TENSEI塵語

2007年07月13日(金) 映画「マジェスティック」(T_T)

先日職場で話題になり、興味を持ったのだが、
900円台で売ってるDVDを見つけたので早速取り寄せて見てみた。

駆け出しのシナリオライター、ピーターは突然企画をキャンセルされた。
終戦後数年経ったいわゆるアカ狩りの時代で、
大学時代に共産党系のサークルに所属していたというだけのことで
共産党員と誤解され、FBIに目をつけられることになってしまった。
そのサークルは「戦災地救済部」と言うのだそうだ(何が悪いのだろうか)。
仕事も失い、恋人にもふられ、酔って海岸線をドライブしているうちに
川に落ち、流れ着いたところで助けられたが記憶を失っていた。
その町の元映画館経営者のハリーが、息子のルークだと思い込んだ。
ピーターの背格好がルークとそっくりだったのである。
ルークの恋人だったアデルも町の人々も、
出征して戦死したと思っていたルークが生還したと思うことができた。
町中がルークの生還を祝い、希望と喜びを噛みしめた。
記憶を失っているピーターは戸惑いながらも、アデルの恋人として、
そしてハリーの息子として、映画館の復興に尽力する。
その映画館の名前が「マジェスティック」である。

しかし、物語はそこで終わらない。
この後に本当の「マジェスティック」が演じられる。

FBIは行方知れずになっていたピーターを遂に見つけ、拘束する。
彼が救われ自由になる唯一の道は、聴聞会において、
用意された声明文を読み上げることである。
その声明文とは、共産党員としての過ちを認め(そうじゃなかったのに?)
謝罪し、用意されている「仲間」リストを読み上げて「仲間を売る」ものだ。
要するに、切支丹の「踏み絵」と同様の性格のものである。
そういう儀式を公衆の面前で行わせる、卑劣な猿芝居である。

「真実を語る」ことを宣誓させられた聴聞会で、
ピーターが戦災地救済部に入った理由を正直に答えると、
「ふざけるなら侮辱罪だ」と議長に制せられる。
この場合の「真実」とは、「権力」が用意したシナリオでしかないようだ。

促されて「声明文」を読み始めたピーターは読み続けることができなくなる。
そして、投獄も厭わず、語り始める。

「問題は、私が共産党員かどうかと違う」(そもそも党員ではないのだ)
(議長)「それ以外に大きな問題はあり得ない」
「正直言って、僕には信念というものがない。必要と思えなかったし、、、
 本当を言えば、信念を持つだけの勇気もなかった」

そうして、彼はルークの信念と勇気を讃え、
「彼ならこういうでしょう」と話を続ける。
「『僕らが命を懸けて守ろうとした国はこんな国ではなかった。
 あなた方が示すアメリカという国は、冷酷で度量が狭い』」

更に彼は「合衆国憲法」を取り出し、その「修正第1条」を読み上げる。
議長の盛んな制止と妨害をものともせずに。。。
その条文を、とあるサイトからコピペすると、、、
「連邦議会は、国教を樹立し、あるいは信教上の自由な行為を禁止する法律、
 または言論あるいは出版の自由を制限し、または人民が平穏に集会し、
 また苦痛の救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を
 制定してはならない」

それについて、彼は続ける。
「この憲法修正1条はアメリカの基本理念です。
 国民が国と交わしたもっとも大事な契約です。
 たとえこの憲法や修正箇条という契約がただのサイン入りの紙切れでも
 身勝手な都合による変更が許されない、唯一の契約書です。
 議長にも、捜査官にも、誰にも変えられない。
 これを守るため、多くの血が、、、、、」


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