たりたの日記
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| 2004年11月15日(月) |
わたしが決して辿ることのない道を辿ることのない方法で |
夜の間もずっと降っていたと思われる雨は朝になっても降り続けている。 今日の仕事は家から目と鼻の先にある保育室を会場にした英語クラスが3クラスなので、雨はさして影響がない。 むしろ、何か雨にほっとする。
しかし、わたしは雨でもよいが、次男は今日、例の原付でつくばまで帰らねばならぬ。5時限の授業と、世話をしている留学生の買い物に付き合う約束があるのだという。
止みそうにないと思えた雨は、しかし昼過ぎには止んだ。 「んじゃ、帰るわ」 彼は原付にまたがって、ヘルメットをかぶると、ブルンとエンジンをかけ、あっという間に視界から消えた。
おかしなもので、家からいなくなるという状況は変わらないのに、今までのように駅まで歩いて行き、そこから電車とバスで戻るのであれば、何も特別な感慨は起こらないのだろうが、バイクで走り去る後姿を見たとき、ふっと喪失感のようなものが沸き起こってきた。
これはいったいなんだろう。 わたしが決して辿ることのない道を辿ることのない方法で、自分の子供が行くというそのことの故なのだろう。
わたしが行くところへはどこへでも自転車の後ろへ乗せて連れて行っていた、あの永遠に続くように思われた時期は、実は瞬くほどの短い時間だったのだ。
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