ジンクス - 2002年09月12日(木) ずっと寒いくらいに気温が低かったのに、真夏みたいに暑かったこのあいだの日曜日。アニーのオフィスのアニーじゃないほうのアニーと、ぼうやのエブラハムと3人で、ビーチに行った。カダーも一緒に行ったあのビーチじゃなくて、少し近い方の、人が一番よく行くビーチに。 急なプランでほかの誰も都合がつかず、でもエブラハムがどうしても行きたいって言うからって、3人っていうよりふたりと半分だけだったけど行った。 波が多いビーチで、サーフボードを抱えた人もたくさんいて、眩しい陽差しをいっぱいに受けて大きな波にみんな大はしゃぎしてた。わたしはエブラハムを抱っこして、ママになったような気分でエブラハムを波に乗せて遊んでた。 「すごい人だったよ。多分これが夏の最後の日曜日だものね」。 夜にカダーが電話をくれたとき、そう話してから、「もうすぐ秋が来るね」って言った。 「秋になったらね、行きたいところがあるの。」 「どこ?」 「セントラル・パーク。葉っぱがすごく綺麗だから。去年もおとどしも行けなかったんだ。だからまだ一度も秋の色のセントラル・パークに行ったことないの。」 「ああ、綺麗だろうね。秋の色が綺麗だろうね。」 あの人と真似したかったオータム・イン・ニューヨーク。 ドクターと歩くはずだった黄金色の落ち葉の雨の下。 それは望むと叶わなくなる願い。消えてしまう夢。そしてそのまま失くなってしまう現実。 「秋になったら、セントラル・パークに行きたい。あなたと一緒に行きたいな。」 カダーにそう言った。 叶わないんだろうなって、そう思いながら言った。 もしもカダーも消えてしまったら、そのせいにしようと思って、そう言った。 あのとき、何故かそう思った。 だから、ほんとに叶わなくなったんだ。 まだ秋にもならないのに、もう叶わない。 消えてしまうわたしの小さな夢。 訪れない現実。 カダーはいなくなる。きっと。 -
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