心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年07月11日(月) 無料?

月曜のAAミーティングに毎週出るというプログラムはとりあえず今週で終了します。今後は体調と相談しながらということになります。病院から送迎していた仲間とも会えなくなりますが、彼も公営住宅への応募が書類審査を通ったそうなので、あとは抽選に当たれば、自転車で自力でミーティングに通ってくるでしょう。

仲間のバースディミーティングでした。僕の左には18年の仲間が、右にはその入院中の仲間が座っていました。僕ら3人は9年前にもこんなふうにして、一緒にミーティングをしていました。左の仲間の18年前の状態と、右の仲間の現在の状態はとてもよく似ています。9年前には右の仲間はもっとたくさんのものを持っていました。でも、その状態では彼のAAプログラムは始まらなかったのでしょう。依存症本人には失ってみなければわからないことはたくさんあります。それはそれで仕方がないことなのでしょう。でも、子供はかわいそうであります。

アメリカでは回復者の6割がAA以外が占めるようになって、AAの特長といえば「無料であること」ばかりが強調されているそうであります。軍のラジオではAAのコマーシャルが頻繁に流れていて、「会費も月謝もない」と連呼しているといいます。でも、AAも無料ではないんですよね。
ただ、田辺さんが別れの言葉に書かれたように、「止めはじめでがたがた震えているアル中に、会場費のことも、その他いろんなことも心配しなくて良いんだよ。今は自分の回復だけに集中しなさい」と言えることが大切なんだということなのでしょう。

昔はAAメンバーの特殊技能(たとえば翻訳とか)は、「メッセージを運ぶため」に必要とあれば無料で供出されるのが当たり前でした。ですが、現在ではしだいに、その人がAAメンバーであれ、外部の業者であれ、専門の能力の提供にはなるべく対価を払うという方向に進んでいます。
「12番目のステップ」はあくまで無料で行われなくてはいけません。たとえば「AAセラピスト」という看板を掲げて有料でセラピーを行ったら伝統から外れることになります。でも、AAメンバーの精神科医が(実際にいるんだよそういう人が)アル中を診察するのに、診療報酬を請求しないということはありません。

NPO法人になったJSOですが、収入の6割以上を占めている出版は「収益を上げる事業」ということになるでしょう。その収益を本来業務の「メッセージを運ぶ」に回すことは別に問題のないことであります。また、本来業務に対して「献金」という名前の収入を得ることもなんら問題ではありません。

「報酬がピーナッツだけだったら、集まるボランティアはサルだけ」というのはAAのパンフレットのどこかに書かれていたことです。12番目のステップは無料で、でもサービス活動には対価を。何に対して支払って、別の何に支払わないかは、いつだって議論の対象であります。
一方、物品や役務を提供したメンバーは、請求書を提出するかどうか、自分で決める自由があるとも言えるのでしょう。

土日はお休みした障子張りも続きをしました。あと1枚だけになりました。
テレビの修理もしました。もちろん僕に高圧回路をいじれるわけもなく、ただ接触不良を直しただけです。

近所の大型家電店のテレビのアンテナ配線コーナーで、UHF/UHF混合機とフィーダー線を探していましたが見あたりません。店員に聞いてみたものの「UU混合機って何ですか?」とか「デジタル放送の時代にフィーダー線とは」などと間抜けなことばかり言っていて話になりません。松下の電器屋さんをやっている仲間に電話をかけて、フィーダー線の在庫を持っていないかたずねてみたら、わざわざ倉庫を探してくれて「どっかにあるはずなんだけど、見あたらない」という返事をもらいました。悪いことをしてしまいました。僕は300Ωの線と言ったのですが、UHFは200Ωだそうであります。さすが専門家は違いますね。

必要なものはホームセンターでそろいました。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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