ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」
たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2005年01月18日(火) 穴掘りプロジェクト 僕はコンピュータープログラムを組むことを生業としています。
何もないところから、プログラムが生まれ、成長し、(完成することはないけど)ある一点に向かって収束していきます。その過程を歩んでいくのが楽しいです。
プログラムを客先に納入するときは、なんだか子供を旅に出すような気分です(旅に出したことはないですが)。そのプログラムが役に立つとうれしいです。それで客に感謝されれば二重にうれしいですが、それは本質的なことではありません。ともかく、できあがった存在として役目を果たすということが大事なのです。
ところが仕事が仕事である限り、本来の役目以外の役割を担わされたプログラムが計画されることがあります。たとえば「顧客に誠意を見せるため」に作られるプログラムや、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」式のプロジェクトであるとか・・・。
本来の役割を果たさないプログラムの存在は、なんだか悲しいです。それに延々とつきあわされる仕事は、とても空しいです。
「庭に穴を掘る」という例えをします。スコップで庭に穴を掘っていきます。穴が掘れたら、今度は埋めます。埋まったら、また掘ります。そしてまた埋める・・・延々これの繰り返し。もしこの作業を「仕事として給料を上げるからやってごらん」と言ったら、「はいはいやります」と手を上げる人もいるのかもしれません。
こういうことに強い人もいれば、弱い人もいるでしょう。でも、鞭を持って強制労働でもさせない限り、いつか人は無意味な作業に嫌になってやめてしまうものだろうと思います。人間とはたぶんそう言うものです。
僕は穴を掘るのがなんだか嫌になってしまったのです。周りの人が黙々と穴を掘っているのを見て、これでいかん、もっと真面目に掘らなくてはと思うのですが、そう強く思えば思うほど、砂をかむような気分になっていくわけです。
「根気が足りない」「気分屋」「職人気取り」 まあ、なんと言われようとも、そういうところは変えようないのだと思うのです。
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