たりたの日記
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2003年01月08日(水) 異なる時空

「もう何日も日記を書いていない。」
何かはっと我に帰るような気持ちでここを開いた。それから真新しい1月のカレンダーに思わず目をやる。わたしがここを開かなかったのはわずか一日だけ。時間はそれ以上は少しも進んではいない。ところがおとといの朝、キースのケルンを聞きながら書いた時からこの朝までの間にとてつもなく長い時間が経過したような錯覚がある。そう、これは錯覚なのだ。しかしどうだろう。人の心には時計の刻む時間とは別の時間が存在するのではないだろうか。人の心が実際自分が生きる場所を遥か離れた別の空間でも時折生きるように。

寝て起きて家事をし、仕事に出かけ、人と話し、なんの変哲もない日常の中できちんとアリバイを残しながらも、わたしの心はその場を離れてどこか遠くの空間と時間の中をさまよっていたような気になる。浦島太郎にとってはは僅か数日(数ヶ月だっただろうか)が実際には100年もの長い時間だったが、わたしの場合はわずか2日ほどの時間の間に数ヶ月を費やしたような旅をしてきたような感覚がある。内的な旅。

昨夜遅く、実家の母から知人2人の訃報が入る。
お元気な頃の顔を思いうかべてみる。もうずっとお会いしていないその方が、そのうすぼんやりしていた印象が急に鮮明なものに変る。この世界にはもう生きてはいらっしゃらないのだけれど、その印象は今までになくくっきりとした輪郭を持ち、こちらに迫ってくるような感じさえする。肉体を離れて魂だけの存在になられたからなのだろうか。

主の平安を。


たりたくみ |MAILHomePage

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