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終わらざる日々...太郎飴

 

 

- 2002年10月30日(水)

三度目の正直。

1:
一度、そもそも型がなってないと突っ返される。
二度、内容が面白くないと突っ返される。
三度……うんいいよといとも簡単にのたまう。

いやー。N氏、キビシイ(涙)

求められているものを出す。形と内容。
しかしセンパイのものより高水準を要求されてる気がするのは気のせいか?
いじめられてるのか?(しーん)
き、期待されてるんだと思いたい。(三人目になりたくない)

叩かれてるんだっていいさ。できるまでやるだけだ。


2:
叱られることは、いいことだ。
どこがなってないかを知ることができるのはいいことだ。

物事を全体として見る目と、それを展開させる力。
漫然としてしてはいけない、何事も。
求められているのが何なのか知ろう。
そうしてしよう。私はできる。できるまでやるから。

蜜を舐めるように甘くはない。
だが私の努力と時間を傾けるに値する課題ではないか?
このひとに評価されたいと思える上司を持てたことは、幸いではないか?

(というわけで努力)


-

- 2002年10月25日(金)

私は本も好きだがマンガも好きだ。
というわけで。


1:
「ピグマリオ」
小学校んとき、熱愛していたマンガ(笑)

クルトという怪力の七つの子どもが主人公で、
メドゥーサに石にされた母を助けに三千里、旅する物語。

クルトとちびドラゴンのレオンのコンビが好き。
モンスターの造形が好き。
クルトの初恋のオリエがかわいくて好き。
メドゥーサも不器用でかわいくて好き。

和田慎二ってば、ほんと、すごいストーリーテラーだと思う。


2:
「陰陽師」
いわずと知れた岡野玲子。

マンガらしからぬ描線のキレイさと、かもし出される世界の異様さ、
そうして紡がれる独特の言葉が好き。
バケモノ好き。
清明好き。
博雅好き。

あーでも、後ろの方になると、ちょっくら、理屈っぽすぎる。
ストーリーとしては獏さんのものをそのまま素直に描いて欲しかった。
なんでもいいけどはやく続き……(くすん)


3:
「ファントム無頼」
好きなんだ、好きなんだよメカ……(くくく)

かなり荒唐無稽だけど、リアリティも溢れてる。
空自の戦闘機乗りの二人。

男のひとの描くコメディは、後ろにしっかり芯があるからいい。
キャラがちゃんと立ってるけど、キャラに流れない。
ほのぼのと暖かく、それでいて厳しさは一本の線として見え隠れ。

個人的には……司令のおっちゃんが良い。
作者は新谷かおる。


4:
「封神演義」
藤崎竜。

んー……週刊マンガの宿命として、描線にムラがありすぎる。
ストーリーが時々ムチャな方向に沈んでて、見放したくなる。

このマンガへの愛は、ひたすらに黄飛虎の魅力にある。
推定身長2メートル半。怪力で酔っ払いで愛嬌のあるオヤジ。
女房命で子煩悩。友達思いで人情に篤い。

す、好きだあ……。
知るひとぞ知る、
あたしゃかつて彼を主役にして同人やってました(ばらすさ)

このマンガ自体は、十七巻より後はほとんど読まなかったな…


5:
「東周英雄伝」

好きだぁ……(ねぶる)
全てのマンガ本を処分した後でも、この3冊だけは置いといた。
というのは。

これ描いてたの、台湾の作家さんなのだ。鄭問。
絵が好きー水墨画。筆だよ、すぱーんと激しく。
高雅。端然。激越。妖艶。
マンガの常識変わります。

あーでも。
後期になると妙なマンガ技おぼえて、ちょっと雰囲気崩れるのだ。
それがちょっとイヤかも。

ちなみに、東周時代、つまり中国の春秋戦国時代(〜紀元前500)に
生きた有名無名の人々の物語で、一話完結。

美人さんが美人なの〜(ねぶる)


-

- 2002年10月22日(火)

