エスプレッソにはレモンの皮 - 2002年09月22日(日) 窓の外でデイジーの気配がするから覗いてみる。 デイジーが窓辺にいるチビたちと遊びたくて、スクリーンに鼻を押しつけてくんくん言ってた。 お兄ちゃんチビは全然平気で、いつもデイジーと鼻をこすりつけ合うけど、妹チビはだめ。気が強いばっかで意気地なしだから、フーって威嚇してるつもりだけど、忍び足ですこうしずつ後ずさりしてる。 デイジーは相手の気持ちなんかお構いなしに、どんなときもしっぽを振って目を細めて遊ぼー遊ぼーってチビたちにすり寄る。 大家さんのフランクがお庭にいた。 「プレゼントがあるんだよ」って、顔を覗かせて言った。 エスプレッソ・メーカーだった。 電気のやつじゃなくて、重たいアルミのパーコレーター。 ミルクスティーマーがついててカプチーノも作れる電気のやつが、前の街に住んでるときからずっと欲しかった。でも、フランクがくれたパーコレーターが、「本物」って感じですごくいい。 ちゃんとイタリー製なのもカッコイイ。 2カップ用のちっちゃいサイズもかわいくていい。 エスプレッソの豆も一緒にくれた。スターバックスなんかじゃない。 嬉しくて、「ありがとう。ちょっと早いクリスマスプレゼントだね」って言ったらほっぺたをぎゅってつねられた。 今日はレズも、日曜の出勤だった。B4 のフロアで一緒になった。「あたしランチに行ってくる。あなたはもう食べたの?」って聞いたら、「一緒に食べよか」ってレズは言った。病院の裏のデリでサンドイッチを作ってもらってコーヒーを買って、中庭のパティオテーブルで一緒に食べた。このあいだ行ったレズんちの近くのレストランがすごくおいしくて、また行こうよってレズが言って「明日は?」って聞かれた。 火曜日にカダーと会うことになってるから、明日仕事終わってからレズと出掛けて帰りが遅くなるのをためらった。カダーは明日の晩泊まりにおいでって言ってくれるかもしれないし、なんても思った。だから「明日じゃないほうがいい」って言った。「じゃあ週末だね」ってレズが言った。 帰って来てチビたちのトイレをキレイにして、今日3本めの0.5リットル入りのお水のボトルを飲み干した。今日で4日目。患者さんにいつも言う「一日2リットル」を自分も実行することに決めた。「公園を端から端まで歩く」は昨日一日で挫折。ただ歩くだけなのに。 カダーに火曜日何時に会うのか聞こうと電話したら、携帯が切られてる。 エスプレッソに入れるレモンとたばこを買いに行った。フランクがいつもそうしてくれるから、「エスプレッソにはレモンの皮」がわたしの中に永久インプットされた。ナイフで厚く削るレモンの皮。青くて香りのいいレモンを4つ選ぶ。 デイジーのお散歩に出掛けるフランクと出くわして、「コーヒー煎れた?」って聞かれた。絶対聞くと思った。「今レモンを買って来たの」って言ったら、フランクは嬉しそうに笑った。でも多分今日は煎れない。あと一本お水を飲まなきゃいけないから。 もう一度カダーに電話したけど、やっぱり携帯は切られてる。 夜の11時半。ほかの子とセックスしてるんだろうなって思った。「もうほかの子のところに行かない約束」だってにせものなのに、信じかけてたみたい、わたし。 その子のこと、愛すのかな。もう愛してるのかな。「愛せる子を見つける」って言ったね。 明日、レズとごはん食べに行くことにすればよかった。 エスプレッソ煎れる気分じゃなくなったのは、お水のせいだけじゃないよね。 せっかくレモン買って来たのにな。 -
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