TENSEI塵語

2009年06月07日(日) 透明人間はいない

昨夜の「MR.BRAIN」では、まず、
姿が映ってないからあなたが犯人だ、というオチがおもしろかった。

ある大学病院で、日向教授が殺された。
監視カメラには、日向教授が部屋に入る姿は映っているけれど、
その次に扉が開いた時には誰も映っていない。
それからもう1度扉が開いたが、やはり誰も映っていない。
やがて廊下に千原教授が現れ、警備員も現れ、それが死体発見の時。
透明人間による犯行か? という大騒ぎになった。

この時点で視聴者に落ち着かない姿を見せているのは、
将来有望の若い医師和久井、と、その婚約者のめぐみ。
めぐみは、自分の知っていることを警察に話そうか迷っているようだ。
千原は今までの確執から、日向を殺す動機があるらしい。

透明人間の犯行に捜査が難航しているうちに、
めぐみが階段から突き落とされて、頭を強く打って記憶を失う、
という第2の犯行も起こった。。。


さて、九十九くんの名推理は、とてもあっさりしたものだった。
日向教授の殺人の時に犯人の姿が映ってないのは、
カメラの向きを少し変えて、その死角を利用したからだ。
「運がよければまだカメラに指紋が残ってますよ」

・・・これでドラマが終わってしまったら拍子抜けだが、
この後が脳科学者の本領発揮である。

逮捕された千原は殺人の方は認めたが、
めぐみを突き落とした犯人は別人だった。

和久井は、今まで裏金を受け取って研究費用にしており、
千原の取り調べの中で、そのことがばれるのを恐れ、
婚約者のめぐみを殺害しようとしたのだった。

彼が犯人だという推理のひとつの決め手は、
めぐみの悲鳴を聞いて多くの職員が現場に駆けつける、
その監視カメラの廊下の映像の中のどこにも和久井の姿がないこと。
「つまり、その時あなたは階段(現場)に隠れていた、ということです」


それ以上におもしろかったのが、
そこに至る過程の、脳科学を利用した推理である。

九十九に教えられた治療法を和久井が熱心に続けて、
めぐみが何とか受け答えができるようになったという。
突き落とした犯人はどんな人かという和久井の問いに対して、
めぐみはいくつかの特徴を答えるが、それは千原の像である。
そのままその証言を尊重すれば、捜査は混乱する。

ところが、この応答の際の脳の反応を調べると、
過去の記憶を巡らす領域はまったく反応していない、
ごく最近の記憶を働かせる領域は活発に反応している。
つまり、めぐみは、突き落とされた時の記憶を語っているのでなく、
和久井に教えられた、しりとりを利用した一連の問答を
繰り返しているだけだ、ということになる。

・・・そうかぁ、、こんな分析もできるんだー。。

また、九十九はこの検査の最後に、和久井の写真をめぐみに見せて、
その反応を見る。
これは、彼なりのおまけの検査のようだ。
愛する対象を見ると反応する部分があるのだそうだ。


和久井を追いつめる九十九くんは、今までより熱していたようだ。
ここぞというところで熱する久利生検事に似てきたかもしれない。
今後がますます楽しみだ。


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