もうだいぶ前に廉価で買っておいたDVDで、 そのうち見なければ、、、と思いつつ、ずっと見る機会を逸していた。 今夜、いくつか物色しているうちに、これを見てみることに決めた。
残念ながら、そうおもしろい映画でもないし、感動的でもなかった。
ラフマニノフの3番のコンチェルトでコンクールに出るあたりは、 絶対感動的な場面になるようなところだが、どうもそういう展開でない。 コンクール本番に至るまでの過程が、何かもどかしい場面の連続。。。 本番演奏中も、病的な症状を象徴する場面があったり、 頑固親父がテープで聴いている未来の場面が挟まれたりして、 どうも、場面構成のリズムが悪い。
終盤の演奏会も、唐突に開かれ、我々に心の準備がない。 だから、演奏会成功の喜びも、まったく共有できない。
工夫を凝らしすぎてかえってもどかしく単調な映画になってしまった。
この映画の救いは、人との出会い、である。 青年時代のピアノ教師と女流作家ももちろんだが、 ヘルフゴッドが「熊蜂の飛行」を弾く店モビーズの人々、 (彼らとの出会いは精神を患っている中での出会いだ) とりわけその店員のシルヴィアの優しさ、 そして、そのシルヴィアの紹介で登場する、後に夫人となるギリアン。 すごく重要な存在だと思うのだが、何か映画の中での存在感が希薄だ。 何かよくわからぬうちに、いきなり結婚式の場面になったりもする。
そんなわけで、どこをとっても中途半端な印象しか受けなかった。 いい素材を生かし切れなかった映画、という残念な思いが強い。 父親の屈折した溺愛だけはわりとしつこく描かれているが、 そういう不愉快な、不幸の源だけちゃんと描かれていても、 とてもまた見てみたいという気にはなれまい。 私にとって、つまらん映画というのがまた1作増えてしまったわけだ。
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