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2006年02月16日(木) 『スコップ鑑定(狭山事件)』生越(おごせ)忠氏(1976年)


婦人民主新聞縮刷版第六巻(婦人民主クラブ発行/1976 年 8月 20日号より)
土壌が無罪を立証
生越(おごせ)教授のスコップ鑑定
 ・・・十一日婦民ホールで「両者(スコップの土壌と現場土壌)に類似性は認められず、まったく異質なもの」と新鑑定書を最高裁に上告した地質学者生越忠(和光大教授)は表を書いてわかりやすくその相違点を説明。・・・

「おかしいのは十一日の夜、スコップが発見され、それについていた赤土と、死体が埋められていた穴の赤土の土質がほとんど一致すると十二日の午前中に警察が発表したということ、土壌の鑑定は半日やそこらでできるものではない。目で見て色や外観が一致したということだが、これはクジラは哺乳動物なのに、海に住んでいて形が似てるから魚と同じものであるというのと同じ。
 さすがにこれだけではまずいと思った警察は、埼玉県警察本部の鑑定課に鑑定を依頼、星野正彦警察技師が二ヵ月かかって検査、鑑定書を書き上げた。
 
 土壌の鑑定の場合、第一の基準になるのは土壌構成粒子=粒の大きさによって砂・シルト(微砂)粘土とわけられる=の組み合わせ、第二が鉱物成分。色や形など外観は主観的なもので第三次第四次的なもの。星野鑑定はいちおう七項目の分析をやっているが、全資料について検査したのは比重だけ。また発表した分析表に空欄があったり抜けていたり。これは発表すると都合が悪いデータがでているということだと思う。
 そして一番重きをおかなければならない土壌粒子の重量構成比についてみれば、星野鑑定によっても、両者に明らかな違いがある。スコップについていた赤土は“シルト質植壌土”であるのに、死体を埋めてあった穴の付近(なぜか警察は死体のあった穴の土を使っていない)の赤土は“シルト質植壌土”とまるきり質の違うもの。それをとりあげず、二次、三次のものすべてを同一平面内にならべ、同じウエートにして総合的に合わせ「類似性が高い」と発表した。
 だいたい、“似ている”おされている成分のところは、片方が赤土、片方が黒土のところで、これでは肉眼鑑定で色も形も似ていると発表したことまで、まってうのでたらめになってしまう。星野鑑定は、分類学の基礎を知らないおよそ非科学的なもので、警察側が一度作り上げた筋書きを動かしたくないということからのこじつけ鑑定であろうと思う。・・・」

 この星野鑑定書に、埼玉大の地質学者や、科学者が手を貸している事実に「お上がやったものだから駄目。大学教授(すべてのとはいわないが)がやったからあやしい」という考え方も身につけようという話も出た。科学の名を借りた非科学性が警察の発表したデータから解明されるおかしさ、この他の六つの鑑定書も同じように石川さんの無罪を裏書きしている。なんとしてもこれら新鑑定書を含めた上告書を読ませ、最高裁に口頭弁論・事実審理を行わせるよう世論を高めようと決意を新たに会を終えた。 


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