あれやってこれやってそれやって(きゃー)
仕事を真面目にやっているのに仕事のたまる不思議(しーん)
仕事しかしていないのに仕事の終わらない不思議(……)

1:
最近知った。
……こっちを興味津々らんらんと見つめるたくさんの顔は、コワイ(しくしく)

心臓止まるって。
息できないって。
口もようきかんやん。

対人恐怖症というわけではない。
ただ単に、子どもって、ほら、遠慮ないから……(しくしく)


2:
ほう・れん・そう。

報告。
連絡。
相談。

……このニ十数年、一番エンのなかった物事である。
できることは一人でやっちまい、
間違ったら困る(真顔)
困って、まあ、そのうち正道に戻る……かな……(放置かもしれん)
相談なんかしたことなかった。

おかげで困ってます。(真顔だよ、ほんとだよ)

報告しよう。
連絡しよう。
相談しよう。

まだ一年生なんだからさ。
頭悪いんだからさ。
気負うな、私。(むう)


-

- 2002年10月20日(日)

歯医者に通っております。

1:
歯医者という職業のひとは、
どんな美女にも魅力を感じなくなるんじゃなかろうか。

だってさ……
どんな美女も、大口開けて、唇引っ張られて歯茎まで見られてたら、
……台無し、だろ……。

よそできちんと化粧してるときに会ったって、
そりゃ、普段の印象がさあ……。

一度、聞いてみよう(問題は、治療中に口がきけないということだ)


2:
キュイイイイン、と、歯を削られるのは痛い。
痛いし怖い。

が。

もっと痛くて怖いのは、歯石とり、だ。

ガリガリ歯を一本一本やられる。
冷たいものを歯石とったばっかで敏感な歯に吹きつけられる。
……ひィ。


3:
これまでは当然ながら扶養家族だったから、三割払いだったのだが。
自分で働き出したので、一割である。

支払いが、安くなったなあ……(じいん)

ところで。

私の通ってる歯医者は、非常にハイテクである。
パソが導入されていて、レントゲン写真なんか、リアルタイムアップデート。
それを拡大、着色などしながら治療内容と進行過程を説明してくれる。

非常に、感じがいい。

なにがどうなって、これからどうするのか。
わかりやすく説明する能力が、これまで軽視されてたと思う。
黙ってやっちゃう、ってのが職人っぽいとか思われたんじゃないかとか。
でも、やられる方は、きちんと説明してくれるほうが、いい。

説明というのは、とても、大事だ。
腕も大事だが……。
自分のこれからやることを医者も確認できるし、
患者は治療を信頼できるし、メドつくし。


歯医者を選ぶとき:
1きちんと説明してくれるかどうか
2清潔さ
3腕前
……かな。


-

- 2002年10月18日(金)

名前をなくしてしまうがいい。
そうして一つの悲しみとなって、それ自体となって、
この胸の奥底に、いつまでも巣食うがいい。
その痛みを感じるとき、私はおまえを思い出すから。


1:
昨日は、支社内組合飲み会。

普段は几帳面な、生真面目な、上司N氏。
「僕は●△担当時代、部下のTをやめさせたよ」
……?
あ、酔っ払ってる。
「さんざんいじめてやったからなあ。やっとやめたよ」
……。
「俺の部下でやめたの二人」
ホ、ホンネ?

意外な一面を見る。
怖かった……(べそ)
三人目にならないように気をつけよう……。


2:
ボーナスについて、話しになる。
みんな、なんか真剣だ。(しーん)

ちなみに、私は十月一日に正社員になったばっかりなので、
ボーナスは冬にもらうのが初めてだ。
で……。

うーん。
なんか。
みんな。

所帯じみてるなあ……。
いや、あたりまえなんだけどさ。
あたりまえなんだが……。

「家のローンがかかってるんです」

あー……大人って大変……。(ひとごとか)


3:
ごく最近社に入ったばっかりだから、
社内の人間関係に疎い。
(もともと関係ない人間関係は最低限しか記憶しない)

