天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

安心 - 2003年02月15日(土)

「二日酔い〜」って、朝8時半にジャックから電話。
そういうワケで、ジャックとのディムサムはキャンセル。
1時間遅らせて、ジェニーとふたりでチャイナタウンよりチャイニーズな町のディムサムに出掛ける。雪は降らなかったけど外はキンキン寒くて、アイススケートもパス。ジェニーが新しいリネンを買いたいって言うから IKEA に行くことにした。食後のコーヒーをスターバックスで飲みながら、マジェッドに電話する。買い物が終わってから、取りあえずマジェッドんちに一緒に行くことになった。

お掃除しなくていいよって言ったのに、バキュームしたてってすぐわかるくらいお部屋は綺麗だった。キッチンのシンクに山積みになった食器を除いて。ジェニーが来るのにお掃除しないわけがない。

あんなにたくさんディムサム食べたのに、IKEA でかわいい物たくさん見つけて、「結婚したらキッチンにこういうカウンターつけたいなあ」「あたしはもう一生こういうキッチンのあるおうちには住めないだろうなあ」とか言いながら3時間くらい歩き回って、おなかがすいた。

しばらくおしゃべりしてから近くのターキッシュ・レストランにマジェッドの車で行く。あの界隈が好きだ。カダーのルームメイトはたいくつって言うけど、カダーは好きだって言ってた。「ここが恋しい?」「恋しいよ。来たらほっとする。あなたはここが好き?」「好きだよ」って。

いつのまにかちょっと詳しくなった地中海料理。ターキッシュ・コーヒーとターキッシュ・ディライトでひとりだけデザートまで楽しんで、携帯をチェックしたら missed call が入ってた。「カダーだ」ってふたりに見せる。携帯鳴ったこと気がつかなかった。「メッセージも一件入ってるじゃん」ってジェニーに言われて聞いてみたら、あんまり遅いから電話してきたマジェッドのメッセージだった。「今気づいたの?」ってマジェッドが笑う。ジェニーがマジェッドに「カダーはガールフレンドがいるの?」って聞いてた。メッセージ聞いてたからマジェッドの返事を聞きそびれちゃった。

「プールに行く?」って、どうしてもプールがしたいらしいマジェッドが言ったけど、ジェニーはプール・バーはスモーキーだからイヤだって言った。マジェッドが行きたいそこは全然そういうんじゃなくて、音楽もいいし踊れるし、素敵なとこなんだって一生懸命言ってたけど、「ふたりで行って来なよ」ってジェニーは言う。わたしはちょっと行ってみたかったけど、ジェニーが行かないなら行くわけにいかない。

カダーにかけ直さなかった。
「アンタ、カダーに来て欲しいの? 欲しくないんでしょ?」ってジェニーが言った。
「カダーが来たいって言うならいいよ」って答えたら、「どうしてアンタはいつもいつも自分にそういう仕打ちをするわけ?」ってジェニーが怒る。そして、「ほんとにいつだっていつだって相手のことばっか考えるんだから。ちょっとはあたしみたいにセルフィッシュになってよ。ね、そう思わない?」って最後はマジェッドに向かって言う。「アンタみたいになんかなりたくないよ」ってまぜっかえして笑わせた。「セルフィッシュにならなくていいけどさ、カシコクならなきゃ」ってマジェッドに言われちゃった。

違うんだ。別にカダーのこと考えてそう言ったわけじゃない。カダーがわたしに会いたいなら嬉しいからわたしも会いたいし、カダーがわたしに会いたくないなら悲しいからわたしも会いたくないだけ。


マジェッドのアパートに戻って、それからジェニーは帰省してる高校時代の友だちに会うために帰ってった。マジェッドが駐車場までジェニーを送ってく。「あたしはどうしようかな」って言ったらマジェッドが「いなよ」って言うから、「じゃあしばらく戻って来なくていいよ。ここに男呼んでいい?」って、ジェニーにバイしてふたりを送り出した。ひとりで待ってるあいだに思いついて、キッチンに山積みになった食器を洗う。汚れた食器が山積みになってる理由は分かってる。右手が自由にならないで、食器洗いが簡単に出来るはずがない。ディッシュウォッシャーがあるんだから使いなよって言ったけど、それだって最初に手ですすぎ洗いしなくちゃ綺麗には取れない。

戻って来たマジェッドに聞く。「ジェニーと話したの?」。
「僕のことをもっと知って欲しいって言ったけど、『あたしたちの間に発展するもの何もはない』って言われた」ってマジェッドは言った。


HBO で「ハリーポッター」をやってた。「Harry Potter and the Sorcerer's Stone」。
全部観てから、HBO2 でやってた「Baby Boy」を観る。
ハリーポッターはわくわくのどきどきで楽しかったけど、Baby Boy は観るのにもっと力が入った。マジェッドと何もしゃべらずに、お手洗いも我慢して没頭した。

暴力的でスラングとダーティーランゲージだらけの映画。でもそれさえ体にすんなり溶け込むくらいにのめり込む。経済的にも社会的にも精神的にも、全てのことにインセキュアなブラックピープルの日常。子どものように無意識に安心を求めてる彼らと彼女たち。それがテーマかどうかわからないけど、わたしにはひしひしと伝わった。

カウチに隣り合わせに座りながら、何も話さなくても、隣りに誰かがいることにほっとしてた。
マジェッドの居心地良さは変わらない。一緒にいると自分がセキュアだと思う。多分わたしが求めているのも、そういうセキュアな精神状態だと思う。愛じゃなくて、決して愛に限らず、全てのことに。映画の中の彼らと違うとこは、わたしは意識して求めてるっていうこと。無意識に求めていたことに気がついているってこと。


映画が終わったら朝の3時過ぎになってた。「哀しいね」って言ったら、マジェッドは「全ての黒人がみんなおんなじではないだろうけどね」って言った。そう。そして多分「社会的」を除けば、似たような哀しみはどこにでもある。いいよって言ったけど、マジェッドは車のとこまで送ってくれた。氷のような冷たい空気の中で、ぎゅうっと両肩を覆うようにハグしてくれた。マジェッドの革のジャケットが冷たかったけど、甘えるみたいに抱きついた。大好きな友だち。居心地のいい安心。


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