たりたの日記
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2008年11月12日(水) 晩い秋残る木の葉を数えおり

冷たい雨の一日だった。
ハナミズキの色づいた葉が一枚、また一枚と落ちる。
数日の内にはすっかり落ちてしまうのだろう。

春、ピンク色の花が一斉に開いて窓から見える青空を埋め尽くして豪華絢爛の花盛りだった。
夏、花の後、葉がすぐに広がり、夏の間中、涼し気に揺れていた。
秋、葉は微妙な色彩に染まり、赤い実を鳥たちが食べにやってきた。
晩秋の今、その葉が落ちている。
間もなく冬、木は枝ばかりのシルエットになる。しかしそれぞれの枝の先にはすでに来る春の花芽を無数に付けているのだ。
春を待って寒い冬に耐える、小さく健気な花芽たち・・・


午前中は脳のMRIの検査へ。4月から、頭が時折り痺れる事があり、気になったいたのだ。結果は異常なし、ストレスから来るものという診断だった。
ストレス・・・
先日、初めてマッサージを受けたら、指が入らないほど凝っていると言われた。気がつかないうちにストレスを溜め込んできたのだと言われる。

午後クラス二つ。11月のテーマは収穫の秋にちなんで、野菜や果物などの食べ物。いつもより余裕のある授業ができた。

夕方から、「イングリッシュ・ペイシェント」のDVDを観る。
最も好きな映画の一つだ。

初めて観たのは11年前、41歳の時。その後、ビデオで2回借り、今回久々にDVDを借りて来た。金曜日に借りて、今日は三回目を観た。映像、ストーリー、言葉、役者、どれも好きだ。とても心惹かれる。アフリカの砂漠を旅し、洞窟の壁画を観たいと思う。

それにしても、映画は観る時によって、様々な部分や心情が新しく分かる。良い映画ほどそうなのだろう。
オランダーチェの原作「イギリス人の患者」も、そのうち再読したい。
きっと11年前とは違った印象を持つはずだ。

数日前、末締め切りの<2008お話Pod&ラジオデイズ朗読賞>に応募した三つの朗読の内の一つ福永武彦著「愛の試み」がきっかけで、また「愛の試み・愛の終わり」を読み始めた。この本も読む度に新しい発見や示唆がある。

時が過ぎる。
春から夏、夏から秋へ移行するように。
今という時がいったいどこへ向かっているのか知る由もないが、時は宇宙の理に忠実に誕生と死を、死と再生を繰り返しながら進んでゆくのだろう。
手にしたと思ったものも失われ、失ったと思ったものもまた戻ってくるのかもしれない。
そんな事を思った晩秋の一日だった。


* 2008お話Pod&ラジオデイズ朗読賞のすべての応募作品がここから聴くことができます。
わたしの応募した朗読は89、90、91の三作品です。
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