いこみや戒律――を生きるのでなしに、
ほかの何でもなく人間の充足を生きるのでなしに、
いったい何を生きることができる?

ためらうことは愚かだ。
ためらうこともまた一つの行為だから。
そのようなものとしてあなたを容赦なく規定し形作るから。


3:
ねえ、あなた。
戻っておいで。帰っておいで。

まだなにも、終わってはいないから。
まだなにも。なにひとつ。

止めたところから始めるために。
――戻っておいで、帰っておいで。

待っているから。


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- 2003年01月06日(月)

赤い車のジョニー。

1:
私はあんまり夢を見ない。
見ても覚えていないと言うべきなのか。
同じ夢など見ない。
例外が一つだけ。

赤い車のジョニー(…)の夢である。
このネーミングはどうなんだと思われる向きに一言。
私は起きててもネーミングセンスはない。(きぱ)


2:
夢はたいてい夕暮れに始まる。
私は車に乗っている。
運転席の後ろ。後部座席だ。
助手席に乗っているのは仕事の相棒だったり、
同級生だったりする。
運転席に座る人の顔は見えない。
男というのだけわかる。
知ってはいるが、あまり親しくない男だ。
誰かははっきりしない、いつも。

車はレストランの前に止まる。
相棒(あるいは同級生)はそこで下りるのだ。
彼が下りてから、車がまた走り出す。

私はふと、「赤い車のジョニー」について思い出す。
「ジョニー」は殺人鬼だ。
赤い車に乗り、女を殺しては無残な死体を置いて行く。
私はふと、不安になる。

「大丈夫だよ」と、運転席の男が言う。
「この車はレンタカーだし、だいたい赤じゃない。
 だいたい俺は日本人だよ、ジョニーじゃない」

そうだ、そういえば、この車は紺だった。
運転している男もジョニーじゃない。
車は走る。


3:
車は走る。
物寂しい道だ。
ここでは仮に、下りたとしても、人の通りも駅もない。
私は不安になる。不安はいよいよ濃い。

「無駄だよ、逃げ出しても」
男は言う。私はぎくりとする。
そうだ、ジョニーとは国籍など知れぬ謎の殺人鬼ではなかったか。
車は。車は、そうだ。被害者の血で染められて赤くなるのではなかったか。
私は用心深く黙っている。
「逃げようがないからね。ここなら、追いかけてひき殺せる」
私は確信する。私はジョニーの車に乗り合わせた。
不安と恐怖は絶頂に達する。


4:
さて、この続きは。
……ナイ。
というのは、私はたいていそこで恐怖のあまり目を覚ますからだ。
そして寝ぼけた頭で、「今ごろ」「夢の中の私は」「切り刻まれている」と。
そう考えて悲しくなるのだ。


5:
典型的な悪夢だ。
そして、物語性に富んでいる。
一つの本を時を置いては繰り返し読むように、私はこの夢を見る。
フロイト流の解析は無用だが、意味を探したくさえなる。


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- 2003年01月03日(金)

作りたいと、初めて思った。
一つの、確たるもの――作品、と、自ら呼びうる何かを。
何かを「完成」させたいと思った。
どれだけの力を時間を注ぎ込んでも。

これは欲求だ。


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- 2003年01月02日(木)

夢で見たもの。

1:
初夢…は見なかった。
どこで見ろつーんだ、ここは会社だ。(暴れ)

朝、交通事故で目覚める。
ドーンつって社の前で自損事故だわさ。
幸い社屋に損害ナシ。つか、この植え込みどーすんだ。
私がやったと思われるじゃねーか。(前科者は辛いや)
おまわりさんよんでレッカーくるの待ってお疲れさま。
なんつー正月。お雑煮食わせろ。(暴れ)


2:
あまりの暇さにボンヤリする。

NHKってなんでこんなに再放送とか総集編ばっかりなの?
『本当の恋をしてください』ってアンタ(先輩)年賀状にナニ書いてやがる。
うっわー、忠臣蔵かよ。しかも十時間? どんな暇人だ、通しで見るの……
あー映画見てー。つーかこっから出せ。(檻ガタガタ)

ひ、ヒマだ……。


3:
ここから出たらナニするかなー。
とりあえず仕事かなー。(ホリックめ)
年始回りかなー。
それとも寝るか。
あー。映画見てー。

なんだ、正月らしくグダグダしてるじゃん。


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- 2003年01月01日(水)

2002→2003。

1:
仕事をしていた、しかも雑用。(…)
仕事場は横浜の、海に近い辺り。
上層階に上れば、港は一望の下だ。

十二時近く、仕事の手を止めて、エレベーターを上る。
最上階で下りる。明かりは消えている。
窓に近づく。

光は眼下に点在し、黒い海を縁取る。
ゆっくりと電飾に飾られた船が航行している。
浮標が点滅する。
車のヘッドライトが走る。

その瞬間、湧きあがるのは汽笛だ。
年の変わった瞬間。
停泊する全ての船が、汽笛を鳴らす。
新たな年を祝って。
港の新年だ。
どこかで花火が上がる。


2:
汽笛は鳴る。
絶え間なく、絶え間なく。

ああ、ねえ。

きみに伝えたかった。
どれほどこの港、この町が美しかったか。
どれほど汽笛の響きに心踊ったか。

どれほど傍らに、きみがいればと願ったか。
ねえ、きみ。

伝えたかったよ。


3:
みなさま、あけましておめでとう。

今日に明日が続くよう、そして明日は今日に増してよき日となることを。
絶えざる忍耐と努力を積み重ね、失敗を繰り返さぬ智恵を失わぬことを。
望むものを忘れず、たゆみなくその方へ歩きつづけることができるよう。

よき年となりますよう。


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