- 2002年11月27日(水) 行儀の悪い男。 1: 今日、久々にまともにメシを食おうと考えた。 で、仕事先の食堂へ行った。 十二時を十分過ぎた辺り。 昼休みとあって混んでた。 長いテーブルはすっきり空いてるトコはなく。 というわけで、私は四十代前半と思われる、 背広の男性の正面に相席したのである。 2: 「失礼します」と声かけ、座り。 サクサク食ってた。 目の前の男性もサクサク食う。 じっと見たりはしない。まあ、あたりまえに。 そして男性は私の倍の早さで食い終わり、席を立った。 そこまではよかった。 空いた席に、すぐ(なにぶん混んでた)二十代前半ぐらいの 若い男性が座った。 ……行儀が、悪い。 3: 肘をついている。 箸の持ち方ヘン。 食い方、汚い。 とたんに食い物は不味くなる。 顔としては悪くないのだろうにーちゃんだったが、 少しも魅力的には思えなかった。 なにゆえメシをまともに食ってそういうイヤな思いをせねばならん。 というわけで、まだ半分ほど残っていたが、席を立った。 4: もったいないおばけが出そうだとか思いつつ トレイを片付けていると、 後ろの方で、数人の男性のグループが席を立った。 音頭を取っているのは係長クラスっぽいカンジの男性だ。 五十代くらいであろうか。 そのチームなのだろうか、それより若い男性が数人いた。 それぞれがそれぞれのトレイを片付けにかかる。 一番若い一人がさっと立ってトレイを片付け、 すぐに戻ってきて、テーブルごとに置いてある台ふきを使って、 そんなに汚れてもいないテーブルをさっと拭いた。 誰も誉めなかった。不問に付された。 本人も特別なことをしているようなたたずまいではなかった。 一団はすっと立って、すっと消えた。 だが、その「若いモン」は、きっとその係で、 非常に優秀であり、育て甲斐のある若手であると、 そう扱われているだろうと、思った。 5: 「行儀」といい、「マナー」という。 バカにしている人々がバカなのだ。 人間がほんとうに周りに対して敬意を持ち、 足りないところを補おうとし、またそう努力するとき、 そして自ら美しいものを好むとき、 それらは自然だ。 そうした行動に欠ける人間は、心を持たないと評されて、文句は言えない。 そんなこともわからんような連中は、 私の目にはただのバカだ。 行儀の悪い人間に、食事をする権利はない。(暴言) - - 2002年11月26日(火) カメラマン。 1: いったい、人間が自分を評価する軸をただ一つにとるとき。 これほどまでに厳しくまた激しく、そして貪欲になれるものだろうか。 カメラマンを知っている。 カメラマンの仕事は厳しい。 対象は目の前にあるものである。 今そこにあるものである。 今しかない。そこにしかない。 「後で」も「今度」も「もう少し」も許されない。 武器は手の中のカメラ一つぎり。 彼はその獲物だけで判断される。 「努力した」も「がんばった」もない。 彼はそれを知っている。 彼の獲物たる一枚の写真が使われなければ、 つまりそういうことだ。 彼は自分を「使えねぇヤツ」とみなされたと判断する。 そしてそれは正しい。 百万の罵言に増して痛烈な屈辱だ。 2: 彼はシャッターを切る。 バカみたいにシャッターを切る。 強迫的なまでにシャッターを切る。 やらせ一歩手前も要求する。 執拗なまでに角度を変えて対象を撮影し直す。 何度でも何度でも何度でも。 同じショットでも何十枚も撮る。 使うのは一枚きりだろう、と。 そんな言葉は彼には聞こえない。 使うのは一枚だけだ。 一枚も使えるのがなかったらどうする。 「使えねぇヤツ」 それは彼の全ての努力、全ての時間、全ての存在を否定する。 彼はカメラマンだ。 