心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年03月26日(月) 身体・精神・依存・毒性

こんな表を考えることができます。

+−−+−−−−+−−−−+
| \| 依存 | 毒性 |
+−−+−−−−+−−−−+
|身体|身体依存|身体毒性|
+−−+−−−−+−−−−+
|精神|精神依存|精神毒性|
+−−+−−−−+−−−−+

身体(からだ)と精神(こころ)、依存と毒性、これで4分割します。

たとえば身体の行と・依存の桁を見ると「身体依存」。たとえば、酒が体から抜けていく時に、離脱症状として上半身の大汗や、手足のしびれや震えが起きることがあります。これは、体がアルコールに依存してしまって、アルコールがないとバランスが取れない状態です。

酒でストレスを紛らわすこと(紛らわせたつもり)を続けていると、ストレスを感じると酒を飲まずにいられなくなります。これがひとつ下の欄の「精神依存」です。
例えば、昼食後に喫煙室でタバコを吸おうと思ったら、人がいっぱいで入れず、悔しい思いをしたとします。これも精神的依存でしょう。

タバコの身体依存というのは、例えば起床後30分以内にタバコを吸わないといられないという症状です。寝ている間は吸えなかったので、血中ニコチン濃度が下がってしまい、すぐにニコチンを補給する必要に迫られているのです。

右側に移って「身体毒性」は分かりやすいです。「酒は百薬の長」という言葉には「されど万病の元」が続きます。肝臓腎臓は言うに及ばず、全身くまなく酒の害はあります。酒をやめたAAメンバーにとって、体の調子が悪いという話題は、まるで天気の話題のように一般的な話題です。

最後は「精神毒性」。酒を飲み続けたせいで、ひがみっぽくなったり、嫉妬深くなったり、疑い深くなったり・・・。ともかく人間関係の摩擦を生み出す方に変わっていきます。あるいは、無気力になったり、自己破壊衝動が強くなったりして、社会生活に影響がでます。
タバコは吸えないと激しくイライラしますが、それによって性格まで変わってしまうことはなさそうです。依存対象の物質によって、この4つの升目それぞれの強弱は違います。

左半分を「依存症」、右半分を「中毒症」と呼ぶこともできそうです。

しかし、体と心の境界線があいまいであるように、依存と毒性の境界もあいまいであり、概念上の分類に過ぎないのかもしれません。もっとも、病気の名前そのものが、あいまいなものに区切りをつけるための便宜に過ぎないのですが。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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