ただ助けてあげたいだけ - 2003年02月03日(月) 昨日、ニーラムのおうちから帰る途中でカダーに電話しちゃった。 近くだったし、なんかお酒飲んで気持ちよくって、かけちゃった。 カダーは電話を取らなかった。 でも全然平気だった。真夜中の高速はガラガラに空いてて、空いてるのと酔ってるのとで「気持ちいいー」ってビュンビュン飛ばしてたら20分でうちに着いた。 2時頃に携帯が鳴る。 「電話してくれた?」 「したよ。取ってくれなかったじゃん」 「うん」 「誰かといたの?」 「いや、そういうわけじゃなくて。今帰って来たから」 もうどっちだって、何だっていいんだけどさ。 カダーの車、とうとうトランスミッションがイカレちゃったらしい。 修理屋さんに見積もり出してもらったら、修理代が買った値段より高くかかるって。 もう捨てちゃって違う車買いなよって言ったけど、別の中古車買うお金もない。 カダーはお金がない。こんなにここにいるつもりはなかったのに自分の国に帰れなくなって、お金が底をついてもここにいるしかなくなった。大学院の授業料は法外に高くて、でも学校を続けてなきゃここにはいられない。外国人だからスチューデントローンも借りられない。仕事はしてるけど家賃と授業料と生活費を払って余裕が出来るほどじゃない。 アメリカはなんだって出来る国、自由な国、って人はよく言うけど、違う。 違法なことをしない限り、誰ひとり頼る家族も親戚もいないお金のない外国人が、自分の力でたったひとりで生きるのは大変だ。何も自由にならない。カダーは、どうにもならなくなったら自分の国に帰ればいいって、そういうわけにすらいかない。 そのうえ、こんな大都会でだってシティに住んでいなけりゃ車は必需品なのに、いろんな制約を抱えながら人よりまだ自由になれないカダーから車を取っちゃったら、ほんとに自由のかけらもなくなってしまう。大げさじゃなくて。 「お金貸してあげるよ」って言っちゃった。 わたしのインターン生活もカダーと似たようなものだった。仕事始めてからだってずっと。 今のわたしに人にお金を貸すほど余裕が出来たわけじゃない。だけど、カダーの不安とか怖さがわかるから、なんとか助けてあげたいと思った。少しならなんとかなる。仕事がなくなる心配も今はしなくていいし。お金なんか、あとからなんとかなる。 カダーは当然「いいよ。心配するなよ」って言った。 友だちからお金を借りるなんて一番したくないって知ってる。 「あたしのこと、家族のふりしてよ。そしたら少しは気兼ねせずに借りられるじゃない?」 「家族なら返さないよ」ってカダーは笑った。 知ってる。絶対「yes」って言わない。 だけどどうするの? なんとかなるの? 「分かってるよ、あたしからお金借りるなんてことしたくないって。でも、もしもなんにも方法が見つからなくて、どうしようもなかったら最後の手段にして」。 今日ジェニーに話しちゃった。それから「あたし貸してあげるって言っちゃったよ」って言った。 あまりにもお人好しすぎるって呆れられた。「アンタ、どこに人に貸すお金があるのよ? 自分がホームレスになるじゃん」って。 うん。でもカダーは自分から貸してって言わないよ。 だから。 だから、貸してあげるかもしれないけど。わたしから。 わかんないけど。カダーはちゃんと別な方法見つけるかもしれないけど。 危ないのかな。 また危ないことやっちゃいそうなのかな。 間違った選択だと思わないんだけど、違うの? ただ助けてあげたいだけ。 わたしのことならなんとかなるって、なんかそう自信持って思うんだけど、 それって神さまのオーケーサインじゃないの? -
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