しかし、ふーん。
面白いなあ……。

いろーんなひと、いるんだ。

そうして、みんな。
S氏も、N氏も、みんな。
いっぺんは若かったんだなあ……。
あたりまえだけど、さ。


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- 2002年10月14日(月)

物語が書きたい気分である。

1:
……が、書き方を忘れてしまった(笑)

私の子供たち、――が、外に出たいとさんざめく。
物語世界が私を脱して世界に場所を占めたいと、騒いでる。


2:
私はどうやら、周りにはうすっ気味悪い人かもしれない、と、思う。
喜怒哀楽の多くが内側に開かれ、
この内側に、豊穣の王国を持つ。

それはけしてこの世に産み落とされることがないかもしれない。
ひとに愛されることはないのかもしれない。
それは実際、どうでもいいことだ。

だが、この大地は。
それがどれだけ私にとり大切なものであり、
同時にどれだけ大きな重荷であるか。


3:
私の愛する私のこども。
二人のジンニーア、アル・シムーン。
乾いた大地とそこに吹く風。

この無数に物語の溢れる世界で、私のほんとうの物語。

彼らがなにものが、伝えられるものなら伝えたい。
語れるものなら語りたい。
だがそれには覚悟がいる。


4:
覚悟が。営々として物語の技を学ぶ覚悟、
物語を紡ぐ覚悟、内側の世界に消え果てる覚悟。

「果てしない物語」から生還できるものはわずかだ。
物語がほんとうのものであればあるほど、物語は危険だ。

問題はねェ……。

私は外側の世界も、好きなんだよ。
全てを外側に向けられたらと、思う。
内側に奪われて表情を忘れ変人と言われ(ほんとだよ)なくなりたいとも。
世界の豊かさに心奪われ、心の底までも揺さぶられ、変えられたいとも。


5:
詩人は不幸なものだよ。
この世にないものを見るものは、不幸なものだよ。

この世にほんとうに生きたいと願いながら、
体半分、外側に住む。

それでも。
生きることは、どうであれ、生きることだから。
どうしたいかを決めよう。

中途半端は、キライだ。


-

- 2002年10月12日(土)

苦しいこと、悲しいこと。
体調が悪いのがデフォルトになると……
あんまり睡眠時間とか考えなくなりますな(ふ)

けっこうどうでも動けるし。
ハードさ自慢も飽きたし(笑)


1:
犬に触りたい。触りたいったら触りたい。
毛皮に触って、抱っこして、もみくちゃにしたい。
ヘッヘ言ってる臭い息嗅ぎたい。
鼻面のちょっと冷たいのと、ベロンチョ舐められるのと。

グルーミングしよう……(のぽぽんぎゅっと抱き)


2:
のぽぽんなるぬいぐるみを、もらった。
抱き心地が、良い(くくく)
私はあなたのとりこ!っつー感じ。

無意味にへにゃへにゃとしてはいなくて、
ぎゅっとやると弾力のある柔らかさが反発してくる。
でも、硬くはない。(じーん)

両手を広げて私を誘惑するのぽぽんよ、おまえはいったい、
何を企んでいるのだ……(いや何も)(ぎゅっとだき)


3:
ふとんが好きである。
日向の縁側に干してあるふとんが大好きである。
そんな場所があるのはじいちゃんちだけだったのだが、
子供の頃から猫のように丸くなって寝てた。

ちっとも干してあることにならないじゃないのよ、と。
お袋さんシスターズに怒られたこともいい思い出である……


4:
ぐるーむ、ぐるーむ。
柔らかいものをぎゅっと抱くのは、気持ちいい。
柔らかいものに包まれるのは、気持ちいい。

でもそれは、ずうっとそこにいられる気持ち良さじゃなくて。
しばらくすると、お尻の辺りがムズムズしだして、
すぐにまた飛び出していきたくなる気持ち良さ。


-

- 2002年10月10日(木)

悲しみが絶望として定着するまで。

1:
どれだけの時間がいるのだろう。
悲しみを生き、絶望を生きて。

そうして。

どうすればいい。
埋める術のないのは両手の間の空虚だろう。


2:
心臓が軋み悲鳴を上げるだろう――あるはずのものがない!

