あなたが好き - 2002年11月05日(火) ガールフレンドがいるのにこんなことしたらダメじゃんって言ったら、ガールフレンドなんかいないってカダーが言った。ガールフレンドなんかじゃなくてただ一緒に出掛けるだけだって。あれから誰とも寝たりしてない。きみが恋しかった。恋しかった。 じゃあなんで、わたしを捨てたの? 悪かった。だけどそれにはいろんな事情があった。 簡単に説明出来ることじゃない。 あなたはわたしに何も説明してくれない。わかんないよ。なんで? あなたはわたしを捨てたんだよ。 わたし、悲しかった。でもあなたが自分のために選んだことならいいって思った。 だから一生懸命悲しいのから抜け出そうとした。 ほんとに悪かったって思ってる。きみを傷つけた。悲しませた。 あなたは知らない。わたしがどんなに淋しくて悲しかったかなんて。 悲しいからあんなことしたの? 違う。そうじゃない。 それが聞きたかった。それが聞きたかったんだよ。 あなたのルームメイトはわたしを助けてくれてるの。あなたのルームメイトがずっと助けてくれてて、頑張って頑張って、やっと抜け出せそうになとこまで来たの。あなたは彼に言ったんでしょ? 時間が癒してくれるからって。もうわたしとは前みたいに会ってくれるつもりはなかったんでしょ? なのになんで? なんで? なんで今わたしを抱くの? だから、気がついたんだ。きみのことがほんとに好きだって。 きみにいて欲しいよ。きみにずっといて欲しいよ。 だけど愛してくれるわけじゃない。 わたし、わたしを愛してくれる人を見つけるの。あなたがそうしろって言ったんだよ。 きみは僕がまだ好き? 好きだよ。そう言ったじゃない。 抱き締めて。抱き締めて。キスして。何も言わないで。喋らないで。 カダーの胸が好きだと思った。おなかも肩も大好きだと思った。 腕も、首筋も、耳も。 指もくちびるもほほも、みんな。 「あなたが好き。あなたが好き。あなたが好き」。 ほんの一瞬だけ、取り戻せるのかもしれないって思った。 だけどもうあの痛い場所には戻りたくない。 友だちになりたい。 友だちがいい。 いつか叶うように祈りながら眠るときに毎晩信じてきた、痛みのない優しくてあったかい日が欲しい。 愛してくれることを望んでるのかもしれない。 だけど愛せないなら、痛いからもういい。 カダーは眠って、わたしはしばらく寝顔を見てた。 コートを着て靴を履いて、カダーの寝顔にキスをした。 「電話するよ」って、少しだけ目を開けてカダーが言った。 そうっとカダーのベッドルームのドアを開けたら、リビングルームにルームメイトが座ってた。 わたしはびっくりして、ルームメイトは心配そうな顔してた。「大丈夫?」って聞くから、隣りに座って少しだけ話した。 多分大丈夫。でも混乱してる。あなたがカダーに話したことは間違ってないよ。それでよかった。内緒になんか出来ないってわかってるし、わたしたちは何も悪いことをしてない。わたしは大丈夫。ちょっと混乱してるだけ。 「We had a good time」って片目をつぶるから、にっこり笑ってほっぺにキスした。 まだわからなかった。わからないまま、運転してた。 友だちになれる日を信じて、運転してた。 -
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