fantasia diary* 

ほどよくダラダラをモットーに。 
アコギをゴロゴロ弾くように。 

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2004年03月14日(日) 犬と月

眺めるだけの恋というものをしたことがあるだろうか。
犬は正にそういう気持ちで月を見ていた。
彼は目が悪いので、星はあまり見えない。
月はただひとつ月であることが、犬が月を愛する理由だった。
真っ黒に濡れて光る目玉から、真っ空にぽっかり載った餅に向かって
気持ちが吸い寄せられるのを、楽しく思っていた。
彼にわかる、数少ない星にたまに目をくれてやっても、
あちらはただちかちかしてばかりで、彼を呼んではくれなかった。
(星の名前を一つも知らないとは言わないが、
 どの場所にあるものがどれ、とはなにひとつ当てはめられなかったからだ)
あのチーキーな丸い頬。もしくは向こうを向いたら丸い尻ってことになる。
微笑みを願ったりその声を思ったりしながら、会えない間はメシ食って寝る、
純粋でもったりとした、理想の恋である。

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