たりたの日記
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| 2009年07月07日(火) |
ただ波の音を聴いて過ごした一日 |
7月23日に記す7月4日の日記。

さて、2日、3日と十二湖を散策し、 4日は白神山か二つ森山へ登ろうと考え、あきた白神駅の側、「ハタハタ館」に泊まったのだが、朝は雨が降っていて、登山口までの交通機関を確保するのも難しいので、この日は夕方の電車の時間まで海を眺めて過ごすことにした。 昨日もホテルの窓に広がる日本海を眺めていた。 日が暮れてからも暗い海の向こうでチラチラ揺れる漁り火を眺めて過ごした。海岸に座って雨の日本海を眺めるにも良いだろう。
遅い朝食を終え、宿を出る頃には幸い雨も上がっていた。 チェックアウトを済ませ、キャンプ場を抜け、松林を歩き、海岸へ降りる道を探す。

人のいない静かな海岸だ。 ゴツゴツと岩が続いているがトレッキングシューズだから大丈夫。 そもそも山に登りに来たのだからと大きな岩に取り付いては岩をよじ登り、 座り心地のよさそうな場所を見つけた。
足元まで波がかかりそうに海に近い岩場に陣取る。 寄せては返す波は荒い岩肌にぶつかっては砕けるので、その音は思いの他大きい。
波のうねりは人間の身体のリズムと何と深くかかわっているのだろう。 怒り、歓び、不安、哀しみ、やってくる感情のうねりはこの波のうねりと同じリズムなのだと思う。
ひりひりした感情の粗さや負荷がザブンザブンと波で洗われ、すべらかにされてゆくようで、いつまでもこうしていたかった。

実際、10時から午後2時くらいまでただただ波の音を聴いて海を眺めて過ごした。
カニが岩から顔を出してゴソゴソ貼ってきたので、歌のあるように、カニと戯れたりもできるのかしらとクッキーのかけらで気を引こうとしてみたが、この磯のカニは焼き菓子はお気に召さなかったとみえ、また岩の裂け目に入っていってしまった。

ホテルに戻り、遅い昼食を摂り、海を見ながら温泉に浸かり時間まで過ごす。はたはたの浜焼きと岩のりをお土産に買って、17時25分発のリゾートしらかかみ4号に乗る。 二号車の6人がけのボックス席にわたし一人だけだった。
秋田発19時7分のこまち32号に乗り継ぎ、初日に会ったSにメールを送る。
「今電車はあなたの住む町を通り抜けるところです。ありがとう。会えて良かった。いい旅でした。いつかいっしょにリゾートしらかみに乗りましょう。」
大宮着22時42分。帰宅。
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