| 2007年03月14日(水) |
「ハケンの品格」が終わった |
連ドラは、唯一、水曜10時からの「ハケンの品格」だけ見ていた。 初回と先々週と、途中のある1回の前半は見そびれたが、何とか見続けた。
主人公の大前春子は、仕事から情を徹底的に排除する。 勤務時間に厳格で、社員たちと余計な交流をせず、 3カ月の契約期間は決して更新しない。 その代わり、身につけたさまざまな能力や免許を生かして、 勤務時間中はバリバリ仕事をこなし、会社のピンチを救う。 ゴルゴ13的ビジネスウーマンである。
彼女をそうさせたのは、(ドラマで紹介された限りでは)2度の、 不当解雇だった。 社員として懸命に働いていても、解雇されたらそれで終わり。 ここでもっと働きたいと願っても、どうしようもない。 だから彼女は「品格」を高く保つ「ハケン」に徹するようになった。 表面上は冷徹であっても、実は情が深い。 その二面性が交錯する姿を、我々視聴者は楽しんで見ていたわけだ。
ドラマでは、所詮あいつはハケンだし我々は社員だと威張る社員、 また、社員という地位に安住している社員と 能力を認められなければ使ってもらえないハケンの対比が描かれた。 ある回の「働かない正社員がいるからお時給がいただける」という言葉は 痛烈だった。
きょうの最終回では、小泉クンの息子が演じている「主任」が名言を吐いた。 派遣社員の2人の力で成功した企画のおかげで社長賞を受賞した主任が、 受賞挨拶で、本来は自分がもらうべき章ではないと断言する。 そして、ロビーで話しかけられた会長に、 「人として接しなければいい仕事はできないんじゃないでしょうか」と言う。
リストラを奨励し、更にはイラクでボランティア支援をしていた人たちを 批判した小泉クンの、その息子が、役柄とはいえ、こういうセリフを、 親父とは対照的は実に好感の持てる表情で言ったのは、皮肉な話だ。
また、そういう物語の合間にも、正社員とハケンとの、 身分・立場上の葛藤というか、差別というか、そういう様子が描かれる。 企業ではそれほど、社員と派遣・パート・バイト(区別がよくわからんが) との対立や葛藤が激しいのだろうか??
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