| 2008年10月10日(金) |
ピアノ協奏曲あれこれ |
まずは昨日の続きなのだけれど、昨日発掘したCDは×だったので、 さらに探したら出て来たのは、ツィマーマン/バーンスタイン盤。 これはちゃんと覚えがある。 でも、何となくよからぬ印象がまとわりついてる感じがする。 聴いてみたら、オケの音が小さすぎる、ピアノがずっとうるさい。 第3楽章は妙に落ち着いて聴けるのだが。。。
いや、これじゃない、、、◎の盤があったはずだ、、、 演奏者は忘れたけど、、一時期盛んに出てた1000円盤のイメージ、 と今朝探してたら、棚の奥から出てきたのが、ポリーニ/アバド盤。
聴いてみたら、、、おー、これじゃこれじゃ! 快調なテンポ、美しい流れ、みごとな展開。。。 10年ほど前に、リヒテル/マゼール盤と競うベスト盤に認定したもの。 こういうのはちゃんといつでも出せるところに置かなきゃあね。。
中学時代に聴いていたピアノ協奏曲といえば、 ベートーヴェンの3、4、5番とチャイコフスキーの1番のみ。 協奏曲よりも交響曲や管弦楽曲を聴くのに忙しかったのだが、 この4曲の聴き方もかなりしつこいものだったと思う。 ベートーヴェンの方の演奏家は、 FMから録音したものなので覚えていないけれど、 チャイコフスキーは、リヒテル/カラヤン盤だった。 後にワイセンベルク/カラヤン盤を聴いて、 こちらの方がいかにもカラヤンらしい表現なので気に入ったりした。
高校時代に知ったブラームスの2番も驚きだったけれど、 ラフマニノフの2番は、実に衝撃的だった。 これは、、クラシック、、? 映画音楽? が第一印象だった。 実に高邁なクラシック通を気取っていた私は、 通俗的〜〜! と思いつつ繰り返し聴いていたのだが、 通俗的だと思いつつも聞かずにいられなかったのは、 あまりにも魅惑的だったからである。 その後、何度も検証したのだが、少しもダレるところがない。 隙のないロマンティシズム。。。
ブラームスの方の演奏はかなり当たり外れがあるけれど、 ラフマニノフの方はそれほど当たり外れがないように思う。
まだ高校時代だったか、浪人中だったか、 井上陽水を歌うのが好きな友人がいて、時々伴奏の手伝いをしていたが、 ある日、彼の家に行ったら、大音量で音楽をかけて薪割りをしていた。 その音楽がピアノコンチェルトのようだ、、、ラフマニノフ? 何番?
彼にこの曲は何だと尋ねたら、「砂の器」と答えた。 映画音楽なんだと言う。。。 それから3〜4年後の大学時代にに有楽町の映画館で「砂の器」を見た。 あの映像と音楽の調和は定評があるのだけれど、私もやはり感激して、 「砂の器」のサウンドトラックを手に入れてよく聴いた。
ちゃんと聴いてみると、もうほんとに、 オーケストラ部分も、終結部も、じつにダサい! (映画の中の作曲家の指揮もそうだったけどね、、) こんなの聴けたもんじゃないわ!! と思いながらも、 やはりぜんぜん見捨てることができずに、繰り返し聴いたものだった。 あの主旋律の魅力には白旗を上げざるを得なかった。
4年前にTVドラマになって、新しいピアノ協奏曲ができて、 こちらはかなり洗練された作りになっていて、これも気に入ったけれど まとわりつくような「宿命」の糸という雰囲気はこちらには感じられず ちょっと残念な気もした。。 それでも、スコアが売られてるのを見たら迷わず買ってしまって。。
何か、きりがなくなりそうだけど、もうひとつだけ。。 あまり大っぴらに名曲名曲と騒がれることのない作品だけど、 私が長年妙に気に入ってるのは、サンサーンスの4番。 最終楽章(というより第2楽章の最終部と言うべきか)など、 実に素朴な感じの、小学校の唱歌的なメロディーで、 オーケストラの面々が真面目に演奏してるのが笑えるほどなのだが、 全編通じて、オケとピアノの絡みが実におもしろい。 1度聴くと、たいていもう1回繰り返して聴いてしまう。 私の愛聴盤は、パスカル・ロジェ/デュトワ盤である。
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