たりたの日記
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2006年05月13日(土) 静もる雨の奥多摩を歩いて―大塚山行―

「雨の日の山歩きもいいものですよ」

いつか遊山倶楽部のリーダーのドイさんがそういった言葉が心に掛かっていたが、この日、晴れて、雨の山行を楽しむことができた。

予定では奥多摩駅からバスに乗り換え、鹿倉山に登ることになっていたが、下山に3時間かかるのでコース変更。
古里駅下車―大塚山―御岳のラジウム泉(山香荘)―ケーブルカー―御岳駅となる。
メンバーはショウズ先生、カメダさん、ドイさん、ニシグチさんとわたしの5人。

古里駅でそれぞれ雨具を付けながら、「なんだか楽しくなってきたぞ」と先生。
青、赤、黄、ピンク、と色鮮やかな雨具の楽しいこと。
実際、着ぐるみのようにすっぽり雨具に包まれて、雨の中を歩き出せば、何とも愉快な気持ちになるのだった。


山はいつも静かだが、雨の日の山はいっそう静もっている。
山の緑はいつも新鮮だが、雨の日の新緑はいっそうみずみずしくて美しい。
話声も雨具に落ちる雨音にかき消されるからか、いつもの賑やかな山行きとは違って静かだ。
雨は降っていても山の中は意外と明るく、山々の間から霞が立ち上ってくるようすは幽玄だ。
しっとりと湿ったふかふかの落ち葉を踏みしめ、鳥のさえずりを聞きながら、2時間近くの登りを楽しんだ。







昼前に大塚山の頂上。ピクニックテーブルはあるものの、まともに雨を受けるので、木立の中へ入り、ドイさんが持ってきたツェルトを木の枝にくくりつけ、雨よけをこしらえ、その下で宴会。
目の前には霞に煙る山の姿が大きく広がり、何とも贅沢な眺めだった。
ビール、ワイン、ズブロッカ、粕取り焼酎、ブリやイナダの照り焼き、切り干し大根の煮物、炒りアーモンド、玄米の混ぜご飯、雑穀ご飯・・・
暖かいアップルティーが嬉しかった。







雨の中の宴はしっとりと静かで豊かな時間だったが、やがてツェルトに雨水が溜まり始めたので、宴はそこそこに切り上げ、ラジウム温泉のある御岳山近くの山香荘へ向かう。

1時15分に温泉に到着。この温泉はもう三度目。
初めて来た去年の3月も女風呂を貸切で入ったが、今回もわたし一人。
冷えた身体にお湯が心地よい。
一時間ばかり夢見ごこちでラジウム泉を楽しむ。

ビールを飲んでゆっくりし3時過ぎ、御岳山のケーブルカー駅へ向かう。
雨はまだ降り止まない。

ケーブルカーを降りて滝本から御岳駅まで歩く。電車を待つ間、再び宴会。
まだ時間が早いので新宿まで直通の奥多摩ホリデー快速に乗ることができた。さすが雨の日。乗客はほとんどいなくて、車両には我々だけ。

どこまでも静かな山行き。
豊かな雨の一日。

               *

写真、はじめの2枚はドイさんの撮影したもの。
3枚目はわたしが携帯で撮ったもの。


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