一昨日の夜「女王蜂」を見て、 昨日の午前中に「病院坂の首縊りの家」を見て、 昨夜「獄門島」を見て、今夜「悪魔の手鞠唄」を見て、 これで、旧作の「犬神家の一族」を除けば、 市川昆&石坂浩二の金田一耕助シリーズを全部見直し終わったことになる。 これはここ20年ほどの間に時折湧いていた願いでもあった。
どれも哀しい話である。 とても殺人など似合わないような上品な女性たちが連続殺人を犯す。 理不尽な過去を背負っているがゆえに、そうせざるをえない。 法によって裁くのは残酷だ、と思わされる。 警察とか探偵とかは、そういう意味では冷酷な存在だとも思わされる。 それほど、彼女らに同情しないでいられなくなるのだ。
幸い、彼女らは逮捕され護送されたりはしない。 警察や探偵の虚を衝いて、自ら命を絶つ道を貫くからだ。 それがせめてもの、哀しい救いだ。
横溝ミステリーのもうひとつの特徴は、家系と出生の秘密である。 これが、どうしようもない逃れられない業というものを描き出す。 彼の作品を読み漁っていたころは、こういう因縁に縛られた運命に、 ドロドロした恐怖感を感じさせられたものだった。
市川昆が映像化したものは映像美が優って、そういう点が緩和されている。
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