悲しみを、絶望を生きて。
ああそして、どうすればいい。

あるはずのものがない。
いるはずのひとがない。

その苦しさを生きて。
終わらないのだ、その日々は。


3:
終わらないのだ、その日々は。
死んだ子の年を数えるという――そうだ。
時は過ぎるから、誰がいなくなっても。

そ知らぬ顔して世の中は歳月を重ねていくから。
あの子、どこ。

本当なら、卒業式。
本当なら、入学式。
本当なら、今日は休日。
本当なら、今日は一緒にお出かけ。

なのに。ああ、あの子、どこ。
あの子、どこ。
どうしてここに、いない。


4:
この悲鳴はどこへ行く。
悲しみを生き、絶望を生き。
全てを現実にして生きてくしかない。

誰か、あの子を探してください。




十一年前にいなくなった子供。
二年前に殺された娘。

……気が、滅入る。


-

- 2002年10月08日(火)

つくづく。

1:
ハンチング帽を買った。
似合う。……と、思う。

が、あんまりハマりすぎてるらしい。
「探偵かよ!」と、バカウケする。
「それ、ツッコまないといけないの?」と真顔で問われる。

……。


2:
純粋に、趣味である。
が……。
どーかな、ヘンかな。

まあ、仕事中はアレかもしれんが。
しかし一日のほとんど(比喩ならず)仕事してる人間に、
他のいつ帽子かぶれつーんじゃ。

まあいいや。
ヒゲ生やすよかマシだろう。


-

- 2002年10月04日(金)

ジブリール

1:
キリスト教のガブリエル。
受胎告知が有名ですな。
マリア様に神の子の宿ったのを知らせるお役目。
ちなみに、イメージ的には「女」らしい。
元素は「水」、方角は「北」。

イスラームにおいてはムハンマドに啓示を伝えた天使。
最後の審判のラッパを吹くというのはキリスト教と同じだね。
啓示を受けた最初のときにムハンマドがパニって逃げようとしたのを、
とッつかまえて万力のような力で上着ごと締め上げた、という。


ジブリール(以下ジ):「おい。俺は天使だ。お前に啓示を与えに来てやったぞ」
ムハンマド(以下ム):「……は、は、は、羽の生えた人間が」
ジ:「天使だと言っておる。いいか、聞けよ。一つ、神は……」
ム:「わしは夢を見てるんだ。これは夢だ。幻だ」
ジ:「……神の啓示だと言っておるだろーが。枕を被るな。踊るな。聞かんか」
ム:「あーかーさーたーなーわーわーわー」
ジ:「黙れ」(シメる)


こんなカンジだろうか。(たたられそうだ)
うちのキャラは、まんまだ。(見事にな)


2:
ジブリールが、あでやかになりつつある。
出してもいないのだが、イメージの中で、あでやかになりつつある。

色彩が。溢れるほどに横溢する。
緑や朱や蒼色や純白。そして露を含み生気に満ちて花咲く。


これはどうしたわけだろう?
おそらくは、その傍らに、一人のひとを置いて思うからだろう。

人間は、一人では人間でさえない。
他者との間にかけられたその感情と思考の美しさが、人間を人間にする。
豊かなものとする。芳醇なものとする。豊穣なものと。

ジブリールを見るとき、私はその傍らのひとをも同時に見る。
そのひとへ向けた悲しさや切望、絶望やそれを超えるものを見る。
常にジブリールはどこかで、ねじれの次元で、いつも。
――抱きしめている。そのひとを。求めている。見つめている。

