たりたの日記
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| 2006年06月02日(金) |
アルフレッド・スティーグリッツの写真展へ |
名古屋ボストン美術館 へ。
アメリカのボストン美術館の分館が名古屋にあることは知らなかった。
友人から名古屋ボストン美術館でやっているアルフレッド・スティーグリッツの写真展へ行かないかという誘いがかかった。この写真家の事は知らなかったが、かつて何度か訪れたボストン美術館のことがなつかしく思い出され、スティーグリッツのニューヨークの街の写真にも心惹かれるものがあり、チャンスとばかり、出かける事を決めた。
近代的なすっきりしたデザインのビルディングの中にあるミュージアムは心地よい空間だった。 このところ美術館に足が遠ざかっていたのは人の多さだったのかもしれない。 人の少ない美術館では作品と心ゆくまで向き合うことが可能だ。
スティーグリッツのどの写真ともそこに交流が起こったが、とりわけ強いものを感じたのは6点のジョージア・オキーフの肖像だった。オキーフは、独創的な画風で知られる個性的な画家。若い頃、その才能をスティーグリッツに見出され、後に妻となる。
これらの肖像が語りかけてくるものがそれぞれに異なる事にも驚くが、どのポートレイトも表面的な美しさというよりは内面の深さを掴み取っている。 そこに映し出されたのは女性の美しい顔というよりはその人間の固有の魂。 そう、手にしてもその人自身を語り、そこからこちらに向かってくるものは強いのだ。
見つめても見つめてもなおやってくるものがあるので、時間がすっかり止まってしまう。気がつかないうちに思いの他時間が過ぎていた。
 
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