TENSEI塵語

2009年06月05日(金) 濡れ衣を着せた罪は、、?

3〜4回前のドラマ「臨場」にこんな場面があった。

検事が警察にやって来て、さっさとMを逮捕しろと圧力をかける。
世間で話題となっている事件だから、
早期解決で世間にアピールしたい、という理由で。。
現場のベランダから指紋が出てるんだから間違いない! と主張する。
さらに、Mの部屋から、事件に使ったと思われる品が出てきて、
ますます圧力が強くなる。

倉石と立原は、まだ腑に落ちない点があって確信できない。
むしろ犯人は別人という気がしてならない。

捜査本部の責任者の立原は、今後の地位について脅迫されるが、
犯人でない男を逮捕する方がよっぽど恥だ、と断固拒否。

それでも、検事は、あと1日でMが無実だという証拠が出なければ、
立原を捜査から外し、Mを逮捕すると宣告する。。
・・・うーん、、それにしても何と強引な。。。
・・・それに、実際捜査にあたってるわけでもないし。。

もちろん、この物語では、
それまでまったく考えもしてなかった人物が真犯人だったのだ。。
功を焦っていばって口出ししていた検事も、
彼らの入念な捜査のおかげで救われたというわけだ。


この種のドラマや小説を読んでいると、
これに似た葛藤がしばしば演じられる。
手柄を急ぐあまり、あるいは、世間へのアピールを急ぐあまり、
決めつけて逮捕してしまう、という話。。

もっとも、こういうフィクションでは、名推理の主人公が、
きっちりと真犯人を見つけ出すので、冤罪の痛手は軽く、すぐ晴れる。


昨日、冤罪が認められて釈放された人のニュースを見ていて、
取り調べにあたった刑事や検事は、どんな罰を受けるのだろうか、
と、かなり気になった。
20年近くも、無実の人の権利を奪ったのだ。
これは、殺人罪と同じとは言えないにしても、
かなり重い罪ではないか。。
17年半も、身に覚えのないことを責められて、
牢獄で過ごさねばならなかった日々の思いは、私には想像不能だ。

謝罪に現れるわけでもないようだし、
今後、どんな裁きがあるなんて話題もないようだし。。
そういえば、今までも冤罪事件はいくつもあったけれど、
取り調べた人たちが罰せられたというニュースは聞いたことないような。。
職務上の不可避の誤りとして不問に付されるのだろうか?


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