そこに生じたのは、幻と言いきることもできるものながら――
この世にありうる唯一の奇跡のその形でもある。

一つの種子の満ちて、緑の芽が零れ、蔓の溢れだし、やがて花の迸り。

そのようにジブリールはあでやかになった。
私のキャラでこれほど長く立ち去らないのは彼だけだ。


「おまえを。
 ――おまえと。
 ――行こう。

 ……ハイユ」



PLがどーでも、PCは勝手に経験値で育つもんだなー……


-

- 2002年10月03日(木)

黄金や宝石。

1:
学部時代の恩師、K教授のアルバムを見たことがある。
非常にダンディーな恩師であった。
きちんと髪を撫でつけ、パリッとした背広姿。
ネクタイはいつもシャレていて、風変わりなものを着こなしていた。

ともかく、そんなK教授のアルバムを見たのである。
五年前(当時)、だったかな?

えーと。
コレ、誰ですか?(しーん)


2:
髪、のびほーだい。
ヨレヨレのジャンパーの肩はフケだらけ。
シャツ、黄ばんでる。(きゃあ)

んー。

私が固まってると、後ろっから先輩K。
「再婚前の写真だよ」と、耳打ちした。
私は、K教授が奥方に先立たれたのだと思った。

それから二年ほど。

E教授が、
「K教授がねえ、退職金が思ったより少なかったってぼやいてたよ。
 家のローン払い終われると思ってたのにって」
と、口を滑らせた。
「え、でも、K先生のお年なら、家のローン払い終わってそうなもんですけど」
E教授、ニヤっと笑って声を低めた。
「前の奥さんと別れる時に慰謝料で家とられてるからね。
 ローンが残ってるのは二軒目の家だよ」

……ほーう。
K教授が浮気したのか愛人に走ったのか、
はたまた奥さんに愛想つかされ離婚が先だったのかは知らないが、
家庭崩壊の修羅場をくぐってきていたのか。
人は見かけによらんもんだ……。


3:
さて、卒業してから、K教授の退官記念パーチーに呼ばれた。

正式なパーチーであるから、当然K教授は奥方同伴だった。
小柄な、きちんとした感じの人だった。
(予想に反して美人ではなかったが)

ふーむ、服装の趣味もよい。

「教授の服がいつもダンディーなのは奥様のお見立てですか」
「いや、私はこれのマネキンでね」

とても、仲がよさそうだった。
とても、幸せそうだった。
空気が和やかだった。

パーチーの終わり、会場戸口で頭を下げて客を見送る奥方は、
「ありがとうございました」と言いながら、泣いてた。


4:
人間の業は、どこまでも尽きない。
人間の幸せも、どこまでも尽きない。
死ぬまでは、生きている。

あーうん。
とりあえず、まあ。

初志貫徹ちっくな子供のハッピーストーリーもいいけれど。
業のはなびらの中を、どこまでもどこまでも、
時に転び苦しみ愚痴こぼしながら生きていくのも、いい。

一つの物語の上に自分をのせることは楽だけれど、
それよりも絶えざる瞬間に切り苛まれるほうが、いい。
絶望も孤独も幸福も、愛さえそれほど長い寿命は持たないから。


-

- 2002年10月02日(水)

黄金や宝石。

1:
学部時代のK教授のアルバムを見たことがある。
非常にダンディーな恩師であった。
きちんと髪を撫でつけ、パリッとした背広姿。
ネクタイはいつもシャレていて、風変わりなものを着こなしていた。

ともかく、そんなK教授のアルバムを見たのである。

えーと。
コレ、誰ですか?(しーん)


2:
髪、のびほーだい。
ヨレヨレのジャンパーの肩はフケだらけ。
シャツ、黄ばんでる。(きゃあ)