「いいヤツ」にも「努力家」にも「善人」にもなろうとはしない。 彼はカメラマンだ。 それ以外の何にもなろうとはしない。 それ以外のどこで評価されようとも彼とは関わりない。 3: 彼は食事する。 彼は寝る。 彼は洗濯する。 全ては一枚を撮るために。 彼はカメラマンだ。 私は彼を横から見る。 私と彼は関わりない。 全く重ならない。 これほど明快にまた深く。 ――なにものかである人間は。 それ以外のあらゆる次元と空間から消失する。 - - 2002年11月24日(日) 携帯電話というツール。 1: 職業柄、携帯電話は必携が義務付けられている。 風呂の中でも油断はできない。 例えば、昨日(十一月二十三日)のことであるが、 前日ヒデエ目にあっていた私は、十二時に起きた。 そして十二時五分に風呂に入ったのである。 出てきたのが十二時半。 ふと、携帯電話を見た。 十二時七分から十五分にかけて、四件の着信アリ。 社と上司から。 ………真ッ青である。 即座に電話をすると、怒声がおちてきた。 そして最後に「やめちまえ!」というセリフで終わった(ちーん) つまり、かかってきた電話に2コール以内に出れないということは、 私の仕事では「使えねぇヤツ」であるということを意味する。 2: しかしながら、そんな仕事ばかりじゃないであろう。 私だって学生の頃はロクに充電せず持ち歩かなかった。 とはいえ。 「ケータイ」にかけてるのに「出ない」というのは。 なかなかイライラするもんである。 用事がないときならまだしも、気になっているときには。 まして五回六回かけても出ない、などということになれば。 必然的にその後、連絡を取りたいと思う回数も減る。(「どうせ出ないし」) そして結局何かがプツンと切れる。(「もういい」) 3: 思えば不便な世の中である。 手紙しかない頃なら、置き電話しかない頃なら。 連絡が取れなくてあたりまえの頃なら。 こんなにイライラすることはなかった。 と・ある美容師のにーちゃんは、 なまじっか髪でいろいろできるから、満足できるレベルが高くなりすぎて、 気に入らないと落ち着かないのでと、ボウズにしてる。 なまじっか今すぐダイレクトに連絡できると思うから、 イライラするのだ。 要求するレベルが高くなるのだ。 一通の手紙を何ヶ月も心こめて待ちわびていた頃の方が、 きっとダメになる恋人たちの数も少なかった。 - - 2002年11月23日(土) 整体に行く。 1: 肩こりは昔からだったのだが。 パソコンを日常的に使うせいか、 重い荷物を常時ぶら下げて歩いているせいか。 背中まで痛くなってきたので。 整体に行く。 2: で。 私の勤務時間はかなりのいきおいで変則的なので、 夜中までやってるとこに行く。 幸い、住んでるとこが住んでるとこなので、 かなり遅くまであれこれの店はやってるのである。 で。 行った店→営業時間:午前11:00〜午前3:00. ……ハンパじゃないや。 3: 階段を上がって入ったら、出迎えたのは中国人。 場所が場所だし店が店だから驚かない。 壁には経絡図なんかもあっていい感じ。 体の状況を説明する。 かなりお高いが、全身コースを勧められる。 なんとなく眠かったしまあいいやと思ったのでそれでいく。 それではと奥の部屋に通された。 4: パジャマに着替えて横になる。 肩に背中に腰に足。手。 容赦なく揉み叩きこねられる。 筋肉がタガから緩む。 痛くはない。 むしろキモチイイっつかなんつうか。 隣りでやっぱり捏ねられてたおばちゃんなんか、 かなりヤバイ声出てました(笑) 5: 一通り終了する。 で、体の感触について説明を受ける。 「背中痛いはクーラーみたい冷たい風吹き込むのよ」 ……………わかりません。 