心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2004年01月16日(金) 唯一の例外

年賀状の返事が電話でやってくる場合もあります。

断酒会の方とのお付き合いはほとんどなくなってしまったのですが、(今のところ)最後の入院のときに同部屋だった人のうち、お一方には年賀状を欠かさないことにしています。そしたら、その方から年明けに電話がかかってきました。身内の方が亡くなったので欠礼の連絡でした。

共通の話題というのはあまりないので、勢い同じ部屋に入院していた人々の消息に話が及ぶことになります。4人部屋でしたが、途中で退院していく人もあり、入院してくる人もありで、数を数えれば10人ぐらいでしょうか。
すでに飲んで亡くなった人もあり、飲んで入院した人もいます。一方で無事な一群というのは、主に断酒会かAAのどちらかにつながっている人々です。その中で唯一、どの自助グループにも行かずに断酒生活を何年も保っている方がいらっしゃいました。
しかし、昨年その病院(僕の出身病院)に病院メッセージに行った時に、どうやらその人ではないかと目される人が患者さんの中にいました。生気が抜け、顔色も悪かったので、同一人物には見えず、他人の空似ではないかと疑ってもいたのです。

電話でのゴシップで、僕が見たのはまさにご本人だということが確認されました。
これで僕と同部屋だった群では、断酒生活=自助グループという図式に例外がなくなったというわけです。もちろん、群をもっと大きく取れば、例外はたくさんたくさん見つかるでしょう。
だが、僕は僕自身を説得する材料さえあれば十分です。自助グループも人間の集まりですから、そこに人間関係の軋轢が発生しないわけはありません。時にはきわめてクダラナイことをやっている気になって滅入ることもあります。でもそれは僕に必要な集まりです。
病院メッセージは、AAという自助グループがあって、そこではこういう回復のプログラムがあるということを紹介に行くわけです。でも、そこで自分が目にする姿は、自分の未来像のひとつでもあるのです。忘れっぽい僕にとって、自分がどんな障害を抱えて生きているか、思い出すにはもっとも手っ取り早い手段であります。

珍しく同僚たちと夕食を食べて帰宅したら、妻がうつで寝込んでいました。「先に寝込んだ者勝ち」という夫婦なので、この週末は家事に追われそうな、やな予感です。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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