平気 - 2003年02月13日(木) 仕事から帰って来てすぐに電話する。朝かけてってあの人が言ったから。 「おはよ〜」ってヨレヨレの声で言うから「ハッピーバレンタインズ・デ〜!」って元気いっぱい言ったら、「酔った。気持ち悪い。チョコレートちょうだいー」なんて返って来た。ゆうべ一晩飲んだらしい。 昨日リカーショップでおもしろかったこととか、お酒買ったこととか話して、飲めもしやしないくせにって笑われて、男のために買ったんだろって言われちゃって、僕もそっちのリカーショップに行っておもしろい酒見つけたいなあって言うから「早くおいでよ」ってまたそこに辿りつく。一緒に行くお店のリストが増えるばっか。楽器やさん、CD やさん、おもちゃやさん、古着屋さん、革やさん、アクセサリーやさん、靴やさん、ハンバーガーやさん、あとなんだっけ。全部あの人の好きなもの。 飲めもしやしないくせにって、覚えてくれてる。会った最初の日の夜、「飲みに行く?」ってあの人が聞いて「飲んだらすぐ寝ちゃうよ、あたし」」って言ったら「じゃあヤメ。寝られたら困る」ってあの人が言った。朝まで一緒にいる約束だったから。 会える日待っても会った日思い出しても、もう悲しくない。泣かない。 あの人何度も「吐きそう」って言ってた。バレンタインズ・デーなのに「吐きそう」って言われてサイテー。そう言ったら、「好きだから許してー」って言う。 「ちゃんと言って」「「好きだよ」「も一回言って」「ほんとに好きだよ」。嬉しくて名前を呼んで言う。「大好きよ」。「僕も好きだよ」。あの人も名前を呼んでくれる。「大好きじゃないの?」「大好きだって」。 ああ幸せ。ちょっと酔いしれてたのに、突然「ヤバイ。吐いてくる」って、びっくりした。シャボン玉ぱちんって壊れちゃった。ほんとにそんなに吐きそうだったんだ。「大丈夫? 早く吐きに行って」。慌ててそう言って切る。ほんとにロマンティックから遠い人。でもいいか。たくさん話せた。よくないのか。あの人吐きそうなの我慢してたんだ。だけど切る前にちゃんとキスしてくれた。「喉まで来てる」って言いながら。 「明日はあたしのバレンタインデーだから、あなたから電話してね」って言ったけど、わかんない。今日はバレンタインのイベントが朝まであるって言ってたから。でもバレンタインズ・デーが二日続けてあるみたいで嬉しい。そんなの、わたしとあの人だけ。 今度の日曜日の日帰りスキーもキャンセルになっちゃった。バスのチケットが売り切れだって。誰も深い雪道運転したくないから、バスで行くことになってた。 スキーに行かないならジェニーは日曜日は教会に行きたい。だから土曜日にジャックとまたディムサムに行ったあと、このあいだ行かなかったアイススケートに行くことにする。マジェッドに電話した。スキーの代わりに誘った。週末は大雪だって言う。「雪ん中セントラル・パークでアイススケート?」ってマジェッドは言う。「そんなに降るの?」「1フィートは積もるらしいよ」「じゃあなんかオプション考えといてよ」「プールは? プールするならカダー連れてこうかな。イヤ?」「・・・。いいよ。カダーがいいっていうなら」「聞いてみるよ」「うん。あたしね、もうぜんっぜん平気になったんだ、カダーのこと」。 ちょっと嘘。 明日のバレンタインズ・デーの夜、「アイツらと出掛けるよ、多分」ってマジェッドは言った。 アイツらって、カダーとルームメイトのこと。 カダー、バレンタインいないんだ、ってほっとしてちょっと泣きそうになった。 「チョコレートちょうだいー」 「あげない。チョコレートは彼女がくれるでしょ?」 「会わないよ。今日はずっと仕事だもん」。 今日じゃなくても、くれるでしょ? いいんだ。平気。前よりずっと平気。 結婚の日が来るまでは、取りあえず平気。 「ラッキーマン」、もう半分以上読んだって言ってた。 わたしはまだ半分もいってない。頑張って追いつかなきゃ。 -
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