いや、言わんとすることはわかる。 要するに冷えてるとか冷えだって言うんでせう。 しかしなあ。 で、話しながら、なんてことなしに肩をグリュグリュ回した。 私は肩回すと、ゴキグキとけっこうすごい音するんですな。 センセ多いに驚いて。 「油が切れてるのよ。練習しちゃだめ」 ………………………あたしゃキ●イダーか?マジ●ガーZか? てか、練習してません。 まあいいや(ふう) 少しもみかえしがきてて体がだるい。もう寝よう。明日も仕事だ…… - - 2002年11月20日(水) いわゆる病気: 1: うちの姉は昔から健康食品が大好きだ。 自然食品とか無農薬という言葉に弱い。 そういうものを漁る。 金を使う。(また高いのだ) ビョーキじゃないかと横から見ていてしばしば思う。 2: 私は見たい聞きたい欲求ばかり強い。 ときどき(しじゅう?)人様に迷惑かける。 親友人知人に心配される。 職業に選んでそういう生活してるもんだから、なおさら。 ビョーキよ、と、しばしば言われる。 3: 「健康」というビョーキもあるだろう。 「好奇心」というビョーキもあるだろう。 「理想」も「現実」も、そのほか「愛」もまた病となりうる。 むしろ病であろう。 全て「生」は病であろう。 全ての病が癒えて、残るのは死体一つであろう。 癒えぬでいい。 醒めぬでいい。 4: 誰もみな、己自身であるよりほかにできることはない。 己自身となるよりほかにどうなることもできない。 「人みな、己が魔を負えり」 誰の言葉だったか。 病と魔によって、人は人の世を織る。 それよりほかに、成すほどのこともない。 ……暗いッスねー………… - - 2002年11月18日(月) 六時から三時まで。 1: 朝六時に呼び出し食らう。 九時に一段落し、そのまま通常のお仕事。 夜十二時に呼び出し食らう(…)一段落したの朝三時。 自虐的に楽しい一日であった(はっはっは) おまけに禁煙令出るしな(ふ) 基本的に、たばこは嫌いだ。 給料を煙にするのはバカらしい。 金払って健康を損ねるのはバカらしい。 が、あんまりムシャクシャすると、自傷行為としての喫煙にハマる。 2: 自傷行為。 肺の痛くなるほどたばこを吸う。 煙の臭いを服にも髪にも口の中にもつけて気持ち悪くなる。 灰は零れて服が汚れる。 いいじゃん。 ああ、もう、いいじゃん。 そんな気分。 手首を切るより大人しかろう。 着実に自分自身を削る。 ――唇の端持ちあがるような、楽しさ。 3: ダメかしらね。 誰でも死にたいときはある。 私はたばこで小さな死を死ぬ。 死を吸いこむ。 吐き出す。 たばこ一本で縮まる寿命は1分だとか3分だとか。 そんな小さな時間を自分から奪う。 消しゴムで消すように、煙で吹き消す。 ひどく、楽しい。 私のたばこは小さなナイフ。 指先傷つけて生を流し零すための。 4: 「おまえは、たばこ禁止」 ……はい? 上司に言われてしまった。 そら、普段たばこ毛嫌いしてる人間がいきなりチェーンスモーカーになったら 気づくだろうが……。 しかし。 「SさんもMさんもNも吸ってるんですよ。 こんな狭いとこで副流煙そんだけ吸ってたら、一緒でしょう?」 えらい理屈っぽく反論した。 「女はダメ」 それでゴーチンである。 家で吸ったら部屋が臭くなるし、歩きたばこは危ない。 結局主な吸い場所は仕事場であるのだ。 そこで禁止言われたら。 うーむ。(禁煙考え中) - - 2002年11月14日(木) ゴメン。 忙しくてゴメン。 電話出れなくてゴメン。 いつでも仕事でゴメン。 電話出てもぶっきらぼうでゴメン。 メール書かなくてゴメン。 忙しくてゴメン。 寝てるときはドロのようでゴメン。 一緒にいられなくてゴメン。 