天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

キッチンの森 - 2002年09月27日(金)

大きなキッチンの窓にかかった緑色のカーテン越しに陽が差し込む。
やわらかな薄いグリーンに染まったキッチンが、森の中みたいに見える。
リビングルームのまん中に立って、ぼうっとしばらくカダーんちのキッチンの森を見てた。

素敵なアパート。
ここに、何度でも来たいと思った。
お庭の木が金色に染まるところを見たいと思った。
ふわふわと落ちてくる雪を外に眺めながら、毛布にくるまって暖炉の火に手をかざして、「夏になったらお庭で BBQ しようよ」って話したいって思った。
そして、朝が来ればキッチンの森に佇みたいって思った。

シャワーを浴びて、カダーのベッドのところに戻る。
カダーは腕を伸ばして、わたしの頭を引き寄せて、おでこにキスしてくれた。あごのところに切り傷があって、「髭剃るときに切った」ってカダーは言った。「まだ痛いの?」「ちょっとね」。そこにそうっとくちびるを触れてから「これで大丈夫だよ。もうすぐ治るよ」って言ったら、「My lovely。My sweetheart。早く行かないと遅れるよ」ってカダーは笑った。

お部屋の外からドアを閉める前に、片目をつぶって人差し指と中指で投げキッスしたら、カダーはベッドの中から、目をぎゅっとつぶってから尖らせたくちびるを音を立てて放して、お返しの投げキッスをくれた。

キッチンの森を抜けて、外に出る。
こんな朝がいつまでも欲しい。


お昼休みに、フィロミーナがアップルパイをくれた。「あんたはもっとカロリーが必要だからね」って。「ちゃんと水分取ってる?」ってローデスが聞く。「私のサンドイッチもあげるよ」ってエスターがツナフィッシュのサンドイッチをくれようとする。

「ほらね、ここはこんなに愛で溢れてるよ。みんながアンタに愛をいっぱい注いでるじゃん。男の愛なんか要らないじゃん」。ジェニーが笑って言う。

「だってそれは種類の違う愛だもん。ときどき頭痛の伴う愛だけど」。ラヒラが言う。
「うん、頭痛は伴うし、痛みは伴うし」
「それでもその愛が欲しいんでしょ?」。

わたし、愛が欲しいの?

わたし、キッチンの森が欲しいの。

カダーの腕の中で迎える朝が好き。
キッチンの森がわたしを迎えてくれる朝が好き。

こんなふうに、ときどき、
こんなふうな突然がいい。
わたし、キッチンの森が欲しい。

愛が欲しいなんて。

誰のでもいいわけないじゃん。


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