
書籍名 写真万葉録筑豊7
副題 六月一日
著者 (監修)上野英信・趙根在
出版社 葦書房
ジャンル 写真集
発行日 1985.10.5
批評家で作家の大西巨人氏が、『穴掘りモグラ』(朝日ジャーナル誌一九八六年二月十四十日号、『巨人の未来風考察』朝日新聞社一九八七年三月三十日刊所収)で一九六五年六月一日における三井山野炭鉱ガス爆発大惨事(死者二百三十七人)のことについて触れておられます。
「穴掘りモグラ」は氏の長編小説『神聖喜劇』の中で、大前田軍曹が鉢田新兵(古河上山田炭鉱坑内夫)に対してあざけりの言葉として使用したものです。それに対し、鉢田新兵が「川筋(遠賀川流域一帯、筑豊炭田)じゃ人殺しはあんまりめずらしゅうもありまっせん。それも人が人を殺すだけじゃのうして、ガス爆発やら出水やら落磐やらなんやらかんやらが、年がら年中バサラカ(おびただしく)人を殺しとります。」とあえて断言する、という場面が出てきます。
さて、その三井山野炭鉱ガス爆発事件の二年前、一九六三年一月十八日に、福岡県三井三池炭鉱有明坑がガス爆発を起こして八十三名の死者が、前年一九六四年四月二十四日には長崎県の三菱高島炭鉱のガス爆発によって十一名の死者が、続いて五月十七日には北海道の三菱南大夕張炭鉱がガス爆発を起こして死者を六十二名を出すなど、無残な大災害が繰り返されました。