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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年01月28日(日) 自己責任 僕も最初の頃は、長野県には良い病院もないし、自助グループも少なくて・・・、と事あるごとに言っていました。どこかに理想の病院とか、理想のグループがあって、そこへ行けば救われるような気がしていました。
その理想が投影される先が、国立の著名な病院だったり、毎晩ミーティングに通える都会の環境だったりします。でもそれは単なる甘えでしたから、現実にそこへ行けてたら「思っていたのと違う」と文句を垂れたことでしょう。
だから、県外のAAメンバーからは「誰かに何とかしてもらおう」ではなく、「自分で状況を変えなさい」と何度も言われました。
自助グループに通うのに、片道2時間ぐらい当たり前だと言われました。それが遠いと言う人は、例え同じ町内に会場があったって通わない。福祉がタクシー代出してくれたって通わないのです。進学希望の高校生が、チャリと電車で2時間かけて学校に通っていても、アル中さんは自分の命のためにそこまでできないらしい。
誰かに柱に縛り付けられて、無理やり酒を流し込まれたわけじゃありません。全部自分の手で飲んできたのです。
「私は田舎だから回復できない」と言う人がいれば、「私は幼い子供から手が離せないから回復できない」という人もいます。「お金がないから」「仕事があるから」「体が悪いから」。すべて他の人を納得させる理由じゃなくて、自分に対する言い訳です。
世の中には、依存症に対する偏見を取り除いたり、治療の取り組みを進めるために、地道に活動している人たちもいます。依存症に偏見のある世の中を嘆いている人に、「じゃあ、そういう団体に五千円寄付してあげたら」と言っても、まずしないでしょう。
だって、世の中を変えたいなんて思ってなくて、単に嘆きたいだけなんだから。
回復の責任が自分にあると認めないで、世の中が(誰かが)自分を助けてくれないと困ると言っていたほうが楽ですから。
ミーティングに通って話をしていると、自分が言い訳をしゃべっていること気づくことがあります。ステップ5のときにも、自分の言い訳に気づくことがあります。
言い訳をゼロにすることは難しいですが、自分が「言い訳をして、目の前の現実からトンズラしたがる」傾向があることには、気づかざるを得ないわけです。
ともかく自助グループに通ってください。例え、うつで夕方まで寝ていても、38度熱があっても、不安発作で死ぬほど苦しくても(死なないから)、来なさい。何もしゃべらなくても、1時間半そこに座っていることから、回復が始まりますから。
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