今日も明日も仕事でゴメン。 休みなくってゴメン。 なんかあれば呼び出されてゴメン。 すぐふてっくされてゴメン。 ちゃんとしてなくてゴメン。 心配させてゴメン。 話聞けなくてゴメン。 いつもいつもゴメン。 いつもゴメンでゴメン。 - - 2002年11月13日(水) 宮沢賢治へのオマージュ2。 1: 「おまへのバスの三連音が どんなぐあひに鳴っていたかを おそらくおまへはわかっていまい その純朴さ希みに満ちたたのしさは ほとんどおれを草葉のやうにふるわせた もしもおまへがそれらの音の特性や 立派な無数の順列を はっきり知って自由にいつでも使えるならば おまへは辛くてそしてかがやく天の仕事もするだらう 泰西著名の楽人たちが 幼齢弦や鍵器をとって すでに一家をなしたがように おまへはそのころ この国にある皮革の鼓器と 竹でつくった管とをとった けれどもいまごろちゃうどおまへの年ごろで おまへの素質と血からを持っているものは 町と村との一万人になかになら おそらく五人はあるだらう それらのひとのどの人もまたどのひとも 五年のあひだにそれを大抵無くすのだ 生活のためにけづられたり 自分でそれをなくすのだ すべての才や力や材といふものは ひとにとどまるものでない ひとさへひとにとどまらぬ 云わなかったが、 おれは四月はもう学校にいないのだ 恐らく暗く険しいみちをあるくだらう そのあとでおまへのいまのちからがにぶり きれいな音の正しい調子とその明るさを失って ふたたび回復できないならば おれはおまへをもう見ない なぜならおれは すこしぐらいの仕事ができて それに腰をかけているやうな そんな多数をいちばんいやにおもふのだ もしもおまへが よくきいてくれ ひとりのやさしい娘をおもふやうになるそのとき おまへに無数の影と光の像があらはれる おまへはそれを音にするのだ みんなが町で暮らしたり 一日あそんでいるときに おまへはひとりであの石原の草を刈る そのさびしさでおまへは音をつくるのだ 多くの侮辱や欠乏の それらを噛んで歌ふのだ もしも楽器がなかったら いいかおまへはおれの弟子なのだ ちからのかぎり そらいっぱいの 光でできたパイプオルガンを弾くがいい」 宮沢賢治『告別』 2:(む、書きかけ←サテンが閉まる) (そして朝) あなたをふるわせたのは、この世のものならぬバスの三連音。 あなたが悲痛なまでに失われないことを願うのは、この世の外の音楽。 光のパイプオルガンから奏でられる「おと」。 そしてあなたは消えようとする。 願いを抱いて消えようとする。 散華の願いを抱いて消えようとする。 あなたは置いて行くのだと言う。 あなたは、四月にはもう学校にいない。 3: あなたは、暗く険しい道を行くのだと言う。 あなたは、四月にはもう学校にいないのだと言う。 そうして光溢れる縁側に置かれた風呂敷包みの四角い箱のよう、 言葉とかなしさを置いてゆく。 (いいかおまへは俺の弟子なのだ) それはきちんと包まれた風呂敷包みの四角い箱だ。 わたしはじっと見つめて立ち尽くす。 光は静かに溢れる。あなたの背中も見当たらない。 それはもう、畑の小道に消えた。 4: あなたは消えてしまった。 その行く手を暗く険しい道とするのはあなたの足だ。 しかもあなたは望んでそうする。 あなたはたびたび私の家の縁側に、 きっと風呂敷包みの四角い箱を置いてゆく。 それとも私が思い出すのか。気づくのか。 光のなか、光の中。 それは一つ一つ、優しく悲しく厳しい箱だ。 青ぐらい海の底の気配を漂わせる。 透明な魚の鱗や、星の精髄、輝く沈燐の気配を漂わせる。 孤独を思い出せと語りかけてくる。 全てのものが透明になった底にそうした青黒い世界が淀むと―― 語りかけてくる。 