男ともだち - 2002年09月15日(日) 「Hello」って言っただけで、思いっきり明るい「Hi!」が返って来た。 誰かと間違えてんのかなと思ったけど、レズはわたしってわかってた。 病院でこの前話したの、いつだっけ? 多分4、5日は経ってるのに、なんかまるで続きを話してるみたいに、わたしが電話したことも別に驚いてなかった。 「晩ごはん一緒に食べようよ」って言ったら、レズはさっきもう食べちゃったって言った。でも、シティに出ておいでよって言ってくれた。友だちと飲みに行くことになってるから、一緒に来る? って。その前にごはん食べればいいじゃん、僕は軽いものつき合うから、って。 安心した。アパートにおいでって言われたわけじゃないし、飲みに行くのも友だちが一緒。ここから初めて地下鉄に乗ってシティに行った。待ち合わせた駅がアップタウンの方だったから、アップタウンに住んでるんだと思ったらダウンタウンだって言う。レズは自分のアパートの近くにカジュアルで美味しいお店があるからって言って、それから多分ビレッジ辺りに飲みに行くからって言った。 明るい。ほんとに明るい。だからおしゃべりが途切れない。まるでジェニーと話してるみたいに、いっくらでも話がコロコロ転がって行って、それで何のこと話してたんだっけ? って元に戻るのが大変だったくらい。そういえば、病院で短い時間話すときだってそれの縮小版だ。 わたしには日本に仲のいい男ともだちがいる。高校の時の同級生で、ステディにつき合ってた時期があったわけでもなく、初めからほんとにずっとただのいい友だちで、もちろんセックスなんかしたことない。泊めてもらったこともあって一緒のお部屋で布団並べて眠って、翌朝「よく男の横で短パン履いてへそ出して口開けて寝られるよな」って言われた。おととしの夏に日本に帰ったときも、何日か泊めてもらった。お風呂あがりにバスタオル一枚で目の前ウロウロしても全然平気な、全く色気抜きの男ともだち。 レズは、ジェニーよりもその友だちといるときみたいな、そんな感じもした。 女ともだちは日常生活に不可欠だけど、男ともだちはそういうわけじゃなくて、でもたまに一緒に出掛けたいときに、男ともだちとの方がちょっと余分に満たされたりする。そしてわたしはジェニーと出掛けるときよりも、ちょっと余分に満たされてた。 ごはん食べたって言ってたくせに、レズも結局フルポーションのアントレ食べて、おまけにデザートまでシェアした。時計を見たら、ミッドナイトをとっくに過ぎてた。もうおなかがいっぱいすぎて飲みに行く気分がなくなった、ってレズは言ってバーにいる友だちに電話した。「アパートに来る?」なんてやっぱり言わずに、地下鉄の駅まで送ってくれた。最後まで、これもやっぱり、途切れることなくひたすらおしゃべりしてた。改札口のところでレズはわたしの肩に手を置いて、ほっぺたにほっぺたをくっつけてくちびるを触れずにスマックする、親愛のバイの仕方をした。 仲のいい男ともだちになってくれるかなって思った。 セックスする友だちじゃなくて。 でも、わかんない。何かを判断するときのわたしのそういう直感はいつも間違ってるから。 -
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