たりたの日記
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2004年07月10日(土) 魚に飲みこまれたヨナの話


むかしむかしのお話、イエスさまが生まれる800年も前のお話です。
イスラエルの国にヨナという男の人が住んでいました。
ある日のこと、神様の声がヨナに聞こえました。
神様はこういいました。
「ヨナ、ニネベの町の人達は悪いことばかりしている。おまえがその町に行って、その人達に注意しなさい。」


それを聞いて、ヨナはとんでもないと思いました。
自分たちの国イスラエルは神様を信じ、みんなが決まりを守って正しく暮らしているのに、ニネベの町の人たちは神様を信じず、好き勝手に悪いことばかりしている。そんな悪い町の人間に注意したって、誰も聞かないばかりか、こっちの命の方が危ないよ。
そう思ったヨナは神様の命令を無視して、ニネベと反対の方向にあるタルシシという町に逃げようと思いました。ちょうど、ヤッファという町まで行くと、タルシシ行きの船が見つかったので、船賃を払ってそこに乗り込みました。


ところが、ヨナの乗った舟がタルシシに向かって進み始めると、海は大荒れになり、船は今にもばらばらに壊れそうになりました。船乗りたちは顔色を変えて、それぞれ自分たちの神様に「助けてください!」と叫びをあげ、また少しでも船を軽くしようと積んでいた荷物を海に投げ捨て始めました。けれども、そんな騒ぎの中で、ヨナは船底でぐっすり寝込んでいました。


船長はヨナのところ行き、「寝ているとは何事か、あなたの神様なら聞いてくれるかもしれないからお願いしなさい」と言うのです。また他の人たちは、「いったい誰のせいで、こんな災難がふかかかったのかくじを引いてはっきりさせよう」といいました。
みんながくじを引いたら、なんとそれはヨナに当たりました。


みんなが訳を説明しろと、ヨナに詰め寄ったので、ヨナは自分が神様の命令を聞かずに逃げようとしてこの船に乗ったことを白状し、自分のせいで大嵐になっているのだから、わたしを海に放り込めばいいといいました。
船に乗っていた人たちは、なんとか船を陸に戻そうとしましたが、ますます海が荒れてきたので、しかたなくヨナを海へ放り込みました。するとたちまち嵐は止みました。



さて、海に放り込まれたヨナはどうなったでしょう。
神様はヨナを見殺しにはしませんでした。大きな魚を送り、その魚にヨナを飲み込ませたのです。ヨナは三日三晩、その魚のお腹の中でいました。そして魚のお腹の中で、いっしょうけんめい神様に祈り続けました。3日目に、神様が魚にヨナを吐き出すように命じたので、魚はヨナを陸地に吐き出し、ヨナは助かりました。


すると、ヨナに神様の声がまた聞こえました。
「ニネベへ行って、わたしが語る言葉を知らせなさい」と言うのです。
神様はまだあきらめてはいなかったのですね。
今度はヨナはもう逃げたりしないで、神様の命令した通り、ニネベの町へ行き、歩きながらこう叫びました。


「あと40日すれば、ニネベの町は滅びるぞ〜」

ヨナは、この町の悪いことばかりする人達は神様からの警告を聞いても、誰も信じないだろうと思っていたのかもしれません。ところが、町の人達はヨナの言葉を信じ、この町の王様は、「みんなに、断食してひたすら神様にお願いしなさい。悪いことをすぐに止めなさい。そうすれば、神様が考えを変え、この町を滅ぼすことをやめるかもしれないから」とおふれを出しました。
神様はニネベの町の人達が反省して、悪いことをしなくなったのを見て、この町を滅ぼすことを止めました。


ところが、この神さまの計画変更に、ヨナはかんかんに怒って、言いました。
「神様、ほら、わたしが言った通りじゃないですか。こうなることは分かっていたから、わたしはタルシシに逃げようとしたんです。こんなひどいニネベの国を滅ぼさないで助けるなんて、あんまりです。神様、もうわたしの命を取ってください。もう生きていたくなんてないです。」
すると神様は言いました。
「お前はずいぶん怒っているが、それは正しいことか」と。


ヨナはぶつぶつ言いながら都を出て、東の方に小屋を立て、このニネベの都がどんな風になるのか見ておいくことにしました。けれど、その小屋にはガンガン太陽が照り付けます。そこで神様は、日陰を作るためにとうごまの木に芽を出すよう命令しました。するとあっという間にとうごまが伸びて、ヨナの背よりも高くなり、頭に上に涼しい木陰を作ってくれました。ヨナはようやく機嫌を直し、このとうごまの涼しい木陰を喜びました。

ところが、翌朝、今度は神様は虫に命令してそのとうごまの木を食い荒らさせました。涼しかった木陰はなくなったばかりか、神様は焼け付くような東風が吹きつけるよう命令したので、ヨナは暑さでぐったりし、神様に「生きているより死んだ方がましです。」とごねました。


すると神様はこういいました。
「お前はとうごまのことで怒っているが、それは正しいことか。」と。
ヨナは
「もちろんです。怒りのあまりに死にたいくらいです。」
と言い返しました。そのヨナに神様はこういいました。
「ヨナ、おまえが苦労して育てもしないとうごまが、一晩のうちに大きくなり、また一晩のうちに、だめになってしまったことを惜しんでいる。それなら、どうしてわたしがこのニネベの町を惜しまないでいられるだろう。そこには12万以上の人間と数え切れないほどの家畜がいるのだから。」

      <教会学校の礼拝のために 旧約聖書ヨナ書の再話>


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今日は明日の教会学校で話しをするために、旧約聖書のヨナ書を、子ども達のためのお話風に再話しました。

このヨナ書で語られていることは、ヨナが神の命令に聞きしたがわなかったけれど、神様はヨナにもう一度チャンスを与えたということ。
また、ヨナはニネベの救済に対して批判的で、神の心が理解できなかったが、神はとうごまの木を生やさせ、また枯れさせることで、ヨナに神のニネベへの憐れみを伝えた。ということでしょうが、昔話としても、この話はとても印象的な話で、子ども達に語りたい物語のひとつです。
また絵のモチーフにもよく用いられています。

わたし個人としては、神様の命令にあえて従わなかったヨナや、神様がニネベを救うことに、正義感から怒りまくるヨナが人間らしくて好きです。

この話をいろいろと検索していたら、おもしろいサイトに出会いましたので
ご紹介しますね。

サイト江礼宮夫さんのサイト「聖書の呼ぶ声」です。

ヨナのことは愛国者ヨナの怒り
に書かれていて、とても興味深かったです。



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