おまえもそれを背負っているのだと。 - - 2002年11月12日(火) 宮沢賢治へのオマージュ。 1: 「祀られざるも神には神の身土があると あざけるようなうつろな声で さう云ったのはいったい誰だ 席をわたったそれは誰だ …雪をはらんだつめたい雨が 闇をぴしぴし縫っている… まことの道は 誰が云ったの行ったの さういふ風のものでない 祭祀の有無を是非するならば 卑せんの神のその名にさへもふさわぬと 応へたものはいったい何だ いきまき応へたそれは何だ …ときどき遠いわだちの跡で 水がかすかにひかるのは 東畳む夜中の雲の わずかに青い燐光による… 部落部落の小組合が ハムをつくり羊毛を織り医薬をわかち 村ごとのまたその連合の大きなものが 山地の肩をひととこ砕いて 石灰岩末の幾千車かを 饐えた野原にそそいだり ゴムから靴を鋳たりもしやう …くろく沈んだ並木の果てで 見えるともない遠くの町が ぼんやり赤い火照りをあげる… しかもこれら熱誠有為なむらむらの処士会堂の夜半 祀られざるも神には神の身土があると 老いて呟くそれは誰だ」 宮沢賢治『産業組合青年会』 2: 暗い夢がある。 常に暗い夢がある。 ここにいながら、遠方にいる。 それとも、遠方にいながらここにいるのか。 そのように彼の視点は二重に存在する。 彼は確かに会堂の中にいる。 そこにいながら、取りつかれているのは外側の闇にだ。 どれほどか人々の幸福を願いそのために生きながら、 進歩と豊穣を願い尽くし実行しながら、 外側の闇にも彼はいる。そこからの呟きを呟く。 内側と外側の視界を同時に持ち、 内側と外側の苦しみを同時に苦しむ。 どちらかになることはできない。 二重性が彼の本質だからだ。 引き裂かれている。 取り憑かれている。 3: 祈ることはできない、諦めがあるだけだ。 青白い修羅の悲しみがあるだけだ。 引き裂かれたものの悲劇は、つまりは縫い合わされることがないところにある。 悲しさがある。 寂しさがある。 身を切るような悲しみは、常にここにいながらここにいないことに根ざす。 取り憑いているのは不在と非在。 出口がないのは二重に閉じ込められているからだ。 この腕を広げて、そして抱きしめたい思いばかり悲しく燃える。 しかも届かない。 その死の瞬間さえ、彼は外側から見ただろう。 そして哀れとも思い、あさましいとも思っただろう。 しかも同時に死に行くのは己であったのだ。 - - 2002年11月08日(金) ゆたかさ。 1: 毎日コンビニ食なんですよ〜と、言ったら、 「みじめにならない、それ?」 と、言われた。 ……ふーむ。考えたことも、なかった。 2: 豊かさとはどこにあるのだろう。 味覚に? 見るものに? 聞くものに? することに? 生活以外のどこにもないということだけはわかるが (なぜなら生活とは今まさに体験しつつある生の全ての局面のことだから) その一つだけに偏ることも、もしかして貧しさかと思った。 どんなにいいものを見て、いいものを着ても。 やはりコンビニ食ばかりでは、貧しいのだろう。 膨らんだ腹と対照的な、痩せさらばえた肋骨を連想させるのだろう。 そのようなある種の、畸形を。 3: それをよしとするのが私の意思だ。 私の意思はそもそも畸形なのだ。 あるひとつのことを、異常に求める。 そしてその結果も畸形だろう。 ある局面からばかり見た像が、畸形でないはずがない。 (前だけから見て作った像が正しい形をしているはずがない) それをよしとするのが、私の意思だ。 そしてその結果、私もやはり畸形となるだろう。 4: 畸形となることを、恐れない。 畸形になってまで欲しいかどうかを思う。 是。 というわけだ。 二十年後は奇人変人だな。 