天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

at the bottom of my heart - 2002年10月03日(木)

帰って来たカダーは、わたしの顔を見て少しだけ笑って Hi って言った。「大丈夫?」って聞いたわたしを抱き締めて、料理してるお鍋を覗き込んで「何作ってるの?」って聞いた。そしてルームメイトと何やら笑いながら話して、「少し寝るよ」ってわたしに言ってベッドルームに入って行った。

「昨日あなたがカダーに『ファック・ユー』って罵ったこと、カダー気にしてるんだよ。その子のことよりあなたのことの方、気にしてた」。公園でわたしがそう言ったから、ルームメイトは多分、とてもさりげなく賢く暖かい、男が男にするやり方で、カダーを安心させたんだと思う。ルームメイトはそういう人だった。男になら「I love you」が言えるのにって言ったカダーの気持ちが分かる。カダーは、女の子に言うととんでもないことになるって言ってた。


ごはんを食べて、わたしがカダーのために買ったハーブティをカダーが飲みたいって言った。わたしがパッケージを開けて、カダーがわたしの分も入れてくれた。ルームメイトもあとから自分で入れた。ハーブティはクリスマスの匂いがした。シナモン、ナツメグ、グローブ、バニラ。カダーはウィスキーをカップにたくさん落とした。「ちょっとちょうだい」ってわたしはカダーのカップを啜った。口の中がふんわり熱くなって、喉を通った熱くてパンジェントな液体が、胃を刺激するのが気持ちよかった。「もっとちょうだい」。そう言ってもう一口啜ったあと、「ああ〜」って叫んでカウチから体をはみ出して倒れた。「おい、ふたくちだぜ」ってルームメイトが笑って、「だってあたし、おととい病院のパーティでアップルサイダー4オンス飲んだだけでふにゃふにゃになったんだよ〜」って言ったら、カダーがケラケラ笑った。

カダーが起こしてくれて、カダーのカップに残ってたのを全部飲んで、それからわたしは靴を脱いで暖炉の前で、かかってた音楽に合わせて踊った。
くるくるくるくる踊った。ふたりがゲラゲラ笑いながら見てた。わたしは酔ってるふりをした。「酔った酔った酔った酔ったー」って言いながら、くるくる踊り続けた。
それからハードウッドの床に座り込んで、「あたしストリップダンスしたくなった」ってふざけた。

カダーはランプを消して、暖炉の上のウォールランプを落として、床のスリーピングランプをつけた。「ほら、セクシーなライティングにしてやったよ」「だめだめ。スポットライトがなくちゃあ」。酔ってるふりしながら、ふたりが笑うのを見てるのが嬉しかった。

カダーがカダーの国の CD をかけて、腰を振って踊り出した。
サビのところをカダーは眉間にしわを寄せて目をつぶって一緒に歌った。
いつもみたいにキーがはずれてなかった。わたしは床に座ったまま、そんなカダーを見てた。ルームメイトがそんなわたしを見てた。目が合ったら、ルームメイトはわたしに微笑んで片目をつぶった。

カダーがお手洗いに立って、その間にルームメイトが言った。「幸せそうだね」。「幸せだよ」ってわたしは答えた。そのときはほんとにそうだった。カダーが笑ってるのが幸せだった。

それから3人でまたバカみたいなおしゃべりをいっぱいして、「もう一杯お茶を飲んだら帰るね」って言ったのに、お茶を飲んだらカダーが「もう帰るには遅すぎるよ」って言った。

食事とハーブティのカップの後片づけをわたしがして、カダーがベッドルームに行った。ルームメイトが声に出さずに目配せして「行きな」って首をカダーのほうに振った。ジーンズのままカダーのベッドに潜り込んだら、「ジーンズ履いたまま寝るの?」ってカダーが言った。「あたし帰らなきゃ」って言ったけど、「だめだよ」ってもう半分眠ってるカダーがわたしを抱き寄せた。


ジーンズを脱いだ。カダーにキスをした。たくさんした。カダーは「疲れてる」って言った。それでもキスをし続けた。「やりたかったらあいつのとこに行きなよ」って言われた。ルームメイトのこと。無視してキスをし続けた。「眠りたいからだめだって」ってカダーは言った。「じゃあ手伝って」。わたしはカダーに乳首を触ってもらって、自分でした。わかんないけどそんな気分だった。酔ったふりしてたんじゃなくて、酔ってたのかもしれない。幸せと切なさのごちゃ混ぜに。「ねえ、イクとこ見てて」。ずっと見ててくれた。わたしもカダーの目を見ながら、イッた。カダーはわたしの肩を抱いてた右手で、わたしの口を塞いだ。

目が覚めたら5時だった。ベッドを抜け出して、「帰るね」って寝ているカダーに言った。ドアを閉める前に「バイ」って言ったら、カダーは頭を反らせてわたしを見て、ベッドから笑って手を振った。

まだ真っ暗な中を帰った。
チビたちが待ってた。ふた晩も置いてきぼりにしちゃった。
留守電のランプがついてたけど、メッセージは入ってなかった。
あの人かなって思った。あの人の声がとてもとてもとても恋しくなった。

淋しいときも悲しいときも幸せなときも嬉しいときも、こころの底にいつも痛みがある。


「I always have a pain at the bottom of my heart」。
お昼休みに、胸を押さえてふざけた声で、お芝居口調で言ってみたら、ジェニーとフィロミーナが大笑いした。


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