| 2007年03月15日(木) |
国民投票法案の問題点 |
きょう明日は高校入試である。 入試業務はたいへん煩わしい(選抜委員などになっていると一層)のだが、 今年度の授業は終わってしまったので、その分は気が楽である。 授業の準備に頭を悩ませなくてもよくなったから。。。
「憲法改正国民投票法案の問題点」という講演記録を見つけたので読んだ。 先日見つけたのだが、長そうなので読むのを先延ばししておいたのだ。 一昨年書かれたものらしく、ちょっと資料としては古いのかもしれないが、 さらに考えを広げる上では、いろいろと参考になった。
1 近代憲法は硬性憲法である。 基本的人権・国民主権・権力分立・平和主義等を基本原則とし、 それらが不可分のものとされているので、それらを守るために 改正には重い要件がつけられている。
2 憲法の憲法改正条項は、立法権・議会よりも上位に位置づけられている。
3 憲法学説では、基本原理は改正できないというのが多数である。 平和主義はこの基本原理の中に認められるのか?
4 内閣が改憲を提案できるのか。
5 決議の際の定数の問題。国会においてもそうだが、 国民投票において、「有効投票」の過半数というのはまずいだろう。
6 改正点が複数の場合、各項目ごとに賛否を問うか、一括して問うか。 アメリカの州法では、条文ごとに賛否を問うものが多いそうだ。
7 国民投票で賛成多数となった場合の公布手続きの問題。 選挙の過程における訴訟問題が起こった場合にはどうするか?
8 選挙公示後の、宣伝活動に関する問題点。 公示から投票まで2〜3カ月の猶予がある。 国民の運動を規制するとともに、報道機関を規制する恐れあり。。。
こうして、専門家の意見も読んでみると、首相の立場で 改憲に躍起になっているのはどうだかなー、という思いがますます強くなる。 そして、そんな人物に首相という地位を任せなきゃいけなくなる 日本の政治社会構造はいったい何なのだろうと、ますます深い疑問に襲われるのだ。
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