死人かもしれん(しーん) - - 2002年11月05日(火) 姉帰る。 1: なんつーか。 三連休のうちかろうじて休めるはずな月曜、 私のポカミスのために上司の首が飛ぶかどうかという瀬戸際の事態に発展。 果たして姉を置き去りに、仕事に飛び出す。 しかも帰れない(しーん) 「なにそれ!」と、のたまう姉。 ……そりどころぢゃありません。 2: 果たして仕事・仕事・仕事。 上司はブキミに穏やかで。 なんとか盛り返すメド掴んで、帰宅はいつもどーり午前二時。 ……なにこれ。 シーツ剥がれた布団がゴロゴロ。 電気は全てついてる。 御丁寧に給湯器まで。 イヤがらせか? しかしもうナニを考える気力もなく布団にもぐりこむ。 一時間ほどしたろーか。 ゴソゴソと姉が帰ってきた気配である。 しらんフリして寝てる。 しばらくごそごそしてから、隣りの布団にもぐりこんだようだ。 やれやれと寝る。 3: 朝だ。 目を覚ます午前八時。 ぬぼーと起き上がると、アレ。 この三日に洗おうと思って当然洗えなかった洗濯物が。 なんだかキレイになって袋詰め。 ……隣りの姉はまだ寝てる。 あ、そか。 洗濯、してくれてたのか……。 ちょっと、なんか、うん。 じーん。 ……してる場合じゃない!(きゃー) 姉叩き起こし、出かける準備し。 ダッシュで出る。 まあ、なんつーか。 ちょっと、見直した、かも、しれない。うん。 - - 2002年11月02日(土) 昨日は二時帰還。(いつもどーりか) 1: 寝ている。 「お…い」 眠いんだ。 「ねえー。●ってばー」 寝かせろ……。 「ねーねー」 なんだよ。 「納豆食べれたっけ?」 …………。 「キライだっけ?」 「……食べれる」(負けた) 2: かくして起床。 姉が私が普段使わない(使ったことがない) 台所で料理をするのを聞きつつ洗顔。 姉は健康食品マニアである。 紀州の梅干と添加物なしの醤油を取りだし、 畑で取れたというイモをふかし、 玄米を蒸して炊く(うちは電気釜ないの) そして私は納豆を練る。(釈然としないらしい) 3: そしてなんだか健康食品らしい色取り(つーかくすんだ色合い)の 皿を前に、イタダキマス。 食う。 まずくはない。 なっとう食い玄米食う。 イモ食いワカメ食う。 まずくはない。 だがうまいというのともチョトちがーう。 なんだろう。 健康食品を食べているようだ。 食べつつ姉のカナダの話など聞く。 「ハリファクスでカゼ引いちゃってさー」 「へえ」 「一カ月くらい寝こんだよ」 「薬飲まなかったの?」 「西洋の薬は体に悪いから」 「…ほう」 4: ゴチソーサマ。 「今日は私、泊まり仕事だから。好きにしてくれていいよ」 「あ、ねえ、ランチどっか行こうよ」 「いや、だから仕事」 「えー? あたしが来てるのにー?」(すごく不満そう) 「急に来たのはおまえだ」(でも言わない) 姉は月曜までいるぞ!がんばれ私!仕事もオニのようだ!(マジ泣き) - - 2002年11月01日(金) 姉来襲。 1: 昼間。 仕事にいそしんでいたところ。 電話だ。 「今日行くから」 ……はい? おねーさま? 2: 夕刻。 「ついた」 とな。 「荷物置きたいから」 とな。 …………迎えに行く。 わがねぐらに連れていく。 合鍵渡して仕事に戻る。 3: 深夜。 仕事を終えて帰宅。 本だなの上に見なれぬランプが。野菜が。 机の上にメモ。 「友達のとこ行ってくる。 ゴメン、ハンガー一本壊したけど気にしないで」 今すぐ大阪へ帰れ。 いや、カナダへ帰れ。(青筋) 無事に姉妹は別れることができるのか。待て次号!(嘘) -
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