んー。

私が固まってると、後ろっから先輩K。
「再婚前の写真だよ」と、耳打ちした。
私は、K教授が奥方に先立たれたのだと思った。

それから二年ほど。

E教授が、
「K教授がねえ、退職金が思ったより少なかったってぼやいてたよ。
 家のローン払い終われると思ってたのにって」
と、口を滑らせた。
「え、でも、K先生のお年なら、家のローン払い終わってそうなもんですけど」
E教授、ニヤっと笑って声を低めた。
「前の奥さんと別れる時に慰謝料で家とられてるからね。
 ローンが残ってるのは二軒目の家だよ」

……ほーう。
K教授が浮気したのか愛人に走ったのか、
はたまた奥さんに愛想つかされ離婚が先だったのかは知らないが、
家庭崩壊の修羅場をくぐってきていたのか。
人は見かけによらんもんだ……。


3:
さて、卒業してから、K教授の退官記念パーチーに呼ばれた。

正式なパーチーであるから、当然K教授は奥方同伴だった。
小柄な、きちんとした感じの人だった。
(予想に反して美人ではなかったが)

ふーむ、服装の趣味もよい。

「教授の服がいつもダンディーなのは奥様のお見立てですか」
「いや、私はこれのマネキンでね」

とても、仲がよさそうだった。
とても、幸せそうだった。
空気が和やかだった。

パーチーの終わり、会場戸口で頭を下げて客を見送る奥方は、
「ありがとうございました」と言いながら、泣いてた。


4:
人間の業は、どこまでも尽きない。
人間の幸せも、どこまでも尽きない。
死ぬまでは、生きている。

あーうん。
とりあえず、まあ。

初志貫徹ちっくな子供のハッピーストーリーもいいけれど。
業のはなびらの中を、どこまでもどこまでも、
時に転び苦しみ愚痴こぼしながら生きていくのも、いい。


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- 2002年10月01日(火)

せいしゃいん。

1:
半年間の試用基間が終わり、本日をもって正社員(えっへん)
と、いうわけで。

本社で同期どもと一緒に、組合の研修などを受けてきた。

……顔がね、やっぱり、変わるね。
みんな。

と言いつつ……会場をうっかり間違えそうになったが(ふ)
成長してるんだかしてないんだか。


2:
お知らせ通達の時間は12:45。
割りに早めに本社について水戸に配属になってたIとAに会う。

ひ、ひげ……。
I、その髭は!?
まるでインチキ詐欺師のようだ(くらくら)

Aは変わっていないのう。
相変わらずだ。
苦労したんだかしてないんだか……。

不仲説も聞いていただけに、仲よさそうな二人見て安心する。

と。
ウチの相棒Nから電話だ。

「どこいんの?」
「え、本社の食堂……」
「ばーか、●●ビルだよ!」
「え……」

AとIとともに●●ビルに向かう。
……その途中でYから電話が入る。

「今どこいるの?」
「え?●●ビルに向かうとこ」
「本社だよ」
「……え?」
「本社だよ。もうみんないるよ」

果たして、戻る。
みんな、いたさ(くらくら)
Nも遅れずに戻ってた(ふぅ)


2:
K局長とお食事。
お食事会。
……弁当だ。

まあ、なごやかに、なごやかに。
社の経済状況などを腹んナカ「ほんとか?」思いながら聞いてたり。
うちの社に昔仕掛けられていた爆弾の話(ひー)とか聞いたり。
不発弾を半年後にみつけるってどうよ……。

Oちゃんとか、Yくんとか、Hくんとか。
苦労話とか、自慢話とか。

みんな、同じ時間を過ごしてたんだ。
おんなしような、苦労もしたんだろう。
そんななかで、それぞれがそれぞれの道、歩いてきた。
見てきた風景は違うね?
願ってきたことも違うね?
ああ、でも。なにかはまだ、変わってないね?

ねえ、短くはなかった。
ねえ、それでも。
道はなんて、いつも美しいのだろう。


3:
おのれ、台風。
非常事態を受けて六時半で切り上げである。
くっそー……。

飲み明かしたかった、語り明かしたかった。
どんな風景を見てきたのか、知りたかった。
聞きたかった。見たかった。

おのれぇ、台風……(くくく)


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