優しくしてて - 2002年10月04日(金) 昨日、エンドスコーピーを受けに行った。 前の晩に急に怖くなって、カダーに電話した。 「眠らされるんだよ。そのまま起きなかったらどうしよう?」。 そう言ったら、「バカ言うなよ。そんなことあるわけないって」って真面目に答えてた。 「でももしなんかあったら助けてくれる?」 「もちろん。そばにいてあげるよ」 「ほんと?」 「うん、精神的にね」。 そう言ってカダーはカラカラ笑った。 せっかく優しい言葉くれたと思ったら。 カリカリ音がするから「なんか食べてる?」って聞いたら、「シュリンプのクラッカー」って言った。マジェッドが来てて3人で飲んでるって。 「どういうの? 細長いやつ?」「うん、フレンチフライの短いみたいな形」「で、ちょっと捻れてるでしょ?」「うん」「それ、日本のお菓子だよ。あたしが子どものときからあった」「韓国のって書いてるよ」「知ってる、韓国製の。でもオリジナルは日本のなんだから」「ふうん。コリアンもチャイニーズもジャパニーズも僕にはおんなじだよ。・・・だと思ってたよ。きみに出会うまではね」「あたしに会うまでは?」「そう。きみは違う。きみは特別だよ。きみは someone special」。 「すってき〜」って大声で言ったら、カダーは大笑いした。「深く考えるなよ。きみが明日の検査怖がってるから、ハッピーにしてあげただけ」だって。「それだけ?」「それだけ」。 せっかく素敵な言葉くれたと思ったら。 「心配するなよ。大丈夫だから。僕が今夜祈っててやるよ。でもね、もしも悪い結果が出たとしてもね、それは destiny だからね」 「Destiny? 起こるときには起こる、だよね? わかってる。受け入れるよ、もし何かあっても」 「そう、受け入れなきゃいけないんだよ」。 It happens when it happens. It happens cuz itユs supposed to. 日曜日に、海の公園でカダーのルームメイトにそう言った。 それが運命ってことなのかな。運命なんて言葉はわからないけど、起こるときには起こる。起こることになってるから起こる。「きみはかしこい子だよ」ってカダーは言ったけど、わたしはいつだってそう思ってる。カダーもそうやって受け入れて来たんだ。 切るときにキスをくれた。2回もくれた。 枕の下に手を置いて、何も考えずに眠るんだよって。おまじないかな。 「安心しておやすみ。優しい夢見るんだよ」。 もう、そのあとに意地悪はなかった。 眠らされてるのに喉を通るときにすごい痛みを感じて、わたしは何か言ったと思う。Dr. ライリーが何か答えたのが聞こえた。でも何て言ったのかはわからない。2時間で麻酔は切れるはずなのに、3時間経っても4時間経ってもまどろみの中で、リカバリー・ルームでベッドから椅子に移されて座ったまま、わたしはずっと眠りと目覚めを繰り返してた。車で帰れないから乗って来ちゃいけないって言われてたのに、平気だと思って乗って来てた。誰かうちまで連れて帰ってくれる人が迎えに来てサインしてくれないと帰せないって言われた。しょうがないから仕事中のジェニーにペイジして、サインオフしに来てもらった。ジェニーは仕事中なのに自分の車でうちまで送ってくれた。 病院にいるあいだオフにしてた携帯を玄関のところでチェックしたら、メッセージがふたつ入ってた。 「心配だよ。うちに帰ったら電話して」って、ほんとに心配そうな声だった。お昼までには終わるって言ってたのに、いつまでも麻酔が切れないせいで帰れなかったから。 すぐに電話する。まだ眠たくて目眩がして、「大丈夫だよ。メッセージありがとうね」って、それだけ言って眠った。カダーは優しかった。とてもとてもとても。 あの人に今朝電話した。レコーディングの缶詰から帰ってきたら一番に電話くれるっていったくせに、昨日かかって来なかった。「留守電入れたんだよ。きみの朝の4時頃。なんでいないのかなあって思った。曲聴かせてあげようと思ってたのに」って言った。電話なんか鳴らなかったし、留守電にメッセージも入ってない。嘘かな。でもあの人のそんな嘘くらい許せる。 あの人の声があったかい。 楽しくて優しくて幸せな時間。 あの人の夢を見た。あの人がここに来て、一緒にシティを歩いてた。買い物をしてた。 夢の中でものすごく楽しかった。目が覚めてからも幸せだった。 明日はカダーは誰と過ごすんだろ。どこに行くんだろ。 優しくしてて。意地悪しないで。 いつから逆さになっちゃったの? わたし、カダーがくれる痛みをあの人に消してもらってる。 一番好きなのはあの人なのに。 -
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