心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年05月16日(月) 監禁

若い娘を監禁する犯罪がふたつほど公になっています。公にならないのを含めればいったいどれだけあるのやら。女子高生を数ヶ月監禁しても、監禁した方の親がお金持ちだったりすると、たっぷり謝罪金を払ったりなんかして、裁判で執行猶予のついた判決が確定しちゃったりしています。新聞紙面をにぎわしている犯人たちは、なんとなく貧乏そうで、そこらへんが公になるかならないかの分かれ目だったりするんじゃないかと、勘ぐってみたりします。

台北で不正コピーのソフトを買ってきたことがあると言う話は以前に書きました。普段日本では恥ずかしくて買えない「美少女ゲーム」も5本ほど買ったことがあります。そのうち2本は監禁して調教というような内容だったかな。まあ、「こつこつやって積み上げる」という作業が嫌いな自分ですから、監禁した少女をこつこつ調教するなどという作業を積み上げる根気もなく、ほったらかしになってしまいました。

しかし、そういう商品が存在すると言うことは、そういうものを欲するマーケットが存在するということです。ゲームが現実に実現できない願望の代替手段かというと、必ずしもそうではないことは明らかな訳で、美少女ゲームのプレーヤーの多くは普通に社会生活を送っているのでありましょう。
棚には美少女ゲームがぎっしりという男でありながら、かわいいリアル彼女を持っているという男もいることだし。
だが、中には現実と仮想の境界が曖昧になっちゃう人もいるのが困ったものであります。

昔あるAAメンバーに、あなたはキレやすいから、これからもずう〜っとAAに通い続けたほうがいいよ、と言ったことがあります。そのとき彼は「はいはい」と良い返事をしていたのですが、家を建てたりして仕事に熱心になったとたんに顔を見なくなりました。
次に彼の消息を聞いたのは、精神病院に入院したという話だったので、面会に行ったのですが、その許可はおりませんでした。しばらくその理由は分からなかったのですが、同じ病院からAAに来てくれたメンバーの話から、彼が酔っぱらって警官を殴ったこと、心神喪失を理由に裁判を受けさせてもらえず不起訴になって、精神病院に処置入院になったこと、そしてその期間は5年とあらかじめ決められていることなどが明らかになってきました。

近親者でないと面会はできないそうなので、後日別のAAメンバーを面会に訪れることにして、ついでに彼に会ってこようと思いました。閉鎖病棟に何年も入っていたおかげで、拘禁症の症状がでているようであります。一日の大半をベッドにもぐって過ごしているようです。「ひいらぎは元気か?」というのが僕に届いた伝言でありました。

刑法39条は多くの人の「裁判を受ける権利」を奪っていると僕は考えています。もし彼が(おそらくは)実刑をくらっていたとしたら、元気に刑務所で懲役に服していることでしょう。少なくともボケた人のような日々をベッドの上で無為に過ごすことはなかったはずであります。(そのかわり彼の属する一族は、身内から前科者を出さずに住んだのかもしれませんが)。

拘禁症とまではいかないが、長年精神病院を住処にするうちに、病院の外で社会生活を送れなくなってしまった人々はたくさんいます。英語でホスピタリズムという病名がつけられています。統合失調症の症状が枯れた状態とは別で、本来精神的には健康を取り戻しているはずが、3食昼寝付きの環境に心身が過適合してしまって抜け出せなくなるという症状でしょうか。。
「どこの病院にもある話だ。解決の方法があったら教えて欲しいくらいだ」と、正直な勤務医に話を伺ったことがあります。
監禁とは過酷な体験であり、だからこそ刑罰に使われるのでありましょう。

またバースディのプレゼントを郵送でいただきました。ありがとうございました。
こうして外で勝手なことを言っていられる状態に感謝であります。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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