西日が差したら枇杷の実を食べよう
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| 2002年04月14日(日) |
女子映画の王道としての、ビリー・ワイルダーとジョン・ヒューズ |
ビリー・ワイルダーが亡くなりましたね。 ビリー・ワイルダーといえば、ロマンティック・コメディー。 不倫やら、浮気やら、片想いやら、 日本のテレビドラマにだって転がっていそうな、 ごくごく日常的なアイテムを詰め込みながら、 日本のドラマとは全然、違う世界をつくりあげてしまう、 ビリー・ワイルダーマジック。 何年たっても色あせない、胸の奥をキュンとくすぐるような、 それでいてちょっとシニカルな世界をつくりあげてくれる手腕は、 さすがの職人技。
別な場所にも書いたけれど、 女優を「女の子」として、最高に可愛く演出してくれるし。 やっぱり、女の子映画のキングスロードをつくってくれた一人だと思う。
で、これはもう、わたしの勝手な見解だけれど、 そんなビリー・ワイルダー的女子映画の世界を、 ある意味、引き継いでいると感じるのが、 80年代の、一連のジョン・ヒューズ監督作品だ。 『すてきな片想い』、 『プリティインピンク』、 『恋しくて』 以上、三本は、わたしにとって女子映画の必修・基礎課程。 かわいい。せつない。でも甘すぎない。 この三拍子がバランスよく揃っていて、しかも、 よくできた映画って、ありそうで、 実はあまり多くないんじゃないだろうか。
その昔、自由になる時間がたっぷりあった頃、 80年代の青春映画に凝っていて、 メジャー系から、インディーズっぽいものまで、 ありとあらゆる十代の女子・男子が主人公の作品を 手あたり次第、みまくっていた時期があったけれど、 やっぱり「王道」という意味で記憶に残っているのは、 一連のジョン・ヒューズもの。 女子がメインという意味では、上記三本が代表作ではあるけれど、 『ブレックファストクラブ』、『フェリスはある朝突然に』も好きな作品だ。
ジョン・ヒューズ監督は、 アメリカ映画でありながら、サントラではUKミュージックを数多くセレクト。 そのあたりも、バブリーでラヴリーでどこか虚無的なあの80年代を、 100%アメリカン!な明るさとは違う切り口で、 スクリーンの中に閉じこめることができた、一つの理由かもしれない。
ああ、こんなコト、書いていたら、 『恋しくて』のサントラ、聴きたくなっちゃったよ。
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